OSSデータベース取り取り時報

第30回 オープンソースデータベース比較セミナー開催,MySQL 8.0 RC2リリース,Pgpool-II 3.7.1リリース

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OSSコンソーシアム データベース部会では,2018年1月26日にPostgreSQLとMySQLのレプリケーションアーキテクチャをテーマとした「第2回 オープンソースデータベース比較セミナー」を開催しました。MySQLは次期メジャーバージョンのリリース候補版第2弾となるMySQL 8.0.4 RC2がリリースされました。PostgreSQLのアップデートはありませんでしたが,1月9日にPgpool-II 3.7.1がリリースされました。

[MySQL]2018年1月の主な出来事

2018年1月には,MySQLサーバー 8.0.4,5.7.21,5.6.39,5.5.59およびMySQL Cluster 7.5.9,7.4.18,7.3.20,7.2.32の各マイナーバージョンがリリースされました。商用版のMySQL サーバー 5.7.21および5.6.39,またそれぞれを利用しているMySQL Clusterの各バージョンでは同梱されるOpenSSLライブラリがそれぞれマイナーバージョンアップされていますので,ご利用中のお客様はバージョンアップをご検討ください。

.Net向けのドライバMySQL Connector/Net 6.10.6,6.9.11ならびに商用版MySQL Cluster運用管理ツールのMySQL Cluster Manager 1.4.5の各マイナーバージョンがリリースされました。

MySQL 8.0から標準で利用可能となるNoSQL APIであるX Dev APIをサポートし,高可用性構成のInnoDB Clusterの運用管理に役立つコマンド群をあわせて用意しているMySQLの新しいクライアントプログラムMySQL Shell 8.0.4 RCがリリースされました。Labs版で公開していたタブ補完機能の追加や,CRUD関数の拡張が行われています。

MySQL 8.0.4 RC2の主な新機能と変更点

1月24日にリリースされたMySQL 8.0.4 RC2では数多くの機能追加とバグ修正が行われています。このバージョンでの重要な点は,SSLライブラリがこれまでコミュニティ版バイナリで利用していたyaSSLからOpenSSLに変更されたことが挙げられます。多くのMySQL利用者からOpenSSLを利用したいという要望があり,また多くの政府機関などで検証が行われている点も考慮されました。ちなみにyaSSLとOpenSSLの比較はリファレンスマニュアルにも記載されています。

またMySQL 8.0.4からはSSLライブラリを従来のスタティックリンクからダイナミックリンクに変更しました。これによりOpenSSLの脆弱性に対応してライブラリを更新する際にMySQLそのものバージョンアップは基本的に不要となります。またOpenSSL API互換のライブラリに差し替えることも可能です。これらの点についてはMySQLコミュニティマネージャーのLeFredがMySQLサーバー開発チームのブログでも解説しています。

ユーザー認証に用いられるプラグインがSHA-256ベースのcaching_sha2_passwordがデフォルトとなりました。caching_sha2_passwordでは,クライアントからの接続時にTLS/SSLか,暗号化されていない通信の場合にはRSA鍵認証方式を利用する必要があります。

正規表現関連の関数のライブラリがHenry Spencerの正規表現ライブラリからICU(International Components for Unicode)の正規表現に準拠した関数に変更されています。このほかLabsでリリースされていたJSON_TABLE()関数もMySQL 8.0.4に含まれています。

MySQL 8.0コミュニティ版のライセンス

OpenSSLのライセンスとMySQLのコミュニティ版がこれまで採用してきているGNU General Public License version 2とは非互換とされています。そのため,MySQL 8.0.4 RC2ではOpenSSLに関しての例外規定をライセンスに追加しています。

これまでのMySQLのクライアントライブラリは,FOSS License Exceptionという他のオープンソースライセンスを利用したアプリケーションに組み込んで利用するための例外規定がGPL v2に追加されたライセンスとなっていました。MySQL 8.0.4ではConnector/Cの名称がついているC APIクライアントライブラリ(libmysqlclient)が同梱されています。このConnector/CはMySQL独自のFOSS License Exceptionから,オラクルのUniversal FOSS Exception Version 1.0に変更されています。FOSS License Exceptionでは例外対象となるオープンソースライセンスが列挙されていましたが,Universal FOSS Exception, Version 1.0ではOSI(Open Source Initiative)が承認したライセンスまたはFSF(Free Software Foundation)がfreeと分類したライセンスを対象とするとしています。

[PostgreSQL]2018年01月の主な出来事

Pgpool-IIは2018年1月9日にアップデートが実施され,バージョンはそれぞれ3.7.1,3.6.8,3.5.12,3.4.15,3.3.19となりました。今回のアップデートでは,これまでに累積されたバグの修正が行われています。

PostgreSQLの未来を知ることができるTodoページ

PostgreSQL 11の機能に関する公式発表はまだありませんが,PostgreSQL 11に限らず,今後のPostgreSQLのために実装待ちとなっている機能が以下の場所に公開されているので,こちらを見ることで今後のPostreSQLの変化をいち早く知ることができます。

また「Features We Do Not Want」というセクションはメーリングリストなどで議論はされているが,価値観に反するなどの理由からコミュニティの関心が低いものを並べています。ここに挙がっている機能が実装される可能性は低いと考えてよいでしょう。たとえば,Oracleなどのデータベースが実装しているヒント句について,PostgreSQLには必要ないと考えられており,実装の予定が無いことが確認できます。

「第2回 オープンソースデータベース比較セミナー」開催報告

1月26日にOSSコンソーシアム データベース部会主催のイベント第2回 オープンソースデータベース比較セミナーが開催されました。2017年5月26日に開催された第1回はMySQLとPostgreSQLの全体的な比較やNoSQLのRedisなど機能解説が行われました。

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第2回はMySQLとPostgreSQLのレプリケーション機能に注目して,PostgreSQLのレプリケーションや分散トランザクション機能の開発を通じてコミュニティに貢献されているNTT OSSセンタ 澤田雅彦様と,MySQLコミュニティにて積極的に情報発信をされているOracle ACE(MySQL)のGMOメディア yoku0825様のお二人に,それぞれの製品のレプリケーションアーキテクチャや実運用上のポイントを解説していただきました。講演に加えて,参加された皆様からの質問にお二人にお答えいただく時間には,レプリケーション構成で高可用性を担保する際に考慮すべきフェールオーバーの時間やアクセス経路管理に関する質問や,他にも多段構成など幅広い内容について活発に議論が行われていました。

本セミナーの講演資料はslideshareに公開されております。イベントページとOSSコンソーシアムデーベース部会のページからリンクしているので,興味のある方はご覧ください。

2018年2月開催予定のセミナーやイベント,ユーザ会の活動

MySQL InnoDB Cluster入門

日程2018年3月5日(月)13:30~16:30
場所日本オラクル株式会社 本社
東京都港区北青山2-5-8
内容MySQLの標準の高可用性構成として登場したMySQL InnoDB Clusterについて,アーキテクチャや利用方法をご紹介いたします。
主催日本オラクル MySQL GBU

初心者向け!MySQL 5.7入門セミナーシリーズ[チューニング編 in 名古屋]

日程2018年2月7日(水)13:30~16:30
場所日本オラクル株式会社 東海支社
愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパークビジネスセンタービル 10F
内容2015年夏から開催し毎回大好評をいただいているMySQL入門セミナーシリーズがMySQL 5.7に対応。今回は名古屋にてチューニング編を開催。
主催日本オラクル MySQL GBU

初心者向け!MySQL 5.7入門セミナーシリーズ[チューニング編 in 大阪]

日程2018年2月21日(金)13:30~16:30
場所日本オラクル株式会社 関西支社
大阪市北区堂島2-4-27 新藤田ビル 9F
内容2015年夏から開催し毎回大好評をいただいているMySQL入門セミナーシリーズがMySQL 5.7に対応。今回は大阪にてチューニング編を開催。
主催日本オラクル MySQL GBU

オープンソースカンファレンス2018 Tokyo/Spring

日程2018年2月23日(金)10:00~18:00
2018年2月24日(土)10:00~18:00
場所明星大学
内容オープンソースのコミュニティや協賛企業,後援団体によるオープンソース関連のセミナーや展示などをお楽しみいただけます。OSSコンソーシアムDB部会によるデータベースの基礎に関する講演,JPUGによるPostgreSQLに関する講演とブース展示が予定されています。
主催オープンソースカンファレンス実行委員会
企画運営株式会社びぎねっと

【福岡開催】MySQL Trend Seminar 2018

日程 2018年2月20日(火)19:00~21:30 ⁠18:30開場)
場所 さくらインターネット株式会社 福岡オフィス セミナールーム
福岡市中央区赤坂1-12-15 読売福岡ビル 7F
内容 対象
  • MySQLの最新動向,高可用性など最新トレンドご興味をお持ちの方
  • MySQLの導入を検討されている企業のご担当者様
  • MySQLやOracle Cloudにご興味をお持ちの方
プログラム内容
セッション1:ついにリリース候補版! MySQL 8.0の新機能 ~MySQL 8.0の新機能,Oracle MySQL Cloud Serviceのご紹介~
セッション2:新しいHAのカタチ「MySQL InnoDB Cluster」のご紹介
セッション3:MySQLからアプリケーション基盤まで,最適なクラウドへの移行 ~オンプレミスからクラウドへ,Oracle Cloudを選択する理由~
主催 株式会社スマートスタイル
協賛 日本オラクル株式会社/株式会社パソナテック

【大阪開催】MySQL Trend Seminar 2018

日程 2018年2月21日(水)19:00~21:30 ⁠18:30開場)
場所 大阪パソナグループビル
大阪市中央区淡路町4-2-15 パソナグループビル
内容 対象
  • MySQLの最新動向,高可用性など最新トレンドご興味をお持ちの方
  • MySQLの導入を検討されている企業のご担当者様
  • MySQLやOracle Cloudにご興味をお持ちの方
プログラム内容
セッション1:ついにリリース候補版! MySQL 8.0の新機能 ~MySQL 8.0の新機能,Oracle MySQL Cloud Serviceのご紹介~
セッション2:新しいHAのカタチ「MySQL InnoDB Cluster」のご紹介
セッション3:MySQLからアプリケーション基盤まで,最適なクラウドへの移行 ~オンプレミスからクラウドへ,Oracle Cloudを選択する理由~
主催 株式会社スマートスタイル
協賛 日本オラクル株式会社/株式会社パソナテック

【東京開催】MySQL Trend Seminar 2018

日程 2018年2月27日(火)19:00~21:30 ⁠18:30開場)
場所 株式会社スマートスタイル 本社 新宿アイランドタワー22階 マルチファンクションルーム
東京都新宿区西新宿6-5-1
内容 対象
  • MySQLの最新動向,高可用性など最新トレンドご興味をお持ちの方
  • MySQLの導入を検討されている企業のご担当者様
  • MySQLやOracle Cloudにご興味をお持ちの方
プログラム内容
セッション1:ついにリリース候補版! MySQL 8.0の新機能 ~MySQL 8.0の新機能,Oracle MySQL Cloud Serviceのご紹介~
セッション2:新しいHAのカタチ「MySQL InnoDB Cluster」のご紹介
セッション3:MySQLからアプリケーション基盤まで,最適なクラウドへの移行 ~オンプレミスからクラウドへ,Oracle Cloudを選択する理由~
主催 株式会社スマートスタイル
協賛 日本オラクル株式会社/株式会社パソナテック

MySQLバージョンアップの基礎知識 in 名古屋

日程 2018年2月28日(水)13:30~16:30
場所 日本オラクル株式会社 東海支社 愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパークビジネスセンタービル 10F
内容 MySQLのサポート期間は ライフタイムサポートポリシー に従って定義されていますが,MySQL 5.6のPremier Supportは2018年2月に終了します。Extended SupportやSustaining Supportは引き続き受けられますが,この機会にバージョンアップを検討してみてはいかがでしょうか?
本セミナーでは,MySQLバージョンアップの手順,注意事項に加え,最新バージョンのMySQL 5.7,現在開発中でリリース候補版となっているMySQL 8.0の最新情報を合わせてお伝えします。
主催 日本オラクル MySQL GBU

MySQLバージョンアップの基礎知識 in 大阪

日程 2018年3月2日(金)13:30~16:30
場所 日本オラクル株式会社 関西支社 大阪市北区堂島2-4-27 新藤田ビル 9F
内容 MySQLのサポート期間は ライフタイムサポートポリシー に従って定義されていますが,MySQL 5.6のPremier Supportは2018年2月に終了します。Extended SupportやSustaining Supportは引き続き受けられますが,この機会にバージョンアップを検討してみてはいかがでしょうか?
本セミナーでは,MySQLバージョンアップの手順,注意事項に加え,最新バージョンのMySQL 5.7,現在開発中でリリース候補版となっているMySQL 8.0の最新情報を合わせてお伝えします。
主催 日本オラクル MySQL GBU

著者プロフィール

山本文彦(やまもとふみひこ)

TIS株式会社

アプリ兼インフラエンジニアとしてさまざまなECサイトの開発現場を担当後,現在はOSSサポートサービスにおいて技術コンサルティングや保守サポートに従事。PostgreSQLだけでなく,MySQL, OracleなどのRDB,Amazon DynamoDBといったNoSQLなどさまざまなDB製品の利用経験を活かして,OSS製品の普及活動に力を注いでいる。


梶山隆輔

MySQL Sales Consulting Senior Manager。

日本オラクル(株)において,MySQLのお客様環境への導入支援や製品の技術解説を担当するセールスコンサルタントチームのアジア太平洋地域リーダー。多国籍なMySQL部門にて,オーストラリア,インド,台湾などに在籍するチームメンバーを束ね,アジア太平洋地域の25以上の国や地域でのMySQL普及やビジネスの拡大をミッションとする。

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