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『インスタグラム 商品写真の撮り方ガイド』増刷記念! 6151×中野晴代×もろんのん スペシャル座談会

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―編集の立場からすると,中野さんの「見た目から入る」という言葉があったおかげで,1章のSTEP1を「機能的な魅力」「デザイン的な魅力」に分けることができました。この書籍で最初のマインドセットをする上で,かなり重要な言葉でした。

6151 中野さんももろんのんさんも同じですけど,私は他の2人のパートを見ていて答え合わせをしているというか,⁠間違ってなかったんだな」と答え合わせをしているような気分でした。プラス,自分に足りないものを2人が補ってくれているので,足りなかったパズルのピースをお互いに埋めあっているような感覚ですね。この本を読んでいると,自分に何が足りなかったのかを教えられている気になります。

中野 本当にその通りで,1人じゃないのがこの本の強みです。それぞれのノウハウがバランスよく盛り込まれていると思います。それに3人だからこそ,私たちも自信を持って人に勧めたくなるんですよね。いろんなことをかなりざっくばらんに話したんですけど,本の流れとして自然になるようにまとまっていると思います。取材も緊張せずにできましたし,自分で原稿を書くのではなく,聞いてもらったことで引き出された面もあります。

6151 取材で質問されても,開口一番「わかんないー……」がけっこうありました(笑)⁠

ー取材音声を聴き直すと面白いですよ(笑)⁠

中野 でもほんとにわかってないんですよ! 感覚的な部分が大きくて,省いたり追加したりするのも「見た目でなんとなく」なんです。実際に商品を置いて,ファインダーで覗いてみないとわからない。

撮影時の精神状態も影響するんですよね。もっと言えば,撮影する商品やまわりに置く小物のセレクト,実際の撮影,撮影後のレタッチまで,最初から最後までの工程を考えるとけっこう時間がかかっていて,小物をセレクトした時とレタッチする時とでは気持ちが違うこともあります。撮影した写真を翌日に見ると「あんまりよくないな……?」と思うことはけっこうあります。

写真全般で同じかもしれませんが,撮影する時にはモチベーションがとても大事です。パッケージが可愛くてセレクトした場合はその時点で楽しい気分になっているからいいんですけど,そうではない場合もあるんですよね。

6151 だから私は撮影とレタッチは同じ日にやらないようにしています。客観的に見えるように心を整えてからレタッチに入ります。

中野 忙しい中で焦ってレタッチすると,余裕がある時とは違った仕上がりになるんですよね。リラックスしてちゃんとできる時にやりたい。もちろん基本的には写真が好きで撮るのが楽しいからこういう仕事をしているんですけど,どうしても苦しい時ややりたくない時,他にもやらなければいけないことがたくさんある時など,どうしても気分が乗らない時はありますよね。

6151 そういう時にブランドの歴史を遡って,どんな人がこの商品を愛しているのか,このブランドは消費者にどういう気持ちになってほしいのか。そういったことを考えると,どんな風に撮るか方向性が決まることがあります。そういった背景を知ることで,物語を想像したり,商品自体を愛せるようになるんです。テンションが上がらない時にどうするかはかなり考えますね。

もろんのん  私は副題を多くしたり,背景をオシャレにしたりして,雰囲気を作ります。やっぱり商品によっては,スーパーで並んでいる時にインパクトを残せるデザインに仕上げているものもあって,そういう強烈なデザインは写真には不向きだったりするので。でもメーカーさんがそのデザインにしているのは理由があるので,それは尊重する必要があると思います。

写真03

―この本を作っている中でも苦しみがあったのでは?

もろんのん 取材は本当に苦しかったです(笑)⁠感性で撮ることが多いので「何を意識しているんですか?」と聞かれると本当に答えが詰まるというか……。

中野 私も!

6151 みんな同じ!

もろんのん 話をしている時は「これは後付けの説明かもしれないな」と不安に思っていました。構図の形や名前は知っているけど,⁠今日は日の丸構図で撮ってみよう」とは意識していなくて,被写体やその場の状況を見て感覚的に構図を整えた結果,日の丸構図になっている,ということが多いんです。紙面になってからも「これでいいのかな……」と思っていましたね。

6151 表現として言い切らなければいけない不安もありました。⁠これ正解なのか?」って。自分が「ブツ撮りはこう撮りましょう」と言い切ることで,ほかの手段を否定することになっていないか,という不安です。私はセミナーで参加者の方に「6151さんのおっしゃることではなく,私はこう思うんですけど,それはどう思いますか?」って聞かれたことがあって。サイド光でも逆光でも決して間違いではないし,自分の好きな方を選べばいいんですけど,自分の方法を言い切ることでそれを受けた人が「間違ってるのかな」と思ってしまうことがあるんですよね。

中野 私も「商品写真はサイド光で」と言い切りましたけど,逆光で撮るのが好きな人も多いです。実際にもろんのんさんは「逆光で撮る」と言っていましたし。⁠3色以内に抑える」って書いたけど,知り合いのインスタグラムを見るととてもカラフルな仕上がりになっていたり(笑)⁠結局好みの問題なので,正解というより自分が好きなことの紹介ですよね。

もろんのん 私もスナップマートのセミナーでは毎回「これでいいのかな」と不安になるんですけど,⁠もろんのんさんの撮り方を知りたいから参加してるので,自信を持ってほしいです」と言われて楽になりました。それからはそれぞれのスタンスで楽しんでもらって,参考になる部分は取り入れてもらえれば,くらいの心持ちです。

写真04

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