エンジニアが身につけたい基本スキル2008

第4章 一歩進んだスキルを身につけよう

2008年5月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

人に教えることにより学ぶ

情報のアウトプットの1つの究極形は人に教えるということになるでしょう。教えるためには,きちんとした事前の調査や準備が必要ですし,教えることによってそれまで気がつかなかったことや,理解が足りなかったところが見えてきます。また,教える相手から思いもよらぬ質問が出て,驚かされることもあります。

自分一人だけの学習というのは,時として自己満足に陥ってしまったり,学習する内容が偏ってバランスを欠くことがあります。教えることで,自分の持っている,知っているスキルに他人からの視点が入りますから,偏りをなくしていくことができます。また,新たな発見があり,教えることで教えられることも多くなります。

内容は,まずは簡単なことから始めていけばよいでしょう。教えるための資料作りは,ドキュメント作りのよい練習となります。効果的に教えるためには,できれば実機を使いながら実習をするとよいので,そのための環境作りなどはシステム構築の一種のシミュレーションといえます。手順を作り込んでも,実際にやってみると想定外の問題が起きてトラブルシューティングに追われたり,待ったなしの対応力が問われてきます。もちろん,教える作業や,質疑応答などはコミュニケーション能力が必要です。

簡単な内容でも,いざ教えてみるとさまざまなスキルが問われるのがわかるでしょう。教えることは,自分自身のスキルを見つめ直す絶好のチャンスです。なかなかチャンスがないかもしれませんが,積極的にそのような機会を作るようにするとよいでしょう。

人脈を築く

スキルとは直接関係ないかもしれませんが,人脈を築いていくのもエンジニアとして重要なポイントです。ここで言う人脈とは,同じ会社の中ではなく,社外に知り合いを増やしていくという意味です。

人脈とは,本田直之氏の『レバレッジ人脈術』の定義を借りれば,⁠ギブアンドテイク」ではなく「コントリビューション⁠⁠,相手にどれぐらい貢献できるかによるとしています。人脈を築けるということは,自身のスキルを積極的に相手に対して,あるいは社会に対して役立てていけるということにほかならないでしょう。ただ単に誰それを知っているというだけでは,それは人脈とは言えません。

ただ,あまり人脈人脈と考えなくても,スキルがついてくれば自然と外部の人との接点が増え,人脈が築かれていくものです。逆にスキルはついてきたのに,あまり外部の人と接点がないと感じられるようであれば,積極的に外部のセミナーや勉強会などに出かけていって接点をつくるようにした方がいいでしょう。

最近では盛んに外部コミュニティ活動に参加することがスキルアップの近道のように言われていますが,それほど直接結びついているとは考えません。コミュニティがスキルをアップさせてくれるのではなく,スキルアップした結果の出口の1つとしてコミュニティ活動があるぐらいに考えておくべきでしょう。

あらためて,スキルアップの目的とは

スキルアップについて,さまざまな方法について説明してきました。しかし,方法論だけでなく,最も重要なのはなんのためのスキルアップかということです。

給料を高くしたいという目的もあれば,自分のプライベートな時間を確保したいという目的もあるでしょう。スキル自体は1つの手段ですから,目的が明確であればあるほど,どのようなスキルを身につけるべきかもはっきりとしてきます。逆に目的もなく闇雲にスキルを身につけても,あまり意味がないといえるでしょう。

どうしてスキルアップしたいのか,目的を明確にしていくこと。これが一番のスキルアップ法かもしれません。そして,自分なりのスキルを身につけていってください。

著者プロフィール

宮原徹(みやはらとおる)

株式会社びぎねっと 代表取締役社長。2006年12月より日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長も兼任。オープンソースカンファレンスをはじめ,各種オープンソース関係のイベントをサポートするイベント屋さんでもある。イベントの大小を問わず,お気軽にご相談ください。

URLhttp://begi.net/

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