着物でおでかけ春夏秋冬

第4回 八月のおでかけ「お祭りには自分の団扇を」...

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このごろは花火大会や夏祭りの会場などでよく広告用の団扇を配っている。昔から団扇ってお店の広告用に使われていたから,これは伝統的な習慣と思われるけど,その団扇がねー。あんまり素敵じゃない。団扇の形はしているけれど,柄と骨が一体成形のプラスチックだったりする。もっと大胆なのは,ただ丸く抜いたボール紙とかね。指を入れるために穴があいてるの。風情というものがない。絵柄はといえば,新築マンションの宣伝だったりして,高層ビルの完成予定図がデカデカと印刷されてるものなんか多いですね。

でもねー,せっかく浴衣を着てお祭りに出掛けるんですから団扇にだって少しは気を使いたい。せっかく涼しげな秋草模様の浴衣着てるのに,不動産の広告写真がくっ付いた団扇でなんか扇ぎたくないもん。

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ここはひとつ奮発(といっても千円ちょっと)して,竹の細工も美しい房州団扇なんぞを持って出たい。美しい木版画が張られた団扇だと,送られてくる風もひと味違う。浜千鳥に波, スイスイ泳ぐメダカ,朝顔,立涌模様,柄も好みで選んで,心地いい風を堪能しよう。

でも,浴衣の帯の後ろに団扇をさしたりしないでね。

著者プロフィール

平野恵理子(ひらのえりこ)

1961年静岡県生まれ。イラストレーター、エッセイスト。暮らしや着物,旅や山歩きについてのイラストとエッセイの作品が多数。新刊『ハピネス気分で山歩き』(山と渓谷社)『おいしいおみやげずかん』(KKベストセラーズ)『わたしの和道具帳』(清流出版),近刊に『いとしい和の暮らし―手作りで楽しむ日本の毎日』(ソニーマガジンズ社)など。

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