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『インスタグラム 商品写真の撮り方ガイド』増刷記念! 6151×中野晴代×もろんのん スペシャル座談会

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―編集としては,やはり表紙作成の悲喜こもごもは触れないわけにはいかないのですが……。

6151 激論でしたね(笑)

―まずみなさんに見せる前に,デザイナーと私の間だけで作った案がありました。ただ中身の方向性も決まってないまま作ってクオリティが低すぎたので,さすがにボツにしました。その後,初稿がある程度できた段階で版元も交えて作り直し,みなさんにお見せした案がこちらです。

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中野 ちょっとね……(苦笑?)⁠

―「この中のどれがいいですか?」と問いかけたつもりだったのに,みなさんから返ってきた反応は「どれもシェアしたくならない」でした(苦笑?)⁠

もろんのん 最初に見た時は正直,⁠この本を私たちが作りました」って言いたくないなと思ってしまいました……(苦笑)⁠

6151 私は意外とブルートーンの表紙とか好きだったんですけどね。

―それを受けて再度作り直したのがこちらです。ここからだいぶ雰囲気が変わってきましたね。

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もろんのん でもそうなると,今度は写真のセレクトと並びが気になってきちゃったんですよね。

6151 編集さんは「このままでいきたい」とおっしゃったんですけど,私はこの右上の写真,⁠どんだけオシャレに撮ったとしても餅やぞ! それでええんか??」って思ってました(笑)⁠

―表紙はどうしても出版社の担当の方,営業の方など,多くの意見が飛び交います。写真を「このままでいきたい」と言ったのも,暖色系の写真の方が書店で手に取ってもらえる確率が高いからでした。とはいえSNSで受け入れられるかどうかという感覚はみなさんの方が圧倒的に優れていますし,それはインスタグラムのフォロワー数が物語っています。その集約と落とし所を見つけるのは大変でしたね……。

中野 最終的にはそれぞれが希望の写真をいくつか出して組み合わせてもらい,⁠どの案になってもいい」というところまで追い込んで,6151さんのツイッターでアンケートを実施しました。

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6151 この案はそれぞれ売りや特徴が違って良かったですよね。本当にどれになってもいいなと思ってました。アンケートを実施した時も,投票してくれた人が「私はこんな理由でこの表紙がいいです」と言ってくれて,その意見もまた肯定的で。⁠そんな見方もあるんだなー」と思いました。

もろんのん そして最後はこの表紙に決まりました。

決定表紙

6151 紆余曲折ありましたけど,最終的にみんなが納得できたし,アンケートを実施したことで読者の参加意識も高められたと思うので,結果オーライですよね。

―何よりよかったのは,⁠これは良くないと思う。この方がいい」と遠慮なく言える関係と空気感があったことです。表紙は売り上げに直結するので出版社の意向が強く反映されることが多く,著者の意見は置いてけぼりになることも少なくありません。逆に,著者がすべてを編集任せにしてしまうこともあります。楽といえば楽ですけど,やっぱりみんなが意見を言い合った方がいいものになると思いますし,それを受け入れてくれた出版社側の柔軟な対応も感謝したいです。それが発売約10日での重版につながったのかなと。僕自身,こういう空気で制作できたのは久しぶりだったので楽しかったです。

―この本を作って,これから先の撮影も変わってきそうですか?

中野 最近はそもそも日用品にオシャレなデザインのものが増えたんですよね。

6151 そういうデザインの商品を見ると中身確認しないで買うこともあります(笑)⁠もはや職業病。

もろんのん 何か買い物をする時に「このデザイン,写真に撮ったらかわいいかも!」って常に思っちゃいますよね(笑)⁠

中野 最近はスマホのカメラも進化して,写真を撮る人が増えたおかげで,メーカーも「商品に撮られること」を意識したデザインになってきた気がします。特にここ1,2年でその変化は感じます。

6151 ⁠インスタ映え」という言葉は揶揄のように使われる場面も多いですけど,でもインスタグラムが一般の人に写真を身近なものに感じさせたのは間違いないと思います。私はインスタグラムが流行する前からアカウントを持っていましたが,最初の頃はカメラを持って構えているだけで訝しがられてましたから。

もろんのん 当時,カメラを持っている女子は「サブカル女」って叩かれるような時代でしたしね。

中野 私も前はカフェでこそこそ撮ってました!

6151 でもインスタグラムが浸透して,写真を撮ることが自然になっていって,私たちもそんなに身構えずにシャッターを切ることができるようになりました。

中野 ただ,オシャレなものが増えてカメラで撮ることが普通になってくると,撮り方もマニュアル化されて誰でもオシャレに撮れるようになりますし,実際にそうなってきていると思います。そこから自分らしさを出すのはまた難しくなってきますよね。喜ばしいことであるのは大前提なんですけど,そこから何か特徴を出すのは難しくなるかもしれないです。

6151 そこでこの本が役に立ってくれれば嬉しいし,私たちはそれに負けないようにまたアップデートしていかないといけないなと思います。きっとまた別の苦しみがあるんだろうなぁと思いながら(笑)⁠

―本日は,ためになることや,楽しいお話など,ありがとうございました。

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本番の商品写真を6151さんが撮影&作成してくれました!

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