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2016年12月第3週 スマートフォン界隈,ロシアが第3勢力の理想郷となるのか

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ロシアが第3勢力の理想郷となるのか

ロシア政府がSailfish OSをAndroidやiOSの代替OSとして許可しました。

Sailfish OSは,Androidアプリが動作するの特徴を持っていますが,第3のOSと呼ばれる他の面々とは異なる方法で活路を見出しました。

第3勢力のモバイルOSたち

AndroidとiOSに続く,第3勢力のモバイルOSはいくつか存在します。以下がその代表格で,いずれもAndroidやiOSのしっぽを捉えていませんが,2016年をふり返ってみます。

  • Windows 10 Mobile
  • Firefox OS
  • Sailfish OS
  • Taizen OS

Windows 10 Mobile

国内でもSIMフリー端末が発売されていますが,いずれも鳴かず飛ばずです。

Microsoftは,モバイルOSではなくフルスペックWindowsのポータビリティ化に力を入れているようで,中国深セン市で開催された「WinHEC Shenzhen 2016」で,ARMベースのWindows 10を2017年に投入すると明らかにしました。これは,バイナリ変換を行いWin32アプリをARMプロセッサ上で動かします。

現実のものとなれば,スマホやタブレットにPCが集約されることになり,生産性が求められる場合だけ,外付けのディスプレイとキーボードを付けて使うようなスタイルに変わるはずです。こうなれば,常にフルスペックのコンピュータを身に着けていることになり,モバイルへの考え方や位置づけが変わるはずです。

Firfox OS

Firefox OSは,搭載端末「Fx0 LGL25」をauが発売したり,パナソニックがそれを組み込んだテレビを発売するなど,Mozillaのモバイルビジネスの主軸になるかと考えられましたが,軌道には乗らず2016年に開発が終了しました。

webOSしかり,HTML5とJavaScriptを開発言語とするOSは,一定の注目は集めますが大きな成功なく市場から姿を消しています。

Sailfish OS

Sailfish OSを開発するJollaは,NOKIAでMeeGoを開発していたメンバーが立ち上げた会社です。資金難から存続が危ぶまれる時もありましたが,ロシア政府から資金を得て開発を進めている独自OSです。

Jollaは,立ち上げ時にオリジナルのスマホを開発して,欧州やアジアの一部地域で販売していましたが広く普及したとは言えません。近年は,Sailfish OSのライセンスに力を入れており,インドの携帯電話メーカ「Intex」と手を組んで「Aqua Fish」と呼ぶ端末を発売しています。

冒頭でも触れたように,ロシア政府の認証を得たモバイルOSです。

モバイルOSの市場シェアの大半を占めるiOSとAndroidは,アメリカ主導で開発されています。今回の認証取得は,ロシア政府が現状を好ましくないと考えていたのと,OSのライセンス事業を拡大したいJollaの目論見が一致した結果です。ロシア政府は,2025年までにAndroidとiOSの市場シェアを50%以下にしたいと考えており,目論見通りになれば,残りの半分がSailfish OSです。カジキの捕れない地域で高い普及率となるワケです。

ロシア政府の認証取得する前に,Open Mobile Platformという会社がロシア向けのカスタマイズ版を開発する目的でライセンスを取得していたりと,ロシアでは注目のOSとなっています。

Tizen OS

Tizen OSは2012年が初リリースのOSで,同時期にドコモから搭載端末が登場する話があり,対応アプリの開発を進めていたベンダーもいたようです。結果は,iPhoneの勢いに押されてしまい搭載端末が世に出ませんでした。

Tizen OS搭載の端末に向けてアプリを開発していたベンダーは,これを活かせないかと考えて,同じHTML5+JavaScriptでアプリ開発ができるFirefox OSが国内でも注目が集まります。しかし,これも先で書いた結果です。

Tizen OSは,定期的にSamsungがスマートフォンOSとして,Androidからの切替を検討中の話が出ますが,それが採用されているのは,スマートウォッチのGear Sにとどまっています。

近々では,ロシア政府認証のOSとして候補にもあがっていたようですが,Sailfish OSにその座を譲りました。

2017年に向けた気になる芽

調査会社の「Strategy Analytics」の報告によれば,2015年第3四半期から2016年第3四半期における1年間のスマートフォンのシェアで,AndroidとiOS以外のシェアは0.3%なので,存在していないのと同じです。厳しい状況ですが,ARM版とWindows 10とSailfish OSは気になる芽です。とくにARM版Windows 10は,状況が大きく変化する可能性があり注目です。

今週は,このあたりで,また来週。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/

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