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2018年5月第2週先行き透明、ZTEへの制裁措置 続報

先行き透明、ZTEへの制裁措置 続報

前回米国政府よりZTEへの制裁措置が発表されて、ZTEはAndroidのライセンスを失う可能性があることをお伝えしました。

時間の経過とともに、さまざまな方面に影響が出ているので続報をお伝えします。

国内では、NTTドコモが販売する端末「M Z-01K」「MONO MO-01K」は、新規発注ができない状態になっており、4月27日に行われたNTTドコモの決算会見で、吉澤社長が「どちらも、当面は在庫販売を継続して、故障対応に関してもかなりの期間サポートできるのでははないか」とコメントしています。新規発注ができないのは、NTTドコモだけではなく他社も同じです。また、SIMフリーで販売されているZTE製の端末も影響を受けると考えられ、在庫限りの販売となるはずです。

また、ZTEのソフトウエア更新を提供するサーバが停止しており、4月13日よりSoftBankから発売が開始された端末「キッズフォン(701ZT⁠⁠」においては、SoftBankからアナウンスが発表されており発売早々から躓いた格好です。

影響を受けているのはキッズフォンだけではなく、過去に販売されたZTE製スマートフォンもソフトウェアの更新を実行するとネットワークエラーが表示されて利用できません。これは、国内だけではなく米国でも同様で、ZTE USのフォーラムでもソフトウェアの更新を実行するとネットワークエラーになると話題になっています。

他、米国防省は世界中の米軍基地内で、ZTEとHUAWEI製端末の販売を中止するように指示を出したとThe Wall Streat Journalが報じています。

この販売中止指示は制裁措置発表を受けた形ではなく、端末に仕掛けられたバックドアから兵士の動向追跡や通信盗聴のリスクを懸念したことが理由とされています。追跡や盗聴に関しては、2012年の段階で使用すべきではないと米議会で報告書が提出されており、いまに始まったことではありませんが、社会的にインパクトが大きくなるタイミングでの指示です。

また、ZTE以外にもHUAWEIも対イラン制裁に対して違反していた疑いがあり、米司法省が調査中とThe Wall Streat Journalが報じています。

ZTEは通信装置関連のビジネスも行っており、この売上げ規模は100億米ドルとも言われています。第5世代移動通信でも一翼を担っているので、現在の状況が長引くと何らかの影響を及ぼす可能性が考えられます。対企業の問題というよりは、米中間の貿易摩擦問題の様相になりつつあります。影響範囲が大きいので、今後、解決の糸口が見つけられるのか注目です。

Wear OSは、Googleアシスタント端末の色が濃くなる

本稿が公開されるころには、Google I/O 2018が開催されていますが、これを待たず、5月3日にWear OSのアップデート内容が発表されました。

名称をWear OSに変更してから初のアップデートとなるのは、Googleアシスタントがより便利に使える機能の追加です。これは、今後のWear OSの立ち位置を探るアップデートとも考えられます。

それでは、順にご紹介していきます。

1つ目は、Googleアシスタントでコマンドを実行したときに、関連するコマンドを予測して画面にコマンドを提示する機能です。たとえば、今日の天気を確認するコマンドを実行したときに、明日や週末の天気が確認できるコマンドを画面に提示します。

2つ目は、Googleアシスタントからの応答を画面だけではなく、端末のスピーカや接続しているBluetoothヘッドフォンに音声で出力します。これで、テキストだけではなく音声でも応答が確認できます。

最後は、Google Homeだけに限られていたスマート家電への接続がWear OSを搭載する端末からも可能になります。これで、腕時計に話しかけることでスマート家電を操作できます。

いずれも、Googleアシスタント端末としての色が濃くなる機能追加です。

音声で操作してフィードバックも音声で行い、補助としてディスプレイを使うようになれば、サイズが小さいのも気になりません。スピーカに続いて腕時計でも音声UIが主流になる可能性があるアップデートです。この評価が良ければ、小さなディスプレイしか搭載しないバンドのような端末が登場する可能性もあります。

今週は、このあたりで、また来週。

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