モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第13回 「ホワイトボード」を使って議論を上手に進めたいと思っている人へ

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4.5 分

GFの視点を活かすなら「3次元・4次元」の世界へ

Q6:「ホワイトボード」を使った議論で,欠けている視点って何だと思いますか?

A6-1:二次元の「ホワイトボード」
三次元にして眺めてみては?

(絵筆を持たずGFをしないで)⁠ホワイトボード」を使った議論に参加すると,ときたま奇妙な感覚に落ちることがあります。

毎回ではないですが,⁠ホワイトボード」「どこか平面的で動かず固い感じ」が気持ち悪い。今話している内容としっくりこないときがある。

例えば,課題が〈箇条書き〉されているものとか,マーケット分析した〈三角形〉の図だったり,カスタマーの行動パターンが書かれた〈矢印〉を見ているときです。

課題が〈箇条書き〉されているのを見て,⁠本当にみんな同じ文字の大きさなのかなあ?」と思ってしまったり,〈三角形〉を見て,⁠ユーザーって書いてあるけど人の気配がしないなあ」と違和感を覚えたり。カスタマーの行動を簡単に表現した〈矢印〉を見ても,⁠どれも同じ長さなのかなあ」とか「同じ太さなのかなあ」という疑問が湧いてくる。

GFをするようになってから特に感じることです。GFで描く私の絵には,実社会という空間を人が歩き回って,しかもぺちゃくちゃおしゃべりする絵が多いからかもしれません。

〈箇条書き〉された課題がそれぞれ,助けを求める"声の大きさ"や"必死さ"が本当は違う感じがするんです。でも,同じ文字の大きさで並列に並んでいるだけでは,課題の本当の大きさや重要性,温度差が伝わってこない。

二次元の〈三角形〉にも「もっと奥行きのある,イキイキした三次元の世界が広がってそう」と思ってしまう。そして「携帯サイトは暇つぶしに見てるよ」と言う20代の男性や,⁠結構パソコンで買い物するわ」なんていう年配の女性などを,私としては描きたくなるわけです。でも平面の〈三角形〉のままだと,⁠一般ユーザー」たちの顔は想像しにくく,会話も聞こえてこない。

A6-2:「ホワイトボード」に奥行きを。
空間に広がる話し声を,想像してみる。

まっすぐに一列に並ぶ〈矢印〉を見ても,⁠もっと四方八方に分散していそう」とか「もっとぐにゃぐにゃ波打った矢印かもしれない」と思ってしまう。

最近「5年後の社会」⁠10年後の地球」といった近い将来の絵を描くことが多いせいかもしれません。例えば「ボーダレス」⁠変化の時代」といった言葉からイメージする絵は,"海が渦巻いているような絵"や"激しく波打っている絵"なんです。その波を乗り越えるには,一方向だけを指す硬い〈矢印〉が「どうも時代にあってない」感じがする。

アメーバー状のものや,いろんな結合・分裂を繰返している生命体のようなものや,とにかく自在に伸び縮みしながら飛び跳ねているようなものでないと,乗り越えられない気すらするんです。もっと"動的で"「時間軸」も加わった四次元空間です。

「ホワイトボード」上の議論に,GFの視点を活かすとしたら,⁠三次元」⁠四次元」を意識してみたら面白いのではと思います。

「三次元」⁠四次元」に広がる空間を想像してみると,実社会のシーンや生身の人間の声や気持ちをイメージしやすくなると思います。そして,大小,長短,方角,弾力,変化,温度差,時間軸といった,新たな軸が加わってくるので,まったく違う切り口や視点に気付かされるとも思います。

そうすると「ホワイトボード」に表情が出てきて,ぐっとアウトプットにメリハリがつくんじゃないかなと思いますが,どうでしょう?


さて,次回も引続き,⁠議論をどうやって整理しているんですか」に,GFの視点から日頃の会議や議論の場で使えるヒントを探ってみます。

ということで,今日のところはここまで。次回も楽しみにしていてください。グラフィックファシリテーターのゆにでした(^-^)

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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