ただのメモでは勿体ない!Evernoteに人生を記憶しよう

第3回Evernoteへの情報インプット

前回はEvernoteを使うための環境構築と基本的なノートの作成方法について紹介しました。今回はさらに一歩踏み込んで、Evernoteに情報をインプットする様々な方法について紹介していきます。

Evernoteへの情報インプットには様々な方法がある

図1を見るとおり、Evernoteへ情報インプット方法は実に多種多様です。

図1 Evernoteへの情報インプット方法を思いつく限り書きだしてみた
図1 Evernoteへの情報インプット方法を思いつく限り書きだしてみた

本稿では、理解しやすいよう大きく以下の4つに分けて説明していきます。

  • デスクトップクライアントからの情報インプット
  • モバイルクライアントからの情報インプット
  • メールからの情報インプット[1]
  • API/Bridge経由の情報インプット[1]

デスクトップクライアントからの情報インプット

デスクトップクライアントからEvernoteに情報をインプットする方法は以下のとおりです。

  1. デスクトップクライアントを使ってのノート作成
  2. WebClipperを使ってのノート作成
  3. スクリーンキャプチャからのノート作成
  4. iSight/inknoteでノート作成

1.デスクトップクライアントでのノート作成

前回のおさらいですが、デスクトップクライアントの新規ノート作成は以下の方法があります。

  • デスクトップクライアントの「新規ノート」ボタンを選択
  • メニューバー/タスクバーのEvernoteアイコンから「新規ノート」を選択
  • ショートカットはMACがShift+Command+N、WindowsだとCtrl+Alt+N
図2 Evernoteのデスクトップクライアント上で新規ノート作成
図2 Evernoteのデスクトップクライアント上で新規ノート作成

新規ノートで作成されたノート画面では、HTMLライクな文字装飾や表組の他、Todo管理などに使えるチェックボックスを配置したり、ドラッグ&ドロップで絵を追加することができます。

図3 デスクトップクライアント上での文字装飾、図表の作例
図3 デスクトップクライアント上での文字装飾、図表の作例

2.WebClipperを使ってのノート作成

こちらも前回の簡単に紹介したとおり、WebClipperを使ってWebページをEvernoteに取り込むことが可能です。Webクリッパーがインストールされていれば、ブラウザ上に象のマークのボタンが表示されるため、それをクリックするだけで簡単にWebページをクリップすることができます。

  • 特に何も指定せずにクリップすると、ページ全体を保存
  • 文章や画像を選択してクリップすると、選択範囲のみ保存
  • Shiftボタンを押しながらクリップすると、PDF形式で保存(Mac版Safari用のみ)
図4 素敵な名言紹介ブログを発見!早速Shift+クリップ!
図4 素敵な名言紹介ブログを発見!早速Shift+クリップ!

クリップされたノートには自動でタイトルとURLが挿入されますので、後はタグを設定し、ノートブックを振り分けて、情報を整理しましょう。

図5 必要な情報は入っているのでタグを設定すれば完了!
図5 必要な情報は入っているのでタグを設定すれば完了!

3.スクリーンショットからのノート作成

EvernoteではPC画面上のスクリーンショットからノートを作成可能です。アプリケーションの画面など、WebClipperでを取り込めないものをEvernoteにインプットしたい場合に便利です。スクリーンショットの撮り方は以下のとおりです。

  • メニューバー/タスクバーのEvernoteアイコンから「スクリーンショットをEvernoteにクリップ」を選択
  • ショートカットはMACがShift+Command+C、WindowsだとPrintScreenキー
図6 スクリーンショットをEvernoteにクリップを選択
図6 スクリーンショットをEvernoteにクリップを選択

範囲指定およびフルスクリーンでのスクリーンショットが撮影できます。

  • 範囲指定した領域を取り込みたい場合はダイアログで「OK」を選択
  • フルスクリーンが取り込みたい場合はダイアログで「フルスクリーン」を選択
図7 範囲指定を行ってスクリーンショットを取得
図7 範囲指定を行ってスクリーンショットを取得

4.iSight/inknoteでノート作成

デスクトップクライアントはMAC版とWindows版がそれぞれ用意されていますが、Mac版であればiSightというWebCamで撮影した写真を取り込む機能が、Windows版であればInknoteという手書きメモを作成する機能があります。

図8はiSightからのノート作成を説明したものですが、流れとしてはツールバーから「iSightノート」を選択、写真を撮影、写真を残したい場合は「Evernoteに追加」ボタンを選択することになります。

図8 iSightでニーモシネ(A4) の写真を取り込んでみる
図8 iSightでニーモシネ(A4) の写真を取り込んでみる

モバイルクライアントからの情報インプット

モバイルクライアント(ここではiPhoneアプリ)からは以下の3つのノートを作成することができます。

  1. テキストからのノート作成
  2. スナップショット・カメラロールからのノート作成
  3. ボイスからのノート作成

1.テキストからのノート作成

Evernoteを起動後、新規ノート画面から「テキスト」を選択することでテキスト画面が表示されます。ノート名や本文、タグ、ノートブックは設定可能ですが、文字装飾をおこなえない点がデスクトップ版の新規ノート画面と異なる点です。

図9 iPhoneクライアントにおけるテキストノート新規作成
図9 iPhoneクライアントにおけるテキストノート新規作成

2.写真ノート

新たに写真を撮影してノートに使用する「スナップショット」と、すでに保存されている写真を使用する「カメラロール」の二種類の方法でノートが作成できます。いずれの方法であっても、写真を選択した時点で自動的にアップロードされてしまいますので、題名、タグ、ノートブックなどは後で再設定する必要があります。

図10 iPhoneクライアントにおける写真ノート新規作成
図10 iPhoneクライアントにおける写真ノート新規作成

3.ボイスノート

新規ノート画面で「ボイス」を選択することで、ボイスノートを作成することができます。ボイスノートが開かれてから3秒後に自動的に録音が開始されますので、終了したタイミングで「保存」「破棄」を選択してください。最大20分までの音声を記録することができます。

図11 iPhoneクライアントにおけるボイスノート新規作成
図11 iPhoneクライアントにおけるボイスノート新規作成

メールからの情報インプット

メールからの情報インプットについて、メールの送信元ごとに以下の3つに分けて紹介していきます。

  1. メールを送信してノートを作成する
  2. アプリとメールで連携してノートを作成する
  3. Webサービスとメールで連携してノートを作成する

1.メールを送信してノートを作成する

Evernoteの投稿用アドレスにメールを送信することで、テキストや画像、映像などを含むノートを作成することができます。

前回はMMSに写真を添付して送信することでノートを作成する方法を紹介しましたので、今回はメールに動画を添付した形でのノート作成を例に挙げてみましょう。やり方そのものは写真の場合と同じで、動画データをPCメール、もしくMMS[2]に添付して送信します。PCメールとMMSの両者には、以下のような違いがあります。

  • PCメールでは、添付された動画ファイルがMOV形式で届けられる(携帯端末によりファイル形式はことなる)
  • MMSでは、添付された動画ファイルをメールサーバが3gpp形式に変換して届けられる
図12 メールに動画を添付してEvernoteに添付する
図12 メールに動画を添付してEvernoteに添付する

Evernoteのデスクトップクライアント上では、PCメール/MMSどちらのメールから送られた動画であっても問題なく再生できます[3]⁠。

図13 メール経由で投稿された動画をPC上で再生する
図13 メール経由で投稿された動画をPC上で再生する

2.アプリとメールで連携してノートを作成する

iPhoneアプリの中には、データをエクスポートしてメールで送信する機能を持っているものがあります。そういったアプリケーションのデータをメール経由でEvernoteに放り込むことで、例えば睡眠時間や収支といったライフログをEvernoteに取り込むことができたり、iPhone上でのRSS閲覧時であっても気になる記事をEvernoteに投稿することができるようになります。

以下、iPhoneアプリの中でEvernote対応を謳っているもの、もしくはメールでのエクスポートができるものを一部紹介します。

表1 Evernote対応もしくはメールでのエクスポートが可能なiPhoneアプリ例
Hayamemoテキストを素早く入力することを目的としたアプリ。Evernoteへメール投稿するための設定を保持できる。
SleepCycle睡眠時間や深さを記録するアプリ。グラフをメール送信することができる。
iXpenseIt収支を記録するアプリ。html形式でレポートを出力しメール送信することが可能。
RSS Flash gRSSリーダ。RSSのメール転送を選択すると、メール全文にそのRSSの本文が挿入される。
BylineRSSリーダ。RSSのメール転送を選択すると、メール全文にそのRSSの本文が挿入される。
MobileRSSRSSリーダ。RSSのメール転送を選択すると、メール全文にそのRSSの本文が挿入される。

代表例として、Hayamemoを利用してみましょう。

Hayamemoはとにかく起動が速く、起動後すぐにメモを取れるアプリです。HayamemoとEvernoteクライアントとの実測値を計測してみました。

表2 HayamemoとEvernoteクライアントの比較
 EvernoteHayamemo
起動時間4秒2秒
書くまでの操作2ステップなし

わずかな差かも知れませんが、実際の体感速度に倒してみるとかなりHayamemoが早く感じます。

図14 hayamemoでEvernoteに投稿してみる
図14 hayamemoでEvernoteに投稿してみる
図15 メール経由で投稿された動画をPC上で再生する
図15 メール経由で投稿された動画をPC上で再生する

3.Webサービスとメールで連携してノートを作成する

Webサービスの中には、様々な情報をメール送信してくれるものがあります。例えば以下のサービスであればRSSフィードをメールで送信してくれるサービスなどがその代表格ですが、こういったサービスのメール送信先にEvernoteの投稿用アドレスを設定しておくことで、自然に情報がEvernoteに集まってくる仕組みを構築することが可能となります(詳しくは今後紹介します⁠⁠。

表3 メールで情報を送信するサービス(主にRSSフィードをメールで送信するもの)
Hatebuteはてなブックマークに登録されたWebページを全文化してEvernoteに転送してくれるサービス。
BlogtrottrRSSフィードをメールで送信してくれるサービス。
FeedBurnerRSSフィードをメールで送信してくれるサービス(元々の用途はRSSのアクセス解析⁠⁠。
FeedMyInboxRSSフィードをメールで送信してくれるサービス。

API/Bridge経由の情報インプット

最近、APIやEvernoteBridgeという機能連携の仕組みを用いた機器やアプリ、Webサービスが続々と登場しています。簡単にではありますが、どのようなものがあるかについて紹介します。

  1. 連携アプリを用いてノートを作成する
  2. 連携Webサービスを用いてノートを作成する
  3. 連携機器を用いてノートを作成する

1.連携アプリを用いてノートを作成する

表4に挙げたようなiPhoneアプリを用いれば、Evernoteのモバイルクライアントにはない機能を付け足したり、欠点を補ったり、一部機能を更に強化することが可能です

表4 Evernoteと連携するiPhoneアプリ
Fastfinga手書きメモアプリ。ボタン一つでEvernoteに手書きメモを投稿。メモは画像ファイルとして扱われる。
FastEverHayamemo同様、素早くメモを取るためのアプリ。タグやノートブックも設定可能。
AwesomeNote高機能メモツール。ややEvernoteとカテゴリが重複する印象。Evernoteとメモの同期が取れる。
EgrelistEvernoteのTodoアイテムを表示・管理するアプリ。タスク管理も全部Evernoteでやりたい人にもってこい。
DocScanner高機能スキャナアプリ。JotnotScannerと比べて細かく設定ができる。Evernoteへの書き出し機能あり。
Jotnot ScannerDocScannerに比べるとやや簡易なスキャナーアプリ。Evernoteに書き出す際に、複数の画像を1冊のノートに書き出せる。

ここではEvernoteと連携するアプリの代表例として、Fastfingaを紹介します。

Fastfingaでは手書きメモを作成した後、⁠書類を書き出す」メニューを呼び出し、Evernoteを選択します。

図16 FastfingaでEvernoteに手書きメモを書き出す
図16 FastfingaでEvernoteに手書きメモを書き出す

図17のようにFastfingaで書き出した手書きメモがEvernoteでは画像データとして保存されます。

図17 FastfingaからEvernoteに書き出されたメモを確認
図17 FastfingaからEvernoteに書き出されたメモを確認

2.連携Webサービスを用いてノートを作成する

Evernoteと連携したタスク管理やスケジュール管理など様々なWebサービスが登場しています。まだまだ連携サービスの絶対数は少ないのですが、Evernote自身が急成長を遂げているところですので、今後の盛り上がりに期待できそうです。

表5 EvernoteとAPI連携するWebアプリケーション
Nozbe[4]Evernoteと連携可能なタスク管理ツール。Nozbe側のプロジェクト名とEvernote側のタグ名を合わせておくと、Nozbe側でEvernoteの該当タグのノートを閲覧することができる。
Twitter専用アカウントをフォローした後、@myenを付けたつぶやきがEvernoteに記録される。
PixelPipe画像を複数サービスに同時アップロードできるサービス。例えばFlickrとEvernoteに同じ絵を、同じタイトル、タグ、説明文を付与した形で同時に保存することができる
TimeBridge会議進行に合わせて議事録を作成していく機能を持っており、最終的にできあがった議事録をEvernoteに転送する。
Twitcal[4]Evernoteの関連データをTwitcal側に自動取り込みする機能をリリース予定。
GoogleReaderGoogleReaderのSend to機能を用いて気に入った記事をEvernoteに送信することができる。

3.連携機器を用いてノートを作成する

早くからEvernote連携を実現していたScanSnapに加えて、CanonのImageFOMULAやEye-fiがEvernoteに対応しました。これらのツールを使うことで、アナログ⇔デジタルの変換に対する心理的コストはかなり押し下げられますし、Evernoteが日本語OCRに正式対応することで、データ化されたアナログ情報の価値が飛躍的に高められるのです。

表6 Evernoteと連携する機器
Scansnap
S1300/S300
富士通製の高機能なページフィードスキャナー。ボタン一つでスキャンを開始しEvernoteに保存するなどの動作が可能。
ImageFOMULA
DR-150
Canon製の高機能なページフィードスキャナー。Scansnap同様ボタン一つでEvernoteに保存などの動作が可能。
Eye-Fi無線LAN内臓SDカード。無線LAN内に入ったら自動でPCやEvernoteを含む様々なWEBサービスに写真を転送する。

今回はEvernoteに情報を取り込むための様々な方法について紹介しました。これまでは機能の説明や使い方の紹介を中心に進めてきましたが、今後はより実践的な内容Evernoteに集めた情報を整理する方法や、Evernoteの運用法、より具体的な活用方法について触れていきたいと思います。次回「Evernoteの情報を整理しよう」をお楽しみに!

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