リクルートライフスタイルの技術力を追え!

第3回 [モバイル編]スマートデバイス時代をリードする2人のエンジニア

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守りと攻めの両面でアプリケーション開発を支える基盤チーム

――スマートデバイスの技術は変化し続けていますが,それにはどのように対応されていますか。

小川氏:たとえばiOS向けアプリケーションの開発で言えば,現場ではすでに,今から作るものに関してはSwiftにする方向で動き出しています。もうSwiftだよねっていう。ただ根拠はあって,まず一番に見るのは品質です。従来のObjective-Cよりもメンテナンスしやすく,言語としても洗練されています。そういった品質に加え,今後発展するのはSwiftで,Objective-Cは現状維持になりますよね。それを考えたとき,新しいほうに投資するのは適切な判断だと思っています。

豊島氏:Swiftについては,リクルートライフスタイルで求められるこういう機能を実装できるのかなど,時間をかけて計画的に試験し,その結果を受けてこれで大丈夫だろうとジャッジしました。検証はさまざまな側面から行っていますが,たとえば自社で独自に開発しているライブラリが問題なく使えるか,あるいは初めてSwiftを書く人がいたとき,どの程度大変なのか,工数はどれくらい変わるのかなども見ています。

小川氏:基盤の開発チームというと一般的には守りのイメージだと思いますが,豊島がまとめている基盤チームは新技術を積極的に採り入れたり,あるいは社内に広めるための活動をしたりなど,攻めるところは積極的に攻めつつ,一方で守りも固めています。

豊島氏:それで言えば,最近の取り組みとして「守りのCI,攻めのUI」があります。まず守りの部分では,CIContinuous Integration:継続的インテグレーション)ツールの強化を進めています。アプリケーションのソースをプッシュすると,それを解析し,品質レポートを出力しつつアプリケーション配信サービスにアップロードするところまでを自動化しています。ツールとしてはJenkinsを中心に,ソースコード解析をSonar,テスターなどへのアプリケーションの配布にDeployGateを使っています。

これらを導入する前は開発チームの中にビルド職人みたいな人がいて,その人でないとビルドできないとか,Google Playにアップロードするのはこの人,といった感じだったんですが,そうした人たちがやっていることを紐解いて自動化しました。開発者が何か意識する必要はなく,最小のコストで一連の開発フローが自動的に流れるような作りになっています。また,最近はCIをカスタマイズしたいという要望も生まれていて,すでにCircleCIやTravis CIのように,YAMLで設定をカスタマイズできるしくみを導入しています。

――もう1つの攻めのUIとは,どういった取り組みなのでしょうか。

豊島氏:アプリケーションを開発していると,工数や締め切りの関係上,どうしてもアニメーションの細部まで気を配ることができないケースって多いと思うんです。そこに対して,僕らで最先端の思い切りこだわったユーザインタフェースを作ってみようよという話でプロジェクトが始まりました。

現状で考えている目標は,100個ほどのUIパーツを作り,そのうち10%くらいが実際に世の中に出しているアプリケーションに使われることです。完成度の高いUIパーツができたら,オープンソースでの公開なども視野に入れています。また,これをきっかけにして,企画側と開発側でのユーザインタフェースについての会話が活発になることも期待しています。ユーザインタフェースに違和感があっても,具体的にどうしたいのか,企画側から伝えるのは意外と難しいんですよね。そのとき,⁠この50番のUIパーツみたいな感じで」というように,会話を成立させるためのツールとして使われればうれしいですね写真3)⁠

写真3 基盤開発チームの打ち合わせ風景

写真3 基盤開発チームの打ち合わせ風景

打ち合わせで出てくる提案には,新技術の調査や開発環境の改善に向けた意欲的な取り組み,そしてUIパーツの開発など,⁠攻め⁠の施策も数多い

求められているのは自分の範囲を決めないエンジニア

――腕時計型や眼鏡型など,ウェアラブルデバイスも盛り上がっていますが,それらについてはどのように見ていますか。

豊島氏:リクルートライフスタイルとしては,来店するだけでリクルートポイントが貯まる「ショプリエ」写真4というサービスでApple Watch向けのアプリも提供していますが,実際にスマートウォッチでどんなユーザ体験ができるのかは模索中です。個人的には,スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスだけでなく,リモートで鍵を閉めたり照明をつけたりできるスマートホームも視野に入ってきているので,それを店舗運営に活かせないかということも考えています。

写真4 ショプリエ

写真4 ショプリエ

タイムラインでセール情報や新着情報をチェックできることに加え,店舗に入ってチェックインすれば,何も買わなくても商品券やプレゼントと交換可能なポイントがもらえるファッションアプリ。Apple Watch向けアプリでは,近隣のクーポン対象店舗やポイントがもらえる店舗を最大5件表示する

小川氏:たぶんウェアラブルデバイスは,すべてのものがインターネットにつながるIoT時代までのつなぎだと思っています。もちろんキャッチアップする必要はありますが,次は間違いなくIoTが来ると思っているので,そこに向けて何をすべきかを考えることのほうが多いですね。

――最後に,リクルートライフスタイルで求められているエンジニア像を教えてください。

小川氏:範囲を決めない人でしょうか。エンジニアだけどマーケティングの知識も持つ多能工のような形もありますし,インフラからフロントエンドまで対応できるフルスタックエンジニアのような働き方もあります。働く中でどんどん進化していって,⁠自分はこれをやる人なので」などと範囲を自分で決めつけずにやれる人にとっては,リクルートライフスタイルは働きやすい職場だと思います。

豊島氏:自分で学習し続ける人ですね。エンジニアとして興味がある方向にどんどん伸びていく人。それとエンジニア以外の人たちともフラットに会話ができる人。自分は技術屋だからなどと変な線引きをせず,ほかの職種の人たちともしっかり会話ができるとよいですよね。

――本日はありがとうございました。

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