モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第43回 ネガティブを[吐き出し切って]チームを一気に未来志向へ(安全設計2)

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3)①吐き出せない,②止まらない,2つの参加者心理

なぜ時間がかかるのか。それは①②の背景にある,それぞれの「参加者心理」まで知るとよくわかります。参加者の「気持ち」まで思いを馳せられるようになると,かなり「楽に待てる」ようになりますし,⁠先手を打つ」こともできるようになります。

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まず,ネガティブな気持ちを[①吐き出せない]心理の背景とは, 過去の絵を整理してみると, 次のいずれかからくるものと思われます。

  • (a)警戒して言えない
  • (b)会議では言うべきではないと思っている
  • (c)自分にネガティブな気持ちは無いと思っている

(a)⁠b)は,その会社の長年染み付いた企業文化によるものもあれば,参加者の顔ぶれ次第で「言える」人も簡単に「あの人がいると言えない」⁠言うべきではない」とナベブタを閉じます。

(c)は,一見ポジティブに見えるだけに,じつは一番やっかいなタイプです。例えば,⁠私はいいんです。でも,みんなを見てると…」とか「私がもっとやれたらいいんですけどね…」と,一見前向きなことを言ってきます。けれど,じつは自分のことは棚に上げて,周りを評価目線で見ている,物事をどこか他人事で捉えているのが本性です。また,⁠特に不満はありません」⁠とにかくまずは黙ってやるだけでしょう」と実行に前向きな発言。けれど,じつは感情スイッチを切っていて,本質的な課題や話題は,無意識のうちにシャットアウトしている。本来の未来行動に挑戦していない。不感症な状態です。いずれも,じぶんの「本当の気持ち」に重いフタをしていることに自覚がないので,周りも見逃しやすいのですが,抱えているものを吐き出させてあげたいヒトたちです。

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吐き出したら②「止まらなくなる」のほとんどは, これまで聞き流されていたもの,溜め込んでいたものを吐き出せるうれしさから「止まらなく」なっています。そして前々回から述べていますが,多くのヒトが「未来」へ目線を向けるより,⁠過去」「今,目の前」の課題に居続けるのが大好きなので,なかなかそこから動こうとません。

4)モヤモヤ吐き出しシミュレーション,で安全設計

①吐き出せない,②止まらない,2つの参加者心理をある程度知ったところで改めて下の図を見てみるとどうでしょう?

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これまで「漠然と」時間が読めない中で,会議を組み立てていたときに比べると,この図に沿って参加者の「気持ち」を汲んでいけば,何かいい作戦が立てられそうな感じ,してきませんか。

これはもはや「心理戦」です。⁠会議に『気持ち』なんて…」と思われるかもしれませんが,⁠吐き出せない・止まらない」参加者 VS ⁠待てない」主催者 の「気持ち」「気持ち」の戦いです。

実際,打ち合せでも,この「モヤモヤ吐き出し曲線」に沿って,参加者の「気持ち」を汲み取りながら,会議の流れをシミュレーションしています。

参加者の顔を思い浮かべて,改めてこの図を見てみると「どこで時間がかかるのか」が見通しがついてきます。⁠あのメンバーだとここで時間がかかりそう」とイメージがついてくる。当日も「今どの辺りまで進んでいるのか」進捗状況がつかめるようになってくる。主催者のみなさんも「待てる」感覚がつかめてきてきます。

この2つのやっかいな「参加者心理」に焦点を当てて,参加者の「気持ち」を気づかうこと,⁠気持ち」を汲みながら準備することこそ,安全設計なのです。

5)①いかに速く吐き出させ,②いかに速く止めるか。

つまり「吐き出せない・止まらない」参加者の「気持ち」に焦点を当てさえすれば,待つだけでなく,先手を打って時間を短縮すること(=①速く吐き出させて,②速く止めること)も可能ということです。では,どうやって①いかに速く吐き出させ,②いかに速く止めるか。その方法は,基本的には自由です。⁠気持ち」を汲み取れる方法であれば,みなさんあの手この手で作戦を練っています。

ただ,過去いくつもの会議を描いてきた中で,絵筆を通して「これだけは外せない」と実感している共通項も見えてきました。それは具体的には7つのポイントにさえ注意するだけなのですが,今回はここまで。それらはまた次回に紹介します。これぞ「安全設計」としてすぐに使える方法なのでお楽しみに。ということでグラフィックファシリテーターやまざきゆにこでした(^^)/。

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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