だれも教えてくれなかったコンテンツビジネス儲けのしくみ

【号外】単純な鉄則でコンテンツ事業を黒字にするエゲツないセミナー『ビジネスを動かすお金の仕組み』

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いまはサイバーミステリ作家,だが増資で40億円集め,赤字会社を黒字にした実績を持つ

起業準備を進めていた米田は,⁠ビジネスを動かすお金の仕組み B2Bコンテンツビジネスを題材とした実践的解説』というセミナーの告知を見つけた。⁠これは,まさしく自分がやろうとしていることじゃないか」と思ったものの,講師の一田和樹という人物はサイバーミステリ作家だし,セミナーの時間も1時間半とさほど長くない。はたして期待するような話を聞けるのだろうか? だが,経歴にはシンクタンク,コンサルタント,CEOといった言葉がならんでいる。しかも「価格は2万円,6月18日までは早割で5千円」という,ありえない割引をしている。

考えあぐねた米田が,ふと見ると佐久間がスカイプでオンラインになっていた。この業界が長い佐久間なら講師のことを知っているかもしれない。訊ねてみることにした。

⁠佐久間さん,こんにちは。ちょっとうかがいたいことがあるんですけど……たいしたことじゃないんですが」⁠

⁠? いいわよ」⁠

ビジネスを動かすお金の仕組み B2Bコンテンツビジネスを題材とした実践的解説というセミナーに申し込もうかどうか迷ってるんですが,講師の一田和樹さんってご存じですか?」⁠

⁠一田和樹? 小説は読んだことないけど,実業家してた頃に会ったことがある。一部ではすごく有名よ」⁠

⁠なにをしてた人なんですか?」⁠ ⁠プロバイダの役員をやってた時は,増資で40億円集めた。あと,万年赤字だった零細コンテンツ会社を黒字にした」⁠

特技は「年商10億円未満なら必ず黒字にする」こと

⁠コンテンツ会社を黒字化,ですか。それは興味あります」⁠

⁠彼の特技は,年商10億円未満なら必ず黒字にすること。制度会計上も,キャッシュフロー上もプラスにする。やってることは単純なんだけど。目標利益を決めて,手持ちの資源でそれを達成するための計画を立てる。顧客の顔が見える高付加価値コンテンツしか扱わない。いくつか鉄則があって,それを守って利益を出していた。それから赤字会社を黒字にした後は,***に売却した」⁠

⁠***? だれでも知ってるあそこですか? でも,あそこって……」⁠

⁠うん,とりあえずそのまま***の子会社社長になって,***が傾いたとみるや,一部上場会社に自分が社長してた会社を転売してから退任して,小説家になった。あそこの連結子会社の中では最速でグループを離脱した」⁠

⁠それだけ聞くと,やり手というか,金融資本主義っぽく聞こえるんですけど。あまり堅実な人ではないんですか?」⁠

⁠いや,その逆。いつも業界のエッジの危険なところに身を置いて,絶対に失敗しないように手堅くバランスを取ってた。すごく慎重っていう印象がある。個人的なお金儲けには関心ないのが欠点かな。彼の月収を聞いて,ありえないくらい安くて驚いたことがある」

たった3時間で1千万円以上の粗利益を出す

⁠じゃあ,セミナーに参加して損はないですか?」⁠

⁠そうね。彼がしてきた事業の話を聞くだけでもおもしろい。3時間で一般8万円,プレミア12万円のセミナーを何回も開催して,毎回100人~300人集めた。あれは伝説ね。たった1回3時間のセミナーで粗利益1千万円を超えることが何度もあったみたい。ひどく地味なセミナーでも,1人5万円で40人くらい集めてたみたい。一番安いセミナーでも,3時間3万円。手間をかけずに高付加価値のものを売ることに集中してた。

⁠参加したくなってきました」⁠

⁠彼のことだから,えげつない話をすると思う。楽しみにしていいわ」⁠

⁠えげつない話,ですか?」⁠

チャットを終えた米田は,迷わず申込をクリックした。会うだけでも価値のある相手のような気がしてきたのだ。⁠1時間半で5千円」というと高く思うが,人と呑みに行ったらそれくらいかかる。人との出会いと思えば,決して高くはない。

セミナー開催のご案内

本連載のより詳細な話,そしてここでは書けない裏話を,著者の一田先生が自らお話しくださるイベントが6/25(水)に開催されます。くわしくは以下のURLまで。

  • 日時:2014年6月25日19:00~20:30
  • 場所:株式会社技術評論社本社ビル5F(市ヶ谷)
  • URL:http://ichida01.peatix.com/

著者プロフィール

一田和樹(いちだかずき)

11月6日東京生まれ。バンクーバー在住。

シンクタンクにてIT関連市場調査,製品開発を担当,独立後,インターネットプロバイダなどIT企業の役員,社長を歴任。人材育成にも長け,社長を務めた会社の社員の半数が起業した。

2010年島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。サイバーセキュリティミステリを中心に執筆,その他,ファンタジーやマンガ原作などもこなす。筆が速いことと,多彩な芸域が特徴。

@K_Ichida

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