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2018年4月第2週スマホでの災害・緊急情報取得の現状・2018年春

今週は、Androidに大きな動きがなかったので、注目が高まっているスマホでの災害・緊急情報取得の現状をまとめておきます。

SIMフリー端末での緊急速報メールの受信

iPhoneは、SIMフリー端末であっても緊急速報メールが受信できます。しかし、Androidでは各社の対応がマチマチです。これが厄介なのは、端末によってはクローズドで実施している試験配信が認識できず、本番の緊急情報として受信する端末があることです。こうした誤った受信は、試験配信を行う側で試験配信であることを強くアピールするくらいしか対策方法がなく、場合によっては混乱を招く要因となっています。

この状況を打破するためか、一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが提供している緊急速報メール(ドコモは、エリアメール)をAndroid 8.1搭載の端末であれば受信できるように共通仕様を整備しました。

これで、SIMフリーの端末でもAndroid 8.1が搭載されていれば、緊急速報メールが受信できるのでiPhoneと同じ状況です。

昨年、話題にあがることが多かったJアラートは、緊急速報メールを配信する仕組みが使われています。送信元は、国だったりお住まいの地域の自治体だったりしますが、それもAndroid 8.1を搭載する端末であれば受信できます。また、緊急地震速報なども緊急速報メールを配信する仕組みが使われるので、Android 8.1を搭載するSIMフリー端末で受信できます。

これまでは、緊急速報メールが受信できない端末では、代替方法として「Yahoo防災速報」をインストールするのが定番とされていました。しかし、時代とともに状況は変化しているので、端末を買い換えるタイミングで搭載OSが何かを確認してください。

緊急速報メールが受信できるか確認する方法

Android 8.1を搭載するSIMフリー端末を購入すれば、もしもの時の対策も万全と安心するのは早計です。緊急速報メールの共通受信仕様に対応した端末を手に入れただけで、必ず受信できるとは限りません。たとえば、設定の不備で緊急速報メールが受信できない可能性もあります。設定には不備がなくても、本当に受信できるか、もしものときにしか確認できないのは不安です。

年に数回、Jアラートの試験として緊急速報メールの配信試験が行われるので、これに合わせて使っている端末で緊急速報メールが受信できるか、確認するのが最も簡単な方法です。たとえば、私が住む地域では「大阪880万人訓練」と称して毎年訓練を実施しています。これに同調して、周辺自治体も訓練を実施します。

このときに、緊急速報メールの試験配信が行われるので、端末での受信確認が行えます。

たびたびあるものではないので、積極的に参加して、受信設定の確認だけではなく、もしもの時を考える機会にしても良いかもしれません。

外国人旅行者への緊急情報提供

訪日外国人旅行者が増加していることを受けて、外国語での緊急情報提供にも注目が集まっています。

先の緊急速報メールは、一斉配信なので冒頭に英語のメッセージを1文加えて配信するケースはありますが、基本は日本語での配信が行われています。学校や公園などに設置されている、同報系防災行政無線も外国語で情報提供する自治体はありますが、日本語放送が終わったあとで、外国語放送が行われるので、一刻を争うような時の有用性には疑問が残ります。

他、自治体が独自に展開している登録制メールで、外国語の情報提供に取り組んでいるケースもありますが、地域に住む外国人を対象としており、外国人旅行者をターゲットにはしていません。

外国人旅行者をターゲットにしたものでは、観光庁監修のもとで開発された「Safety tips」があり、Playストアに公開されています。

このアプリで対応する言語は、英語、中国語(繁・簡⁠⁠、韓国語、日本語の5言語です。地震や津波、特別警報などが発生すると通知が来る仕組みです。また、緊急情報だけではなく、医療機関情報も提供しており、外国人を受入可能な医療機関の情報を得られます。

訪日前にアプリをインストールする必要はありますが、存在を知っていれば日本を旅行する際の安心材料にはなります。ただ、訪日する外国人すべてが日本人と同じマインドで、もしもの時に備えておきたいと考えるわけではないので、このアプリをインストールする動機を作るのが、最も難しい話しかもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。

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