OSSデータベース取り取り時報

第40回 「MySQL Innovation Day 2018 秋」「PostgreSQL Conference Japan 2018」開催

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この連載では,OSSコンソーシアム データベース部会のメンバーが,さまざまなオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。

2018年11月にはMySQL開発チームのリーダーが来日し「MySQL Innovation Day 2018 秋」が開催されました。PostgreSQLでは11月22日に主要なイベントのひとつである「PostgreSQL Conference Japan 2018」が開催されましたのでその様子を報告します。また,オープンソースカンファレンスから10月末のTokyo/Fallの様子と,私たちデータベース部会がセミナーをする12月の .Enterprise(東京渋谷)のお知らせがあります。

[MySQL]2018年11月の主な出来事

2018年11月のMySQLの製品リリースはありませんでした。なお全製品のマイナーバージョンアップが10月末に行われています。11月21日(水)に開催されMySQL Innovation Day 2018 秋の講演資料,ならびに講演の様子を撮影した動画は近日公開予定です。

「MySQL Innovation Day 2018 秋」開催

MySQLの開発チームを率いるTomas Ulinが来日し,MySQLの最新製品動向や製品戦略をご紹介するイベント「MySQL Innovation Day 2018 秋」が11月21日(水)に東京で開催されました。Tomasの講演では,4月のMySQL 8.0リリース以降も製品の信頼性やセキュリティ,お客様による使いやすさの向上につながる数多くの機能追加を行ってきていることを紹介していました。紹介された新機能の中には,中国のTencent Gamesからのパッチを取り込んだInstant Add Columnによる高速な列の追加や,MySQL Enterprise Editionのデータマスキング機能などが含まれています。

MySQLのクラウド戦略としては,MySQLの開発元として運営するクラウドサービスOracle MySQL Cloud Serviceの次世代版の開発が進められていることについて言及がありました。こちらはMySQL as a Service(MySQLaaS)とも呼ばれ,従来のOracle MySQL Cloud Serviceと同じく業界で唯一MySQL Enterprise Editionをベースとしたサービスであることを基本としています。MySQLaaSのOracle OpenWorld 2018での発表資料はこちらからダウンロード可能です。次世代版は高可用性,バックアップ,パッチ適用などフルマネージドなサービスに進化することが発表されていました。加えて大規模データ分析基盤のMySQL Analytics Serviceが利用できることから,オンライン処理とデータ分析処理のためにETLツールでのデータ移行する必要がない点がお客様にとって大きなメリットとなる点も強調していました。

Oracle OpenWorld 2018にてMySQL導入事例セッションに登壇されたスクウェア・エニックスの浜平さんが,実際に登壇した経験や会場の雰囲気の共有されていました。さらには他社の導入事例講演やご自身の講演後の来場者との会話から得られた今後のMySQL利用へのヒントなど,東京でのイベント参加者に大いに刺激となる内容を講演いただきました。

技術セッションとして次世代版のOracle MySQL Cloud ServiceやMySQL Analytics Serviceの解説,レプリケーション開発チームのLuis Soaresやセキュリティ担当のプロダクトマネージャーMike Frankの講演が行われ,数々のMySQLの最新技術情報が紹介されました。ライトニングトークでは日本MySQLユーザ会の坂井さんブリンガーさんが登壇され,イベントの最後はOracle ACE(MySQL)@yoku0825さんに締めていただきました。

なおイベント中盤の休憩では,MySQL 5.7までのUnicode絵文字の照合に関する課題⁠Sushi-Beer issue⁠にちなんでお寿司とビールを中心とした軽食が用意されていました。

「MySQL Innovation Day 2018 秋」の模様

「MySQL Innovation Day 2018 秋」の模様

[PostgreSQL]2018年11月の主な出来事

毎年恒例の「PostgreSQL Conference Japan」(日本PostgreSQLユーザ会主催)が11月22日に開催されましたので,今回はこの報告をします。PostgreSQLのリリース情報や新機能情報はお休みします。

「PostgreSQL Conference Japan 2018」開催

今回の「PostgreSQL Conference Japan」で目を引いたのは,スポンサーにAmazon Web Service(AWS)とMicrosoftが並んでいることでしょう。特にMicrosoftがPostgreSQL専門のイベントに協賛して,さらに基調講演にも登壇されたことには少々驚きました。⁠MicrosoftはOSSの味方だ」というメッセージの本気度を示そうとしているように感じます。単に「PostgreSQL⁠も⁠使えますよ」というだけではなく,Azure Database for PostgreSQL はPaaSとして提供されるとのことです。

過去の「PostgreSQL Conference Japan」ではPostgreSQLの内部構造や機能,チューニングといったDB管理者向けのセッションが多い印象がありましたが,今回はクラウド上でPostgreSQLを利用することを想定したセッションが多かったようです。PostgreSQLに限らないことですが,クラウドを前提とすることで,DB管理やチューニングのノウハウも変わってくるのではないでしょうか。

オープンソースカンファレンス2018 Tokyo/Fall

1ヵ月遅れになりましたが,10月27日(土)と28日(日)に,いつもの明星大学(東京・日野市)でオープンソースカンファレンス(OSC)⁠ 2018 Tokyo/Fallが開催され,OSS DB関連でもさまざまな発表がありました。

  • PostgreSQL 11 新機能解説 ⁠SRA OSS)
  • MySQL8.0の新機能 ⁠日本MySQLユーザ会)
  • MySQL InnoDB Cluster ⁠Oracle Corporation)
  • GridDB ⁠東芝デジタルソリューションズ)

もちろん,直接データベースをテーマにしたもの以外にも,

  • HAクラスタ技術
  • 運用監視のツールやノウハウ
  • サポートサービス
  • ライセンス

など関連するセミナーが多数実施されています。発表スライドの一部はOSCの公式Webサイトで公開されていますので探してみてください。

OSCはこの後,12月8日に福岡,12月14日に渋谷,1月に大阪でも開催され,同様に,各種OSS DBや,関連テーマのセミナーがあると思います。

2018年12月開催予定のセミナーやイベント,ユーザ会の活動

オープンソースカンファレンス 2018 Fukuoka

日程 2018年12月8日(土)10:00-18:00
場所 福岡ソフトリサーチパーク センタービル 2F
内容 オープンソースのコミュニティや協賛企業,後援団体によるオープンソース関連のセミナーや展示などをお楽しみいただけます。MySQLとPostgreSQLに関する講演,Oracle Corporation(MySQL Community Team)⁠日本MySQLユーザ会,日本PostgreSQLユーザ会のブース展示が予定されています。
主催 オープンソースカンファレンス実行委員会

PGConf.ASIA 2018

日程 2018年12月10日(月)~12日(水)
場所 秋葉原コンベンションホール
内容 2016年よりPostgreSQLの20周年を記念して,世界の開発者とアジア圏の技術者の交流の機会を設けようと,アジアの中でも利用が盛んな国のひとつである日本をホストとしてスタートしたアジア圏最大級のPostgreSQLイベントです。
主催 PGConf.ASIA 2018 運営委員会

オープンソースカンファレンス 2018 .Enterprise

日程 2018年12月14日(金)10:00-18:00
場所 TKP渋谷カンファレンスセンター
内容 オープンソースのコミュニティや協賛企業,後援団体によるオープンソース関連のセミナーや展示などをお楽しみいただけます。MySQLとPostgreSQLに関する講演,Oracle Corporation(MySQL Community Team)のブース展示が予定されています。OSSコンソーシアム データベース部会もセミナーを行います。ぜひお立ち寄りください。
主催 オープンソースカンファレンス実行委員会

Oracle Certified Professional MySQL 5.7 Database Administrator 試験対策ポイント解説セミナー

日程 2018年12月17日(月)
場所 日本オラクル株式会社 トレーニングキャンパス赤坂
港区元赤坂1-3-13 赤坂センタービルディング 12F
内容 2018年12月,MySQLのデータベース管理者技術を証明する「Oracle Certified Professional MySQL 5.7 Database Administrator」資格試験の日本語版がリリースされます。それを記念して,本番試験と同じような出題形式のサンプル問題を解いていただき,各問題ごとに解説を加える形式の試験対策ポイント解説セミナーを開催します。 実行計画の基本的な読み方なども解説しますので,受験を検討されている方は勿論,MySQLをご使用中の方,導入を検討されている方も,ぜひお気軽にご参加いただき,スキルアップにお役立ください。
主催 日本オラクル株式会社 オラクルユニバーシティ

著者プロフィール

梶山隆輔

MySQL Sales Consulting Senior Manager。

日本オラクル(株)において,MySQLのお客様環境への導入支援や製品の技術解説を担当するセールスコンサルタントチームのアジア太平洋地域リーダー。多国籍なMySQL部門にて,オーストラリア,インド,台湾などに在籍するチームメンバーを束ね,アジア太平洋地域の25以上の国や地域でのMySQL普及やビジネスの拡大をミッションとする。


溝口則行(みぞぐちのりゆき)

TIS株式会社

OSSコンソーシアム副会長,オープンソースビジネス推進協議会副理事長。


山本文彦(やまもとふみひこ)

TIS株式会社

アプリ兼インフラエンジニアとしてさまざまなECサイトの開発現場を担当後,現在はOSSサポートサービスにおいて技術コンサルティングや保守サポートに従事。PostgreSQLだけでなく,MySQL, OracleなどのRDB,Amazon DynamoDBといったNoSQLなどさまざまなDB製品の利用経験を活かして,OSS製品の普及活動に力を注いでいる。

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