新春特別企画

あなたを情報整理の達人に変える小さな習慣

「情報整理が得意な人になりたい!」

毎日膨大な情報に触れることが多いエンジニアや現在のビジネスパーソンなら、一種の憧れとともにそう思うことも多いのではないでしょうか? 新年に決意も新たに自分の情報アンテナの精度を向上してみようと考えている人も多いはず。

しかし少し視点を引いて考えてみましょう。あなたの周囲で「情報整理に長けた人」はどんな人でしょうか? それは何でも知っている「情報博士」のような人でしょうか? どんな話題にも付いてこれる「雑学の王様」のような人でしょうか?

それはそれで飲み会やイベントでは面白い人なのかもしれませんが、むしろ「あの人は情報の目利きだ」⁠この件についてはあの人に聞けば知っているはず」という信頼を集めている人は、独自の視点で情報をフィルタリングしている、有能な「キュレーター」であることのほうが多いはずです。

キュレーターというと、非常に限られた人しかなることができない印象がありますが、私はむしろ逆だと思います。いつ必要になるかわからない情報にすべて目を通すよりも、キュレーターになるほうがずっと楽で、楽しくて、自分のブランドを前面に押し出すことができます。

本稿では、私が普段から実践している小さな情報キュレーションの習慣について紹介したいと思います。

Evernoteで日常の「!」を記録する

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全世界でユーザーが500万人強、日本でも100万人に届こうとしているEvernoteを利用することが、デジタルな情報整理の近道です。

Evernoteの利用方法についてご存知のかたは多いと思いますが、存外多くの人がつまづくのが「どんなことをEvernoteに入れればいいのかわからなくて利用しなくなる」というポイントです。

ここで、「どんなことでも、注意を引いた情報はEvernoteにとりあえずいれておく」というのが一つの答えになります。例えば、以下のような状況を考えてみてください。

  1. 新聞サイトを読んでいたら、読む気はなかったのに表題に吸い寄せられてつい読んでしまった記事があった
  2. ツイッターを眺めていたら、なぜか気になってクリックしてしまったリンク
  3. Amazonでおすすめされた商品のなかで「なんだろう」と思ってチェックしたもの
  4. Wikipediaで調べものをしていたら、調べていたページと別のページが気になった

こうした普段の行動でなぜか気になった情報は、あなた自身の価値観や興味を反映しているものといえます。時としてそれは予感に近いもので、なぜ興味をもったのか意識的に答えることができないこともあります。そうしたものは、なおさらクリップしておきましょう。

とりあえずクリップするという習慣は、⁠この情報はEvernoteにいれるべきか」という判断に時間をとられなくなりますし、下手な主観をいれることであなたの情報フィルターが歪むことを防いでくれます。

興味のおもむくままにクリッピングしているうちに、あなたの目に映った世界観がEvernoteの中に少しずつ構築されてくることでしょう。それは他の誰のものでもない、あなた自身の情報世界なのです。

モレスキンで日常の「?」を記録する

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Evernoteで外からやってくる情報をフィルタリングできるようになってきたら、今度は内なる声に耳を傾ける番です。

よく「情報をうのみにしてはいけない」といわれますが、それはアクションとしては「情報に対して疑問点を構築する」ということでもあります。そしてこうした疑問や、違う視点での発想は、時と場所を選ばず突然やってきます。

そこでいつでもどんな状況でもメモを取ることができるツールが大切になるのですが、その目的に私はモレスキン・ポケットノートブックを利用しています。

iPhoneを利用しないのは、発想は必ずしもテキストで記録できるとは限りませんし、操作をしているうちに思考が変化してしまうからでもあります。モレスキンである必要はないものの、ページ数の膨大さ、しっかりとした装丁、シンプルな使いやすさ、そして不定形なメモも入れることのできるメモポケットの存在が、他の手帳を圧倒的に突き放していると思っています。

ここでも、多くの人が「モレスキンに何を書きこめばいいのかわからない」とつまづく傾向にあるようですが、それに対する答えは「思考はベータであること」⁠思考をそのまま書いてかまわない」という点です。

絵を描くときに、下書きなしにはラフなものしか描けません。私たちの思考とは常にこの下書き、より大きな思考に向けたベータなのです。しかし、思考は保存しなければどうしても消えてしまいます。保存しなければ、修正を施すための素材さえ消えてしまうのです。

モレスキンを片手に、思考の断片を常に記録することは、⁠自分の思考」を少しずつ研ぎ澄まして情報のフィルターの精度を高めることでもあるのです。

Reeder/Instapaperで「読み」から「シェア」の近道を

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どんなフィルターにも出口が必要ですし、どんな思考も日の目を見なければ朝の訪れとともに忘れてしまった夢のようなものです。

幸い、いまよく利用されているGoogle Readerなどのツールは最初から情報をシェアすることを念頭に作られていますので、情報を「読む」段階から「シェア」する段階へはほとんどの場合1・2ステップでゆくことができます。

私がいま愛用しているのは、iPhone/iPad/Mac上でGoogle Readerの情報を高速に読み流すことが可能なReederというアプリです。Reederは非常に高速なリーダーであるだけでなく、メールやツイッター、Facebook、Instapaper、Google Readerの共有機能などに1クリックでアクセスできる手軽さを持っています。

Readerアプリ
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「あ、これは面白い」と思った瞬間に、ほとんど手間をかけることなく情報を必要な場所に転送できるので、利用していると本当に情報のフィルターになっている気がしてきます。

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私の場合、Reederでは時間をかけずに記事をチェックして、じっくり読む必要のあるものはInstapaperに転送するという2ステップの処理を行っています。これによって、長い、じっくりと考えさせられるブログ記事に対しても公平に時間を与えることができるように注意しているのです。

Instapaperは記事を保存しておけばブラウザからも、iPhone/iPadからでもあとで読むことができますし、さらにそこからツイッターへ、Tumblrへの転送、EvernoteやPosterousといったサービスへのメールでの転送が可能ですので、情報のシェアが加速していきます。

見たことをシェアし、自分の考えをシェアすること。これは最初は勇気が入りますが、慣れてくれば呼吸をするように自然にできるようになってきます。

2011年、ブログで船出をする

こうして「情報のフィルター」としての自分を確立させることにはさまざまなメリットがあります。

まず自分の価値観や興味でフィルターで世界を切り取っていくわけですから、ブレることがない核となる情報ネットワークが自分の中に構築されます。逆に、自分に対して影響の少ない情報は自然に無視されてゆく傾向が生まれますので、効率が良くなります。目利きとしての力がついてくるわけですね。

そして最後に、情報を積極的にシェアすることで信頼を少しずつ形成することができます。この人のもとにはこんな有用な情報が集まっているという信頼は、この時代には大きなプラスです。たとえそれが会ったこともないツイッターのフォロワーにむけてであったとしても、回りめぐってメリットはあなたのもとに返ってくることでしょう。

だからこそ私は、情報の良いキュレーターになりたいという人はブログを始めるべきだと思っています。

すでにたくさんのブログがあって、自分のブログなど誰にも相手にされないのではないか? そう思ってしまうのもわかります。私も最初はそうでした。しかし誰のまねをするのでもなく、自分の目利きを信じて情報を切り取ってゆくうちに、あなた自身の魅力にエールを送ってくれる読者がきっと増えるはずです。

自分のためだと思っていた情報整理が、誰か他の人のために、そして回りめぐって自分のためになる。みなさんにとって今年一年が、そんなよい巡り合わせの一年であることを祈っています。

それではまた、ネットのどこかでお会いしましょう。

Happy Lifehacking!

参考文献:

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