インテリアの名作

ルートヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエ:バルセロナ・チェア/1929

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メーカー:KNOLL
参考価格:588,000円

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絵:大崎吉之

スペイン国王のためにデザインされたシンプルゆえに優雅な椅子

ル・コルビュジエと並ぶ20世紀建築界の巨匠,ミース・ファン・デル・ローエの代表作。1929年のバルセロナ万博でスペイン国王を迎えるためにデザインされた椅子である。しかし王様のための椅子にしては,あまりにシンプルすぎないだろうか。通常なら技巧を凝らした装飾や特別な素材が使われそうなものだ。

しかしこのシンプルさこそがミースの真骨頂。建築家としても有名な彼は「レス・イズ・モア(Less is more.)」という言葉を残した。バルセロナ・チェアも構成要素はいたってシンプルだが,フレームの曲線などの微妙なところでどんな椅子にも負けない優雅さや風格を表現している。つまり最小限の要素によって最大限の効果を意図しているわけだ。

※ 脚部の繋ぎ
2本のフレームを溶接しているのに繋ぎ目が見えない。シンプルに見せるために使われている技術は非常に高度で,手が込んでいる。
※ 全体
ミースは「神は細部に宿る」の名言でも有名。バルセロナチェアも,ディテールが完璧でなければこの完成度は生まれない。

著者プロフィール

土田貴宏(つちだたかひろ)

1970年北海道生まれ。東京在住。プロダクトやインテリアなどのデザインについて,雑誌中心に寄稿しているフリーランスライター。共著に「北欧インテリア・デザイン/太陽レクチャー・ブック」などがある。

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