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ついにベールを脱いだJavaFX

第11回 通信と非同期処理

本連載では,これまでJavaFXのユーザインターフェースに関する部分に関して解説を行ってきました。ここまでくれば,ほとんどのGUIを作り上げることができるはずです。

しかし,ある重要な部分が抜け落ちています。それが今回紹介する通信や非同期処理です。

RIAで特に重要となるのが,HTTPを使用した通信です。多くのアプリケーションはHTTPでサーバとやり取りを行い,情報を送受信します。また,RESTを用いたWebサービスも多く使用されています。

このような通信はローカルのアプリケーションに比べると多大な時間が必要です。そのため,何も考えずに通信を行ってしまうと,アニメーションがストップするなどGUIの応答性の低下を招いてしまいます。そこで,GUIの処理が行われるスレッドとは別のスレッドで通信を行うのが慣例となっています。

JavaFXはAWTやSwingと同じようにイベント駆動でアプリケーションが動作します。通常は,アプリケーションが動作しているスレッドは気にする必要ありませんが,イベントを処理するためのスレッドということでイベントディスパッチスレッドと呼ばれます。通信のように時間のかかる処理は,イベントディスパッチスレッドとは別のスレッドで実行させます。

たとえば,SwingではSwingのイベントディスパッチスレッドと別のスレッドで非同期に処理を行うため,SwingWorkerクラスが提供されています。同じようにJavaFXでも非同期で処理を行う仕組みが用意されています。今回はその仕組みを使って,通信を非同期に行う方法について紹介します。

なお,今回使用したサンプルのソースを含めたNetBeansのプロジェクトは,下記のリンクよりダウンロードすることができます。

HTTPを用いたドキュメントの取得

まずはじめに単純にリモートにあるドキュメントを非同期に取得してみましょう。とはいうものの,非同期であることはほとんど意識することはありません。

プロトコルにHTTPを使用した,ドキュメントの取得にはjavafx.async.RemoteTextDocumentクラスを使用します。

次に簡単なRemoteTextDocumentクラスを使ったサンプルを示します。

リスト1

var document: String;

var remoteText = RemoteTextDocument {
    // ドキュメントのURL
    url: "http://gihyo.jp/dev/serial/01/javafx"
    // HTTPのメソッド
    method: "GET"
    // 取得したドキュメント
    document: bind document with inverse

    // ドキュメントを取得した後にコールされるコールバック関数
    onDone: function(result: Boolean) {
        println("DONE");
        // onDoneがコールされた後,documentにアクセスできる
        println(document);
    }
}
 
Stage {
    title : "Dummy"
    scene: Scene {
        width: 200
        height: 200
        content: [  ]
    }
}

RemoteTextDocumentクラスのurlアトリビュートがリモートにあるドキュメントのURLを表します。ここでは,本連載のインデックスページを指定しました。

同様に,GETやPUTといったHTTPのメソッドはmethodアトリビュートで表されます。現状ではRemoteTextDocumentクラスはプロトコルはHTTPもしくはHTTPS,またメソッドはGETとPOSTに対応しています。methodアトリビュートを指定しない場合,GETが使用されます。そして,取得したドキュメントはdocumentアトリビュートに保持されます。ここでは,青字で示したようにdocument変数にバインドさせています。

RemoteTextDocumentクラスはオブジェクトを生成すると非同期にドキュメントを取得しにいきます。ドキュメントの取得は非同期に行われるため,RemoteTextDocumentクラスのオブジェクト生成は処理がブロックすることはありません。

ドキュメントの取得が完了すると,オレンジで示したonDoneアトリビュートに代入された関数がコールされます。この時点でdocumentアトリビュートに取得した結果が代入されます。

なお,RemoteTextDocumentオブジェクトの動作が非同期で行われるため,そのままではすぐに実行が終了してしまいます。そこで,ダミーのStageオブジェクトを最後に付け足しています。

では,このスクリプトを実行してみましょう。結果を図1に示しました。

図1 RemoteTextDocumentクラスサンプルの実行結果

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
<head>
<title>騾」霈会シ壹▽縺?↓繝吶?繝ォ繧定┳縺?□JavaFX?徃ihyo.jp 窶ヲ 謚?。楢ゥ戊ォ也、セ</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8" />
        <<以下,省略>>

なんと,文字化けを起こしてしまいました。これはWindows Vistaで実行したため,ドキュメントがUTF-8で記述されているにもかかわらず,デフォルトの文字セットであるShift_JISで扱ってしまうためです。現状では,RemoteTextDocumentクラスは文字セットを指定することができないので,このようになってしまいます。

そこで,もう1つ通信のために用意されているクラスを使用してみましょう。

著者プロフィール

櫻庭祐一(さくらばゆういち)

横河電機に勤務するかたわらJava in the Boxにて新しい技術を追い続けています。JavaOneは今年で11年目。名実共にJavaOneフリークと化しています。

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