テスト技術者の転職
第3回 [ジャンプ]転職行動編
はじめに
第2回では「[ステップ]転職準備編」と題して,テスト技術者として転職する上でそもそもテスト技術者としての転職機会があるのかどうかといったことや,どのようにして転職先を探せば良いのかについて解説しました。
今回は,「[ジャンプ]転職行動編」として,転職先を絞り応募から面接へと行動を進めるときに,どうすれば有利に事を運べるかお話しします。
求人内容を見極めよう
転職サイトで求人情報を検索したり,エージェントなどを使って応募したい企業がいくつか見つかったとしましょう。その段階で必要なことは,自分自身のスキルとマッチしているかどうかの見極めです。現状のスキルよりも低いポジションへ転職しようという方はあまりいないでしょうから,ほとんどの方は現状のスキルか,それよりも1段上のポジションを目指すことでしょう。
本記事でも,この点を意識してお話しを進めていければと思います。
では,実際にテスト技術者の職を探した場合,ITSSやETSSでのスキルの段階であるエントリ,ミドル,ハイ(前回記事を参照してください)ごとに,どのような職が実際にあるかを見てみましょう。
- ※
- 以下の募集文面は幾つかの転職サイトの検索結果を参考に,筆者が記したものです。
「エントリ以下」の求人
まずテスト「技術者」以前,つまりエントリに達しないスキルレベルの求人だと,以下のような募集文面になります。
エントリ以前
- 【募集職種】:
- ソフトウェアテスト担当者
- 【職務内容】:
大手メーカやメーカ関連企業での最先端の場所で,今注目を集めるデジタル関連製品のソフトウェアテスト業務です。
具体的には,あらかじめ用意されたテスト項目に基づいて,担当する製品の実機を使ったテストを実施していただきます。
- 【求められる経験・スキル】:
ソフトウェア開発やテストの経験をお持ちの方は優遇します。ただし経験が無くとも,弊社独自のトレーニングプログラミングと先輩の丁寧な指導により,即現場でご活躍いただける体制を整えていますので安心してください。やる気と情熱がある方の応募をお待ちしています。
見ておわかりのように,特にスキルは問われておらず,実際は「オペレータ」的な作業となります。エントリ以前ですから,本記事ではこのスキルレベルについてこれ以上言及しません。
エントリレベルの求人
次にエントリレベルを見てましょう。
ここからが,「技術者」としてのスキルレベルとなり,実際に開発経験が2~3年以上ある方が候補となります。
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- 開発経験が1年程度だと,第2新卒として扱われることがほとんどでしょう。
エントリレベルでは,テストの経験そのものよりは,ソフトウェア開発者としてのベーススキル,つまり技術者としての素養や,テストに向いているかどうかといった,テスト技術者としての素質の有無が問われます。ですからエントリレベルでは,多少スキルが未熟だったとしても(ただし全然ないというのは問題外ですが)「やる気」が旺盛なら,ポテンシャルで採用されることは十分ありえます。
ちなみに,筆者が考えているテスト技術者の素質は以下の4つです。
- 体力に自信があること
- 忍耐強いこと
- 素直だが,ひねくれてもいること
- 好奇心旺盛なこと
- ※
- 詳しくは『ソフトウェア・テストPRESS』での記事や拙著『ステップアップのためのソフトウエアテスト実践ガイド』をお読みください。
エントリ
- 【募集職種】:
- ソフトウェアテスト技術者
- 【職務内容】:
- テスト計画書に基づき,担当するテストアイテムに対するテスト設計仕様の設計からテスト実装,実施,評価といった一連のテストプロセスを実施していただきます。
- 【求められる経験・スキル】:
- ソフトウェアの開発経験または第三者検証の経験
- テスト設計スキル(テスト手法や,各種テスト技法の知識と経験)
- テストプロセスやテストのマネジメント技術
- テスト自動化ツールやテスト管理ツールの利用経験
- JSTQB認定テスト技術者資格があれば尚良い
応募する前に確認しておきたいことは,どのテストレベルを担当する技術が求められているのか? ということです。
たとえば,コンポーネントテストや統合テストのように,実装をしっかり理解しなくてはならないホワイトボックスの割合が多いテストを行うのであれば,その企業の開発現場で用いられているプログラミング言語や開発環境,テストツールの知識や経験が求められるでしょう。
システムテストが主である場合は,テスト対象の製品やサービスに対する基礎知識やブラックボックステストでのテスト設計のスキル,テスト自動化ツールの利用経験などが問われることでしょう。
ですから,上記のようなことを意識して,職務経歴をまとめなくてはなりません。また,履歴書の応募の動機欄や特記欄を使って,テスト技術者に就くやる気をアピールすることも大切です。


