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2013年12月第3週ドコモ地図ナビ、ご当地ガイドがキャリアフリー化

ドコモ地図ナビ、キャリアフリー化

12月12日に、これまでドコモのAndroidケータイやタブレットでしか使うことができなかった、⁠ドコモ地図ナビ」「ご当地ガイド」を、12月16日からキャリアフリー化すると発表しました。

info ドコモ地図ナビ

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キャリアフリー化された「ドコモ地図ナビ⁠⁠。とはいうものの、説明書きには、ドコモの回線を持たない方は…という注意書きが見られる

原稿執筆時点(12/14)では、アプリがPlayストアに公開されていないので、キャリアフリー化したアプリを試すことができていません。動作対象となるのは、Android 2.3から4.3を搭載した端末となっているので、幅広い端末で「ドコモ地図ナビ」「ご当地ガイド」が使えることになります。

戦略転換で大きなチャンスを得た?

今回、キャリアフリー化されたアプリは、自社回線を持たないユーザでも、キャンペーンとして2014年5月までは無料で使えるとしています。このあとは、どういった扱いになるかは、アナウンスされていません。もしかすると、これを皮切りに、ドコモが持っているコンテンツをキャリアフリー化して開放していくのかもしれません。

キャリアと言えば、料金体系しかり、囲い込みが当然の文化でした。

ドコモに限れば、自前コンテンツを独自に流通できないiPhoneを拒んできた経緯もあります。これまで、囲い込みすることを前提で事業を進めて、これが儲けの種となっていたワケなので、当然とも言えます。しかし、iPhone導入をキッカケにして、戦略転換を行おうとしているのかもしれません。これも推測でしかありませんが、中にはキャリアフリー化したい連中がおり、iPhone導入を口実にして、ようやくこのような動きができるようになったと、喜んでいる者もいるかもしれません。

今回のキャリアフリー化は、ドコモが土管屋にならないための戦略と見ることもできますが、保有しているコンテンツやサービスを自社以外のユーザにもアプローチできるようになったワケなので、大きなチャンス得たとも考えられます。

タイミングは適切なのか?

自社回線を持つユーザ専用としていたサービスやコンテンツを他社回線を持つユーザにも開放することで、大きなチャンスを得たようにも見えますが。実際のところはどうでしょうか?

たとえば、筆者は、知らない土地に行って目的地を探す場合、Googleマップを立ち上げて現在位置を調べ、目的地へ向かうことが習慣となっています。長年これを使っており、この使い勝手に慣れているので、たとえ、ドコモ地図ナビが無料化されたとしても、それを使うのだろうか?と想像すると考え込んでしまいます。

キャリアが同じサービスを提供していても、必ず使うのではなく、別のサービスを使っているユーザも多いはずです。今回は、無料化された「ドコモ地図ナビ」「ご当地ガイド」は、代替サービスが多くあるだけに、筆者と同様に感じる方は多いはずです。

唯一の牙城は、個人との結びつきが強いメール機能ですが、これも未来永劫、メールでコミュニケーションをとり続けるというワケでもないはずです。すでに、LINEやFacebookなど、別の方法よるコミュケーション手段が台頭しています。

ドコモはOTTとして、存在感を発揮できるのか?

ドコモが持つコンテンツやサービスは、GoogleやAmazon、LINEなどが提供するコンテンツやサービスとかぶるものが多くあります。

GoogleやAmazon、LINEは、回線に依存しないサービスをすでに展開しているので、キャリアフリー化を進めると、それらと真正面から勝負することになるのは間違いありません。となれば、ドコモが先行するサービスプロバイダーとどこまで戦えるのかが見所にはなります。ガチンコ勝負をするためと、スピード感に溢れ小回りの効く運営をするために、別会社を立てるといったことも検討しているかもしれません。

消耗戦になる場面もあるとは思いますが、筆者は、こうした動きを取るのであれば、勝算があるサービスやコンテンツがあるのではないかと考えています。

たとえば、動画配信サービスであれば、先行してキャリアフリーのサービスを展開するhuluは、海外製コンテンツは、字幕がほとんどで、吹き替えコンテンツがほとんどありません。字幕でも構わない人もいますが、吹き替えでないと楽しめない方もいるはずです。huluは、こうした人達にアプローチできていません。このように、先行するサービスでも、スキがなく全方位網で運営していない部分があるので、チャンスがないワケではありません。また、ドコモは日本の会社ですから、足元の市場をよく理解しているはずです。

キャリアフリー化は、はじまったばかりなので、この先がどうなるのか分かりませんが、ドコモが日本のメジャーOTTとして、 iモード全盛だった頃のような存在感を取り戻すのか、今後の動きに注目して期待したいところです。

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