プログラマに優しい現実指向JVM言語 Kotlin入門

第6回 KotlinでAndroidプログラミング

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6回にわたり続いてきた本連載も今回で最終回です。今まで解説してきた内容をふまえて,KotlinによるAndroidプログラミングを解説します。

はじめに

Kotlinは,以前紹介したようにJava仮想マシンやJavaScriptだけでなくAndroidもターゲットとしています。Kotlinのシンプルで読みやすく,安全なコードでAndroidアプリケーションを開発できるのはとても魅力的です。そして,使いたくなるようなライブラリやツール群もいくつかあります。本記事では,開発環境の構築から始めて,Kotlin用Androidプロジェクトの作成,Kotlin活用のアイデアを解説したあと,ライブラリとツールの紹介をします。なお,Android開発経験のある人を対象とした構成となっています。

開発環境構築

連載第2回で紹介した開発環境の1つに,Kotlinプラグインを導入したIntelliJ IDEAがありました。このIntelliJ IDEAをベースとして作られているAndroid StudioにKotlinプラグインをインストールします。Android Studioが未インストールの人は,まずそちらをインストールしてください(インストール方法については誌面の都合上割愛させていただきます)⁠

Android Studioを起動した状態で,メニューから[Preferences...]を選択し表示します。そして[Plugins]の項目から画面下部にある[Install JetBrains Plugin...]をクリックします。するとインストール可能なプラグイン一覧が表示されるので[Kotlin]を選択し,⁠Install plugin]ボタンをクリックします。ダウンロードとインストールが始まります。検索ボックスに「Kotlin」と入力するとプラグインが名前でフィルタリングできるので便利です。インストールが完了したらAndroid Studioを再起動してプラグインを有効にしてください。

KotlinでAndroid開発を始める

まずはPhone用のプロジェクトを新規作成します。<プロジェクトルート>/app/src/main/java/<パッケージ>/MainActivity.javaが生成されているはずです(デフォルトの設定を使用した場合)。このMainActivity.javaファイルを開きます図1)⁠

図1 自動生成されたMainActivity.java

図1 自動生成されたMainActivity.java

メニューから[Code]⁠⁠Convert Java File to Kotlin File]をクリックします。この操作によりMainActivity.javaに記述されているJavaコードが自動的にKotlinコードに変換され,ファイル名もMainActivity.ktに変わります図2)⁠

図2 JavaからKotlinに自動変換される

図2 JavaからKotlinに自動変換される

次に,メニューから[Tools]⁠⁠Kotlin]⁠⁠Configure Kotlin in Project]をクリックします。すると使用するKotlinのバージョンについて質問するダイアログが表示されるので,そのまま「OK」ボタンをクリックします図3)⁠図4のようにbuild.gradleに必要な記述が自動的に追記されます。この変更をAndroid Studioに反映するため画面上部の[Sync Now]をクリックしてください。

図3 Kotlinのバージョンを質問してくるダイアログ

図3 Kotlinのバージョンを質問してくるダイアログ

図4 build.gradleに必要な記述が自動的に追記される

図4 build.gradleに必要な記述が自動的に追記される

最後に,/app/src/main/kotlinディレクトリを作成し,MainActivity.ktファイルを/app/src/main/javaからそこへ移動して完了です。これでAndroid開発を始められます!

MainActivity.ktリスト1のように編集して,ビルド,実行してみてください。KotlinコードがAndroid上で動いていることが確認できます。

リスト1 Hello, Kotlin!

public class MainActivity : Activity() {
  override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
    super.onCreate(savedInstanceState)
    setContentView(R.layout.activity_main)

      "Kotlin".hello()
    }

    fun String.hello() {
      val msg = "Hello, $this!"
      Toast.makeText(this@MainActivity, msg, Toast.
LENGTH_SHORT).show()
  }
}

著者プロフィール

長澤太郎(ながさわたろう)

早稲田大学情報理工学科を2012年に卒業。同年入社したメーカー系SIerを経て,2013年にエムスリー株式会社へ入社。以来,世界の医療を変革するためソフトウェアエンジニアとして従事。

日本Kotlinユーザグループ代表,日本Javaユーザグループ幹事を務める。国内初となるKotlin入門書「Kotlinスタートブック」(リックテレコム)の著者。

ビールとディズニーが大好き。

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