ケータイFlashゲーム制作レクチャー

第6回 Adobe取材レポ!!

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[プログラマーズコラム]その2 WebとFlashそしてActionScriptの成長

そもそも,多くのプログラマには,Flashというツールは自分たちに縁遠いデザイナーズツールであるという認識がある。実際,Flashには,その登場以来多くのデザイナーに支持を受け,普及・発展して来た歴史がある。その事実を持ってすれば,Flashがデザイナーズツールであることは疑りようはないと思う。

そしてまた一方で,Flashの歴史はWeb発展の歴史とも無縁ではない。奇しくも,Flash 1.0がMacromedia社から発売された1996年という年は,Microsoft社が「InternetExplorer」を発表した年でもある。

1993年,⁠Mosaic」の登場によってブラウザ上での画像表示が可能となったWebは,翌年には商用ブラウザである「NetscapeNavigator」が公開されるなど,急激にその需要を増やしていった。しかし,低速モデムの多かった当時,画像データの送受信はかなりの時間を要し,画像を多く利用したページ=重たいページである事は否めなかった。NetscapeNavigatorが,いち早くFlashの前身であるドローツール「SmartSketch」に対応するプラグインの開発に取り組んだのも少しでも速い画像表示を目指しての事だ。ある程度のサイズ以上であれば,ペイント系ツールで作られたラスタデータよりもドロー系ツールで作られたベクタデータの方が軽いのは明らかであり,また,ドローデータはその性質上拡大縮小されてもクオリティーを維持できる。Flashは,その誕生以前からWebのためのデザインツールとして位置付けられていたのである。

SmartSketch パッケージ表裏

SmartSketch パッケージ表 SmartSketch パッケージ裏

そして,Webの進化はさらに進み,Webの普及とともに高速モデムが登場し,画像の多いページでも比較的ストレスなく表示できるようになると,ユーザーはWebに動きを求めるようになった。ここでFlashは,アニメツールとしてその真価を発揮する。多彩で複雑なアニメーション表現が可能なFlashは多くのデザイナー支持を集めたのだ。

このように,Webの進化とともに発展してきたFlashにインタラクティブな機能の実現が求められるようになったのは,ある意味自明の話しであり,Flashは,バージョンを重ねる度にWebアプリケーション開発ツールとしての性質を帯びていった。その中核を担うのが,Flashに実装されているActionScriptというマクロ言語だ。

ActionScriptは,当初こそアニメーションの再生制御程度の簡単なものだったが,次第に機能強化がなされ,⁠Flash MX2004」においては,ECMA-262仕様に準拠した本格的オブジェクト指向言語としての成長を遂げた。ECMA-262仕様とは,javaScriptから派生した言語仕様であり,その気になれば,クラスを定義してデータをカプセル化する事も,そのクラスを継承して再利用する事も,メゾッドをオーバーライトする事だって出来てしまう。

しかし,これはもはやデザイナーの手に余る言語仕様である事は否めない。実際,現在のFlashはWebアプリケーションの開発プラットフォームとして,デザイナーズツールに留まらない機能を秘めている。同様にActionScriptもまた,Flashという単一のツールに収まらないプラットフォームとしての広がりを見せているのだ。

さて,この話は,また回を改めてすることにしよう。

ピピ! ボブです!次回からは,ボクがナビゲートするよ!思考派,ロジック派向けに,カードゲーム制作レクチャーをしていきます!プログラマー必見!!

著者プロフィール

西村直樹(にしむらなおき)

クリエイティブスタジオ Studio無限界 代表。アニメーターを経て,ゲームクリエイターとなる。ゲーム制作では,企画シナリオ,ディレクション,絵関連など幅広くこなし,ゲームクリエイターとして現在で19年となる。また,ゲームスクール,アミューズメントメディア総合学院にて,創立年から企画系講師を行い,クリエイター育成にも携わっている。現在は,マネジメントを行いつつ,コンシューマゲーム,ケータイコンテンツ,書籍執筆,その他様々なプロジェクトを進めている。

Studio無限界
URLhttp://www.mugenkai.com/


藤田和久(ふじたかずひさ)

プログラマ/テクニカルスーパーバイザー。メインフレームと呼ばれる大型コンピュータのシステム開発から,WebサイトのCGI,そしてケータイFlashに至るまで様々な環境のプログラミングに携わる。現在はStudio無限界の活動の傍ら,都内複数の専門学校において講師として,ゲーム制作,Webサイト制作,システムエンジニアリングなどの授業を担当。 また,Studio無限界とは別にFMS(個人)として,システムエンジニアリングの分野でも 活動している。

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