テストエンジニアの視点で読み解く「発注者ビューガイドライン」

第2回 テストエンジニアが知っておくべき《画面編》のポイント

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画面レイアウト

システムの反応を押さえよう

FD3002

操作手順に加えて,操作に対応するシステムのリアクションを記述する。
これにより,発注者とシステムの境界が明確になり,発注者が使う場面を想定して,操作手順をより詳細まで確認しやすくなる。

FD3004

画面レイアウトに,構成要素の配置やボタン押下時の簡単な動作だけを記述している。このことにより,本来画面レイアウトで明らかにすべき仕様が確認できず,不完全な仕様となるリスクがある。。
⁠ガイドライン第1部-67,第1部-70より引用)

図4 画面例(ガイドライン第1部-67より)

図4 画面例(ガイドライン第1部-67より)

図5 操作手順例(ガイドライン第1部-67より)

図5 操作手順例(ガイドライン第1部-67より)

画面レイアウトに操作手順が書かれているかどうかは,プロジェクトによって異なると思います。どんなドキュメントでも構いませんので,操作手順が書かれているドキュメントに関してのコツだと思ってください。

画面レイアウトの操作手順に「操作の手順」しか書かれていない場合,書かれていないからと言ってそのままテストケースに書いてはいけません。期待結果を「正しく表示されていること」としてごまかしてはいけません。

どのような振る舞いをするのかを関係者全員が共有していれば,このような期待結果でも構いません。しかし,開発チームとテストチームで分かれていたら,共有していることは少ないでしょう。

システムの反応が書かれているかどうか画面レイアウトをチェックし,書かれていないのであれば,操作後にシステムがどのように振る舞うのかを調べてから,テストケースの設計に移ります。

共通ルール

画面遷移やエラー表示などの共通ルールを知ろう

FD4002

画面レイアウト共通ルールに「画面遷移パターンの定義」「エラー表示方法」を記載することによって,画面ごとの工程成果物での記述を省け,確認ポイントが絞られる。
⁠ガイドライン第1部-107より引用)

図6 エラー表示パターンの例(ガイドライン第1部-108より)

図6 エラー表示パターンの例(ガイドライン第1部-108より)

画面遷移パターンやエラー表示パターンを,共通ルールとして別ドキュメントにするプロジェクトは数多くあります。しかし,そのドキュメントを使用してプログラムを書かない人が,少なからずいます。画面単位ごとに開発者が割り当てられている場合,「共通」であるがゆえに読まずにプログラムを書くということが起こり得るのです。

この状況と同じことがテストエンジニアにも言えます。テストの割り当てを画面単位に行うと,画面名が書かれたドキュメントだけを読んでテストケースを書くという状況があり得るのです。

ですから,テストケースを書き始める前に,テストケースの基になるドキュメントを確認します。そして,共通ルールどおりに振る舞うかどうかをテストで検証するのです。

入出力項目

入出力チェックのパターンを知ろう

FD5001

入力制約や出力仕様がパターン化されて記述されていると,余計な説明が不要となる。
さらに仕様のばらつきを抑えることができる。
⁠ガイドライン第1部-143より引用)⁠

図7 入力項目標準チェックパターンの例(ガイドライン第1部-152,152より)

図7 入力項目標準チェックパターンの例(ガイドライン第1部-152,152より)

図7 入力項目標準チェックパターンの例(ガイドライン第1部-152,152より)

このコツは,コツ自体の記述よりもコラム5として書かれた記述(第1部-150~164)を読んでください(他のコツが読みにくくても,ここだけは我慢して読むこと)⁠

さて,入力チェックに関しても,画面単位に決めるというよりも共通的なルールに従って決めることが多くあります。そのため,テストケースを書く前に,標準チェックがあるかどうかを探してください。それをやらずに画面単位でテストケースを書かないこと。

そして,

複数画面に共通する標準チェックと,特定画面に固有のその他のチェックの2系統
⁠第1部-151より引用)

がわかるように画面の仕様を分析します。ここまで分析できれば,テストケースを書くのはかなり楽になります。ぜひともやってみてください。


まだまだ画面のガイドラインについて語りたいところですが,スペースが尽きてしまったようです。後はご自身でガイドラインを読んでみてください。

とくに,今回取り上げることができなかったアクション明細は,テストと非常に相性が良いところなので,必ず読んでください。

次回は,システム振る舞い編とデータモデル編の解説を行います。

参考文献:発注者ビューガイドライン(画面編) ver.1.0

著者プロフィール

鈴木三紀夫(すずき みきお)

1992年,(株)東洋情報システム(現TIS(株))に入社。複数のエンタープライズ系システムの開発に携わり,現在は社内のソフトウェアテストに関するコンサルタントとして活動中。ASTER理事,JaSST実行委員,JSTQB技術委員,SQiPステアリング委員 他。

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