モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第42回 [未来からの問い]を忘れずに!ネガティブ議論で当事者意識に火をつける安全設計(1)

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7)[問い]「参加者の顔を思い浮かべて」つくる

会議の準備をする人たちを見ていると,⁠タイムテーブル」を埋めて行くことについ注力しがちです。⁠こんなワークをしよう」とか「講義を入れよう」とか「そうすると時間が足りない」とか「方法論」が先行しています。そしてそのうち「このワークって何のためにやるんだっけ?」という声が聞こえてきたり。そうした打ち合せに,時間を取られてるのをよく見かけます。

そんなときこそまず先に[問い]を立ててみてほしいです。⁠未来]をいつ置くか,どんな[問い]かけなら「ワクワクするか⁠⁠。それはその会社や組織,参加者によって違います。だからこそ「参加者の顔を思い浮かべて」つくってみてください。

そして例えば次のように,もともとの会議のタイトルのそばに[未来からの問い]を加えてみてください。⁠問い]のないときと比べて,会話の質がガラリと変わりそうな気がしてきませんか?

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準備段階では,仮の問いでも構いません。それでも[未来からの問い]があると,おのずとより良い「方法」が見えてきます。確信を持ってプログラムを組むことができます。結果的に速く,当日を迎えられます。

[未来からの問い]の一文をどうするか。⁠参加者の顔を思い浮かべ」ながら,直前まで考える続けることで,これまでとはまったく違った会議やミーティングを設計することができるはずです。

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8)あとは当日[問い]続けるだけ

[問い]が決まれば,後は当日「何度となく」⁠未来からの問い]を投げかけることです。会議の最初に掲げるだけでなく,会議の最中,プログラムの随所で「未来に目線を向ける」キッカケをつくります。

主催者の方でよく見かけるのは,会議冒頭では今回の会議の趣旨説明と合わせてすごく力を入れて[問い]かけるのですが,⁠問い]かけをその一回で終らせてしまうことです。しかし参加者のほとんどは初めて聞くことです。それでなくても受け身の状態でやってきている人も多いでしょう。一度聞いただけで,それを最後まで覚えてる人はほとんどいません。

主催する側と参加者との間には温度差があることを忘れずに。主催者側の思いを込めた[問い]は,当日こそ「何度となく」伝える,がポイントです。⁠問い]続けて,参加者の中に起きる気付きと軌道修正の積み重ねが,⁠俯瞰する感覚」を参加者に身につけさせていくことになり,結果として会議の成果に大きな差をつくっていきます。

9)参考までに実例紹介:問い[続ける]工夫

具体的には次のような方法で,主催者の皆さんは,あの手この手で参加者に向けてリマインドしています。参考までに列挙しておきます。

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[問い]は大きく太いフォントで,常に参加者の目に留まるようにする。

  • A4サイズやA3サイズに出力して,みんなの目線の先の会議室の壁(四方)に貼っておく
  • 会議室の入り口にも貼り出しておく。出入りするたびに目に留まるよう
  • スライドに常に投影
  • スライドに10秒おきに表示されるといった動きを加える
  • 配布資料やスライド資料の1枚目には必ず書く
  • 配布資料やスライド資料の全ページのフッターまたはヘッダーに入れておく
  • 会議の招集メールや案内のしおりの一番上にも必ず書いておく
  • あえてホワイトボードに手描きで直接書いてみせる。消さずに一日おいておく

そして,議論が迷走したときに,それらの[問い]を指差して,参加者の目線を上げさせる。会議の合間合間にも,主催者がしつこく問いかける。

「それワクワクする?」⁠それで3年後どうなっていたい?」

どれも地味な仕掛けのように見えるかもしれませんが,一方で,普段何気なく(⁠⁠問い]のないまま)一人一人が手元の資料に目を落としている,その下向きな目線が,さらに未来を見失わせています。物理的にもまずは顔を上げさせることから始めることがじつはとても効果的なのです。

以上が事前の安全設計「1.参加者の目線は常に未来に向けさせること」の具体的な準備方法でした。

次回は事前の安全設計「2.参加者の抱えているネガティブな気持ちを吐き出し切らせてあげること」について,具体的に何をどう準備すればいいかをご紹介します。実例をふまえつつ,最低限「これさえおさえておけば大丈夫」というポイントに絞って取り上げる予定です。どうぞお楽しみに。ということで今回はここまで。グラフィックファシリテーターのやまざきゆにこでした(^^)/

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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