エンジニアをレベルアップさせる「ファシリテーション入門」

第12回 ファシリテーションが好きだ

2009年4月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

共に学ぶ仲間

ファシリテーションを学んでいくうちに,共に学ぶ人と親交ができました。IT業界の方はもちろん,いろんな業界のビジネスピープル,経営者の方,学校の先生,大学教授,お医者さん,主婦の方たちです。

普段あまり接触のない人と,ファシリテーションの技術で,深く話をしていくと,自分自身の思い込みに気がつきます。そして,色んな考え方に接するうちに,自分と異なる考え方も自然と受け入れる事ができるようになってきました。

今までは表面的な意見の違いに目を取られ,受け入れられなかった事も,なぜそのような意見を持つに至ったかの背景を理解する事により,共感できるようになったのです。

人と人との関係で,共通点があれば,親密になることは容易です。しかし,相違点があっても親密になる事ができなければ,真に多様性を認め合う社会の実現は難しいかもしれません。

ファシリテーションは相違点を乗り越え,人と人との関係を繋ぐ大きな可能性があると私は確信しました。

いろんな人と話し,学ぶ過程で,私はいつしか,⁠人⁠と⁠コミュニケーション⁠が好きになっていました。

ファシリテーションのある世界

ミスターチルドレンの「彩り」という歌の中に次のような歌詞があります。

僕のした単純作業が,この世界を回り回って
まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく

たとえ些細であれ,わたしたちの行動が明日の社会をつくっています。いってみれば,私達みんなが未来に責任をもつリーダーといえるのではないでしょうか?

会社の会議で思った事を話し,お互いを理解し,話し合いを納得できるものにする。今まではモヤモヤしていたものを,スッキリに変える。会議に参加した人は良い気分で自宅に戻り,それが家族や,いろんな人へ良い影響の輪を拡げて行く。ちょっと素敵な事ではないでしょうか。

ファシリテーションとは何か?もしかすると,それは新しい技術ではなく,ずっと昔から,当たり前のようにあったものかもしれません。

競争社会の中でいつしか忘れ,いつの間にかバラバラになりかけた人間関係を再び繋げる,そんなもののような気がしてなりません。

IT技術の目的は,最終的にはよりよい社会の実現だと思います。素晴らしいシステムを開発するためには,人を理解し,共感し合う事が必要不可欠ではないでしょうか?

ファシリテーションは技術だけでなく,⁠心⁠でもエンジニアをレベルアップさせるのです。

私はファシリテーションと出会う事で人生が変わりました。それはファシリテーションを通して人と出会い,人を理解する事ができたからだと思っています。

1年の間,購読頂きありがとうございました。みなさまのエンジニアライフが実り多きものになりますように,お祈り申し上げます。

著者プロフィール

野口和裕(のぐちかずひろ)

13年間の会社員時代,SEとして企業や官庁で各種システムの設計に従事。製造業,建設業,人事システムの構築を数多くこなす。その後,独立しフリーランサーのSEになる。現在有限会社NTX)を設立し,SEの傍らヒューマンスキルの研修を行う。

著書は『SEのための「どこでもやれる力」のつけ方』(技術評論社刊)。3度の飯はお好み焼きでOKという広島人。

ブログhttp://blog.livedoor.jp/facilitator/

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