玩式草子─ソフトウェアとたわむれる日々

第27回 Plamo Linuxで音楽三昧[その1]

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10月も下旬に入ると朝晩はめっきり冷えこむようになってきました。夜の時間もずいぶん長くなって,ソフトウェアと戯れるには絶好の季節です。

秋の夜長に一人PCに向かっていると何かBGMが欲しくなります。夏場だとYouTubeにアップロードされている元気なゲーム音楽とかをBGMにすることが多いのですが,晩秋の時期にはもうすこししっとりとした音楽の方が似合いそうです。そこで久しぶりに手元の音楽CDを取り出してみました。

最近のLinuxと音楽CD

CD-Rが普及し始めたころによく出たFAQに音楽CDがマウントできませんというものがありました。

FAQとは"Frequently Asked Question(しばしば問われた質問)",あるいは"Frequently Answerd Question(しばしば答えられた質問)"の略で,いわゆる「よくある質問とその答」の意味です。

当時は「音楽CDはCD-ROMやCD-Rとはフォーマットが違うのでマウントできません。そのままCDプレイヤーソフトウェアやCD再生に対応したメディアプレイヤーを使って再生してください」というのが正しい答とされていました。

もちろん現在でもこの答は正しくて,音楽CDのデータの格納形式(CD-DA:CD Digital Audio)はCD-ROMやCD-Rが採用しているISO9660形式とは異なるため,音楽CDをCD-ROMのようにカーネルレベルで直接マウントして利用することはできません.

一方,最近ではGNOMEやKDEに代表される統合デスクトップ環境が普及してきました。これらの環境ではユーザの利便性を高めるためのさまざまな工夫が凝らされており,音楽CDもCD-ROM同様,ドライブに入れれば自動的に認識して,その中身を見ることができるようになっています。

たとえばKDE-4.7.1の環境では,音楽CDはdolphinファイルマネージャから「CD-ROM」として選択可能で,選択すると各トラックのタイトルまで表示してくれました。

図1 dolphinで表示した音楽CDの例

図1 dolphinで表示した音楽CDの例

面白いことには,本来は音楽CD上には存在していないCDAやFLAC,MP3といったサブディレクトリが表示され,それらのサブディレクトリを開くと,FLACサブディレクトリならば可逆圧縮形式であるFLAC(Free Lossless Audio Codec)形式に変換されたファイルが,MP3サブディレクトリならば不可逆圧縮形式であるMP3形式に変換されたファイルがそれぞれ表示されます。

図2 MP3形式だとサイズもずいぶん小さくなるらしい

図2 MP3形式だとサイズもずいぶん小さくなるらしい

dolphinを使ってこれらのファイルを別のディレクトリにコピーする,すなわち仮想的なMP3サブディレクトリにあるファイルをホームディレクトリ等にコピーしてみると,音楽CDに記録されているCDA形式から自動的にMP3形式に変換した上でコピーしてくれます。

これらの機能は「統合デスクトップ環境」のレベルで実現されており,KDEの場合はKIO(KDE I/O)という機能が,ネットワーク上やローカルのHDD上,この例のような音楽CD上など,さまざまな場所にあるデータに統一的な手法でアクセスできるようにしています。

昔にくらべて便利になったものだなぁ…,と思って,dolphinに表示されているwavファイルをいくつか選択し,まとめてsmplayer等のメディアプレイヤーに送ってみたところ,メディアプレイヤーはなかなか起動してくれません。

あれれ…,と思ってよく見ると,dolphinは音楽CD上のデータをHDDにコピーして,メディアプレイヤーはコピーされたHDD上のファイルを使って再生するようになっているようです。

この動作はKIOの仕組み上仕方ないところという気もしますが,音楽CDを再生するのにいちいち中身をコピーしていては面倒なので,KDEに付属のkscdというソフトウェアCDプレイヤーを起動してみました。

ところがkscdからでは,dolphinでは表示されていたアルバム名やトラック名の情報が表示されません。

図3 kscdのアルバム表示の例

図3 kscdのアルバム表示の例

あれれ…,と思って,手元の音楽CDをあれこれ試してみると,dolphinではたいていのCDでタイトル名が表示されるのに,kscdでは大半のCDが「タイトル不明」になります。しかし,必ずしも全てがダメというわけではなく,kscdでもタイトルが表示されるCDもいくつかあります。

こうなると悪い癖で,当初の「音楽CDを作業用のBGMにする」という目的から脱線して,音楽CDの処理回りをあれこれ調べ始めることになりました(苦笑)⁠

著者プロフィール

こじまみつひろ

Plamo Linuxとりまとめ役。もともとは人類学的にハッカー文化を研究しようとしていたものの,いつの間にかミイラ取りがミイラになってOSSの世界にどっぷりと漬かってしまいました。最近は田舎に隠棲して半農半自営な生活をしながらソフトウェアと戯れています。

URLhttp://www.linet.gr.jp/~kojima/Plamo/index.html

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