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2018年3月第3週次期OS「Android P」開発者向けプレビュー版が公開

次期OS「Android P」の開発者向けプレビュー版が公開

3月7日、Googleは次期OSであるコードネーム「Android P」の開発者向けプレビュー版を公開しました。すでに開発者向けのサイトからダウンロードできるようになっています。

開発者向けプレビュー版がインストールできる端末は以下です。

  • Pixel
  • Pixel XL
  • Pixel 2
  • Pixel 2 XL

Android Pからは対象がPixelシリーズのみとなり、これ以前のNexusシリーズ(Nexus 5X, Nexus 6P)は対象外となっています。これ以外では、2015年の末に発売されて、現在はPixelbookにその座を譲っているPixel Cも対象外です。もうひとつ、これまでサポート対象となっていたのが不思議なくらいの、2014年に発売されたNexus Playerも対象外です。

Googleは、OSのアップデートサポート期間を2年と約束しています。先の端末は、いずれも発売から2年以上経過しているので当然の流れと言えます。

Display cutout(ノッチ)を標準サポート

うわさどおり、Android Pでは画面のノッチがサポートされます。 Googleは、これを「display cutout」と呼びます。Mobile World Congress 2018(MWC 2018)で、iPhoneに似た台形のノッチがある「ノッチフォン」が大量に登場したのは、Android Pでサポートされるためです。MWC 2018で、発表されたノッチフォンは、以下となっています。

  • Asus Zenfone 5
  • Ulefone T2 Pro
  • LG G7 Neo
  • Huawei P20
  • 端末ごとでノッチのサイズが違い、Androidエミュレータでは3種類のサイズをエミュレーションできます。アプリは、ノッチの存在を意識する必要はなく、表示すべき情報はノッチを回避します。Androidでは、ノッチの重なるステータスバーは通知アイコンの表示エリアとして使われるので、これでステータスバーの表示領域がふさがることに、違和感を覚える人が多いかもしれません。

    ノッチフォンが大量出現したワケ

    The Vergeでは、大量出現したノッチフォン達を刺激的なタイトルで取り上げています。

    大量に登場したノッチフォンは、AndroidユーザがiPhone Xに対して憧れのようなものを持っており、似た端末を求めているからとも考えられます。こうした理由が通る時期もありましたが、最近行われた「使っている最中のOSに、どのくらいとどまっているか?」の調査では、iOSユーザがiOSにとどまる割合が86%なのに対して、AndroidユーザがAndroidにとどまる割合が91%で上回っています。

    調査期間は2017年1月から12月です。この期間であれば、AndroidユーザはiPhone Xのことを知っており、Androidユーザが肯定的に受け入れているならば、Androidにとどまる割合がもっと低くなるはずで、ユーザが求めているとは考えにくいです。ノッチフォン大量出現の理由は、端末の創り手がiPhoneに対するコンプレックスが強いか、また、iPhoneがやったので、単純に右へならえのモノマネをした結果と考えるのが正解かもしれません。

    ディスプレイ比率が高い端末で、ノッチを採用していないのはGalaxy S8, S9シリーズのみです。ひと昔前ならば、SamsungもAppleのモノマネと揶揄されることがありましたが、ノッチがないことがGalaxy Sシリーズのアイコンにもなったので、この決断をした関係者は「してやったり」のはずですし、ユーザに不自由な思いをさせない造り手の意図を感じ取れます。

    ノッチやマルチカメラが新たな刺激になるか

    ノッチをサポートするために、Android PではDisplayCutoutというクラスが追加されたり、WindowInsetsクラスにgetDisplayCutoutというメソッドなどが追加されています。ノッチのサポートに追加コードは必要ですが、難しいことはないので複数解像度をサポートする一環で対応はできそうです。

    Android Pではマルチカメラもサポートされています。

    これまではメーカーの独自拡張が必要だった部分が標準機能になっているので、この仕組みをうまく使って思い付かなかったような端末が登場する可能性もあります。OSも行き着くところまで進化しているので、ノッチやマルチカメラが刺激になって新しい端末進化の道筋が見れば面白い存在となるはずです。

    今週は、このあたりで、また来週。

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