PASONA TECHスペシャル企業レポート

第2回第3者検証サービス成長の可能性とPGからVEへのキャリアチェンジと市場価値

前回のレポートでは、⁠株)シーイーシーが提供するPROVEQの主サービスであるエンベデットシステム検証(第3者検証)サービスの概要およびそれを提供する人材施策について説明した。今回は、サービス市場の変化に伴うITエンジニアのキャリアアップ・キャリアチェンジの可能性について、同社PROVEQサービス本部事業推進部グループマネジャーの生田泰宏氏に話を聞いた。

ソフトウェアの品質向上に興味・関心があり、⁠これからのキャリア⁠を考えるエンジニアの皆様に是非読んで頂きたい。

お客様が本当に満足できる商品づくりが企業成長の鍵

昨今、コンプライアンス、J-SOXというような、企業がステークホルダーに対し企業価値を約束するような言葉がよく聞かれるようになり、新聞、ニュース等では、企業淘汰による業界再編の記事を頻繁に目にするようになってきた。結果、各企業は生き残りをかけ、それらを担保するための組織づくり(第3者の目で企業を評価する)を積極的に行っている。

製品開発に関して言えば、すでにモノづくりの分野では社内に品質保証部が置かれ、第3者の目であらゆる角度から製品を検証し、本当に市場に出すことが可能か、ユーザに受け入れられるかの最終判断を行っている。つまり、各企業が、会社視点のマスターベーションでないユーザ視点でのモノづくりが、企業が成長し生き残っていくために必至であることを理解し始めているということである。

「第3者検証サービス」という言葉が一般的に使われるようになったのは最近であるが、ここ数年、本当に第3者の目で製品の検証フェーズの役割を担う会社が増加している。そして、検証するサービス範囲も今までの組み込みシステムから、ビジネス系システムに広がりつつある。今後、第3者検証サービスの規模は、ビジネス系システムを含めた場合、数十倍、数百倍に膨らむのではないかと推測されている。

成長が見込まれる品質向上分野でのキャリア創造

ビジネスの急激な拡大が予想されるビジネス系システムに対する検証サービス。そのサービスは、従来の高品質な検証技術に加え、第3者の視点で検証するための業務知識(ユーザの業務内容を十分理解)を持ち、検証プロセスをデザインしなければならない。そのため、金融、製造、流通等さまざまな業務フィールドの理解・知識が不可欠であり、さらにシステム開発全般を理解なくてはならない。

このような新しい分野に先陣をきって挑戦し続けるPROVEQでは、現在、検証を実際に担当している人材、システム開発現場で開発に携わっている人材等を広く求めている。

「前職の人材サービス業では、ITエンジニア全ての地位、就業条件向上を目指す仕事をしていました。しかし、今は違い、必要不可欠なキャリアを創造してこそ地位が向上し、就業条件がアップすると考えています。将来、日本ではソフトウェア開発で必要な人材を国内で補える割合は、60%に満たないと言われています。きっとソフトウェア開発工程でも実装部分(日本人でなければならない部分以外)は、二桁の掛け算ができたり人件費の安いアジア諸国にオフショアされるでしょう。我々が国内で市場価値の高い人材になるには、開発の工程でユーザと直接接する部分の業務に携わるべきではないでしょうか。それが、入口であるコンサルフェーズ(要件定義)であり、出口である検査(デバック)でない第3者検証業務であると思います。」PROVEQサービス本部事業推進部マネジャーの生田は説明する。

図1
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現在、ITエンジニアとして活躍中の皆さんが、今の段階でPROVEQに関わり、今までの経験にプラスして、⁠第3者検証サービス」という新たな技術を身につけることができれば、きっと将来、必要不可欠な希少な人材になることは間違いない。

「現在、ソフトウェア開発に従事されている皆さんなら、現在の開発プロセスに問題があることは理解されていることでしょう。あなたが今まで身につけてきたスキルやキャリアを活かすことができ、新たなキャリアを創造できる仕事です。ぜひ、⁠ソフトウェア品質のプロ』としての第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか」

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