開発者必見! Excelデータを活用した効率的業務システムの構築

第1回ニーズから知る最近の業務システム動向

今回から4回にわたり、Excelデータを活用したシステム構築および業務改善を実現するための開発方法について解説します。

社内業務の今

現在、多くの企業や組織で、PCを使った業務が増えてきており、社内外問わず情報共有をする手段としてMicrosoft Officeが使用されています。この要因の1つが、Windowsの普及で、とくにWindows XP/Vista登場以降、この動きが顕著になりました。また、OpenOffice.orgのように、オープンソースで利用できるMicrosoft Office互換ツールの登場もその動きを加速させています。

必須となったMicrosoft Excel

中でも、Microsoft Excel(以降Excel)は、各部署の数値データや管理・経理関連の書類など、さまざまなシーンで使われています。

図1 Excelの利用例(グラフ関連)
図1 Excelの利用例(グラフ関連)

たとえば、図1のようなマーケティングにつながるアンケート調査の数値グラフなどは、データの入力作業を含め、ルーチンで行われることが多く、Excelの持っている機能が有効活用できます。

また、最近とくに増えているのが帳票のビジュアルデザインおよび入力フォームを、Excel上で行うケースです。

この使用法のメリットとして、

  • (ユーザ側が)使い慣れたExcel上で作成・管理できる
  • 社内のWindowsベースのシステムで操作できる
  • 画面以外に印刷できる

など、さまざまな点が挙げられます。

一方で、社内業務でExcelを活用する際、とくに課題となるのが、そもそものデータ作成においてExcel向けに出力するのが複雑な点です。つまり、各自のニーズに合わせてカスタマイズしたり、操作しやすくするために工数が発生してしまうことです。

Excelファイルをさらに活用するために

では、この課題をクリアするにはどうすれば良いでしょうか? 1つはExcelに標準実装されているVBAを利用して、データを自由に取り込む方法です。しかし、この場合、VBAの知識を習得することに加えて、VBAという制約が入ってしまいます。

そこで便利なのが、あらかじめExcel形式に対応するアプリケーションを開発する方法です。つまり、開発側でExcel形式への対応を行うことで、クライアント側、つまり企業の経理・管理といったPCスキルが高くないユーザのレベルに合わせて、柔軟なシステムが実現できるのです。

一方で、ゼロからExcel形式対応のアプリケーションを開発するには工数がかかり、ときに大幅にコストオーバーになる可能性があります。そこで、状況に応じて商用ツールを利用することで、高い費用対効果のもと、柔軟な社内システム開発および運用が行えます。この点については、開発するアプリケーションの規模と利用用途、その後の運用までを見ていく必要がありますが、すべてをスクラッチで作る以外に、あらかじめ提供されているソフトウェアをコストバランスを含めて活用することが、成功する業務アプリケーション開発のカギとなるでしょう。

図2 Excel対応アプリケーション開発のイメージ
図1 Excel対応アプリケーション開発のイメージ

次回は

本連載では、社内業務でExcelを利用するケースにおいて、開発視点での業務改善を実現するための方法や実際の開発フローについて紹介します。さらに商用ツールを選択する基準を紹介しながら、より効果的かつ費用対効果の高い開発のノウハウやヒントをお届けします。お楽しみに。

ExcelCreator 2007

ExcelCreator 2007とは?

ExcelCreator 2007は、アドバンスソフトウェアが開発・販売するExcelファイル高速生成ツールです。Visual Studioに対応しており、サーバ上にExcelがインストールされていない環境でも、Excelファイルを生成できるのが特徴です。

シンプルなコーディング

一番の特徴は、シンプルなコーディングでExcelファイルが生成できる点です。具体的には、以下の3段階の手順のみでExcelを生成できます。

  1. Excelファイルの新規オープン
  2. セルへ値の挿入
  3. Excelファイルのクローズ

実際には次のようなコードとなります。

XlsxCreator1.CreateBook("C:\sample.xlsx",3,xlVersion.ver2007)
XlsxCreator1.Cell("A1").Value="サンプル企業"
XlsxCreator1.CloseBook(True)

この結果、sample.xlsxというExcel2007に対応したExcelファイルが生成されます。

xlsxに対応

Excel 2007から採用されている「xlsx形式」のファイルに対応しています。これにより、xlsx形式が持っている豊富な表現をそのまま利用できます。

PDF出力、ストリーム出力に対応

さらに、Excelファイル以外にPDF形式への出力が可能な他、ExcelCreator 6.0 fo .NETでは、サーバサイドからのストリーム出力にも対応しています。

カスタマイズ性の優れたExcel生成ツール

以上のように、ExcelCreator 2007は、カスタマイズ性の優れたExcel生成ツールです。独自業務アプリ開発などをする際に、効率的な開発を実現できます。

製品名:ExcelCreator 2007
問い合わせ:アドバンスソフトウェア株式会社
URL:http://www.adv.co.jp/
メール:info@adv.co.jp

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