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2013年10月第1週 Androidにも64ビット化の波が到来するのか?

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64ビットの口火を切ったのはiOSでした

スマホで,64ビットCPUを搭載していると言えば,iPhone 5sです。

Appleの発表会では,64ビットCPUを搭載したことによる未来が語ることはなく,さらりと触れるだけに留まりましたが,デスクトップOSに続いて,モバイルOSも64ビットへの移行がはじまりました。

振り返ってみると,デスクトップでは,Microsoftが2005年に「Windows XP Professional x64 Edition」を,2007年にAppleがMac OS Xも10.5をリリースしたことで,64ビットへの移行が始まりました。ここから6年後の2013年にiOSが口火を切る形で,モバイルOSの64ビットへの移行がはじまりました。

Androidの64ビット移行は?

Androidの64ビットへの移行はどうでしょうか?

Googleからは,詳しい情報が出ていないので周辺状況から探っていきます。

まず,IDF 2013でインテルがAndroid OSが将来的に64ビットをサポートする資料を提示しています。資料は,具体的なタイムスケジュールを示すものではありませんでしたが,これ向けのCPUを準備しているものと考えられます。また,Samsungも64ビットCPUのExynosプロセッサを開発しており,すでに開発の最終段階に入っているとされています。このCPUは,次世代のGALAXYシリーズに採用されることになるはずです。多くの情報があるワケではありませんが,Androidも64ビットへの流れがあるのは,間違いなさそうです。

64ビット化で何が変わるのか?

では,64ビット化によって,何が変わり,何がもたらされるかを考えてみます。

CPUが32ビットから64ビットに変わることで,クロックあたりの演算速度が極端に高速化するワケではありません。では,何がメリットかといえば,一番は,32ビットCPUよりもはるかに広大なアドレス空間が使えることで,よく言われる4GB以上のメモリが搭載可能になります。

モバイルで,こんなにメモリが必要なのか?と疑問に感じる方もいるはずです。

たとえば,今ある平均的なAndroidのメモリ搭載量は2GBですが,2008年に登場したAndroid初号機「T-mobile G1」のメモリ搭載量は192MBでした。おおよそ5年で,メモリ搭載量が10.44倍までに跳ね上がっていることになります。これは,Androidに求めるもの,Androidでやりたいことが年々増え続けて,それに応えて来た結果と言えます。

時代に合わせて変化することがあっても,今後も求めるもの・やりたいことが減るとは考えられず,いま以上に,複数のアプリが高負荷状態で動作する考えられます。となれば,4GB以上のメモリが必要になる時が来ると考えられます。また,先で出たように,複数のアプリが高負荷状態で動作している状況では,基礎能力が高い64ビットCPUが必要になると考えられます。

他には,どのような可能性が考えられるでしょうか?

たとえば,広大なアドレス空間を活かすために,メインメモリとストレージを単一のメモリに収めるユニファイドメモリアーキテクチャが採用されるようになるかもしれません。

かつて,Windows CEが似たモデルを採用しており,単一のメモリ空間に,どのような配分で,メインメモリとストレージを割り当てるかを設定できました。当時は,8MBのメモリを配分していたので,現状からみると可愛いものでした。また,不揮発性のメモリが使われていたワケではないので,バッテリ切れになると,すべてのデータを失うと言った不自由な代物でした。

使い勝手を損ねることなく,ユニファイドメモリを実現するためには,大容量でメインメモリにも使える程の高速な不揮発性メモリが必要です。実際,こうしたメモリが存在しているワケではないので,現実のものとなるのは先の話になるはずです。

他,Androidは,基盤OSのとアプリの間で『Dalvik』と呼ばれる仮想マシンが動作しています。基盤OSの64ビット化だけではなく,これもハードウェアのアーキテクチャに合わせる必要があります。Dalvikが64ビット化されれば,JITの速度が向上するのではないかと期待しますが,アプリ単体でみれば,4GB以上のアドレス空間が必要になることは滅多にないはずで,

64ビット化するのであれば,5年,10年先を見据えた取り組みになるのかもしれません。

数世代は変わらずか?

iPhone 5sが登場したことで,64ビットへの期待がヒートアップしましたが,本来持つ能力を最大限活かそうとすると,ハード・ソフトともに大改革を行う必要があります。

短期的には,デスクトップが移行した時と同じで,大きな影響のでない部分からとなり,これから数世代は,64ビットCPUの恩恵が受けられるのは限定的となるはずです。本当の改革が起こるのは,数年先で,ハード・ソフトの足並みが揃ってからになるはずです。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/

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