モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第23回 聴き手座談会(1)会議室に「聞き手市場」が不足している!?~座談会のキッカケと参加者の紹介~

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こんにちは。グラフィックファシリテーターのやまざきゆにこです。

[聴ける力]に注目

グラフィックファシリテーターという仕事は,「描くよりも,ほとんどが[聴いている]仕事なんですよ」という話を,先日,ある編集者の女性にしたら,「ゆにさん! 今まさに[聞き手市場]が足りないんですよ!」と言われました。確かに世の中は「話し手市場」。

でも,グラフィックを描いていると,優秀なリーダーはよくメンバーの話を聴いているなあと感じます(一見すると,みなさん[話し手市場]の売れっ子に見える方たちですが)。

また,今の[話し手市場]の会議では目立たないけれど,聴いているなあと感じるのが,たとえば,会議で多くを語らない,でも「光る発言」をする人たちです。意外と多く居そうです。彼らの議論を[聴ける力]は,まさに[聞き手市場]で売れるスキルだと感じます。

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「あの人,聴いているなあ」と,常々筆を動かしながら感じていて,個人的にも「聴いている」「あの人」にとっても興味がありました。一方で,「あれ?前にも描いたぞ,この絵…」「また同じこと言っている」「でも,みんな気づいていない?!」と感じることが,特定の企業やプロジェクトに限らず,何度もあって,どうしてかなあと思っていました。

そんな体験を,ある通訳者の女性と「そうそう!」「そうなんですよ」と深く共感し合えたことがキッカケで,[聴くを仕事にする人]には共通に聴こえている世界があるかもしれないと考えました。そこで,企画したのが,[聴く]をテーマに,今回の[聴く]を仕事にする女性達との三者座談会です。

通訳×メディエーター×グラフィックファシリテーター 三者座談会

[聴くを仕事にする]といってもいろいろありますが,今回は,私となんだか同じ匂いがした以下の方々です。共通点を挙げるなら,3人とも,会議や話し合いに立ち合って「黙―って,忍耐強ーく,辛抱強ーく」聴いている人たちです。そしてどこか,研修や書店で見かける「聴く」「傾聴」とは違った[聴く]の世界に立ちあっているのでは?と私が感じた人たちです。

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●通訳者 奥山ちとせさん
ある大手企業のプロジェクトに長期間はりつき,海外の研究チームと日本の研究チームをつなぐ通訳者として「耳となり目となり」活躍されていたときに,職業は違うのに,わたしとかなり同じ匂いがして,[聴く]の世界を共感しあった仲です。今回私にこの座談会を発案させてくれた女性でもあります。「奥山さんの通訳は違う」と評判を聞いて,改めて今回の座談会への参加を依頼しました。
●メディエーター 田中圭子さん
「市民による市民のための,もめごと解決・支援」に取り組むNPO法人 日本メディエーションセンター 代表理事。「メディエーター」という職業をご存知ですか?「メディエーター」が扱うのは紛争やもめごと。ご近所トラブルや家庭内,学校・職場での問題において,主に「法律のみでは解決が難しい問題」を扱っています。対話で,当事者同士でもめごとを解決することを基本理念とされています。詳細はWebサイトを参照のこと。紛争やもめごとを扱うその覚悟には,「本当に[聴ける]人がいる」と感じて,ラブコールを送り,今回の場が実現しました。
●グラフィックファシリテーター やまざきゆにこ
本連載執筆者。連載ページ下のプロフィールを参照してください。
〇読者代表&記録係り ワタナベアキコさん
今回,議事録係りとして参加してもらった彼女は,自身も「エスノグラフィー」という手法を使って実際に顧客の現場にはりついて,業務を分析し,課題を洗い出すという仕事をしています。[観る]・[聴く]の実践者ですが,この席では「読者代表」としても参加してもらいました。座談会から,普段彼女が出席している会議で使えるヒントを探してもらいました。
〇オブザーバー 本連載担当 タカハシさん
わたしのこの連載の担当編集者さん。彼も[目で聴く]プロと言えます。この日は,わたしたち3人の十八番(?),「黙―って,忍耐強ーく,辛抱強ーく」聴く人として同席していただきました。彼の気づきも秀逸でした!

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優秀なリーダーはよく[聴いている]

座談会開催にあたり,あの人が会議で発言すると何かが違うけど,何がどうすごいのかわからない」「どうすればそうなれるのか知りたい」という声がありました。そのすごさの1つが[聴ける力量]の差ではないかと思っています。

[聴ける力]を磨けばリーダーになれる!とは言い切れませんが(リーダーになるには他にもいろんなものが必要でしょう),優秀といわれるリーダーやプロジェクトマネージャーの多くは,この[聴ける力]がみなさん高いように感じます。「話す」スキルが注目されがちですが,議論を[聴いて]描いている私は,この「発言」する前の[聴ける力]の持つリーダーシップに注目してみたいと思います。

今の[話し手市場]の会議では目立たないけれど,[聴ける力量]のある「聞き手市場」人材が,これからの会議室の新たなキーマンになるのでは,とまで思っている私の思い入れ(思い込み)特別企画。全5回。座談会を通して, [聴ける力量]とは何か。[聴ける人]はどんなリーダーシップを発揮できるのか。今はまだ頭角を現していない「聞き手市場」人材が,会議や打ち合わせで[聴ける力量]を発揮していく世界を探ってみます。

次回からの本編をお楽しみに!

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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