元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第4回誰も教えてくれない履歴書の真実?!

面接突破!裏講座

一体、今までオイラは何人の面接をしてきたんだろう?

役職柄、面接官をすることも多かった。正直、こんなオイラに面接をされるのは可哀相だなあ、と心から思った。

「今更ですが、申し訳なかったです」

でも、不思議な気分だった。5~6年前に面接を受ける側だったオイラが逆の立場になって、人の人生を決めるなんて。

その重大性に気づいたのはオリコンを辞めてからずいぶん経ってから。つきあっていた彼女が真剣に就職活動をしている際に思った。

面接の数日前からシュミレーションをしている彼女の姿を見て深く落ち込んだ。オイラ、徹夜明けで頭がボ~~ッとなっている状態で歯もみがかずに面接官をやっていた。

「2度目ですが、申し訳なかったです」

ということで、オイラなりの面接を上手く乗り切るコツ、まずは履歴書の書き方から話をしたい。参考になるかどうかは?(疑問)ですが。

今はどうかわからないけれど、オリコンは欠員が出ると社員募集をかけるというシステムだった。もちろん、新しい事業をスタートさせるときには人員を募集する。

就職情報雑誌などを使って募集をかけると1,000通近い数の履歴書が送られてくる。特に編集部は人気だった。

最初は人事部の人間が履歴書に目を通し1,000を100くらいにする。それオイラが目を通して30人くらいを選んだ(偉そうだなあ……⁠⁠。

何を基準に選んでいたんだろう? 今となっては覚えていないが、正直、なんとなくだったような気がする。でも、少なくとも学歴とか、経験で選んでいたわけではないことだけは確かだ。

好感度アップな履歴書の書き方

履歴書の書き方も人それぞれ。びっちりと書いてくる人もいれば、すかすかの人もいた。結論から言えば、どちらもNGである。

申し訳ないが、びっちりと書かれても読む気がしない。すかすかだと、本気で働きたいのか疑ってしまう。何事も⁠ほどほど⁠というのが大切だということだ。

びっちり系人間は履歴書だけでなく、熱い思いを別紙にて書いてくる。良いことだ。悪いことじゃない。その思いは伝わる。でも……。

これは逆効果。まず読まない。いや、担当者によってはちゃんと読む人もいるかもしれないが、基本は読まれないと考えたほうがいい。それどころか、うざいと思われる可能性もある。面倒臭いな、と。

いやはや、ひどい話だ。一生懸命、書いた自己アピール文を読まないなんて。でも、そういう面接担当が多いのも確か。

ちと話が逸れるが、これは、アーティスト資料にも言えること。CDをリリースする際にレコード会社は必ず紙資料というものを作る。まあ、プロフィール的なものだ。

それが10枚もあったら、まー、99パーセント読まれないだろう。そんなもんは1枚でいい。1枚で完結するものだ。

ぎっしりとワープロで書かれた10枚にも及ぶ紙資料よりも、アーティストが下手くそな直筆で「新しいCDがようやく出ます。死ぬ気で作りました。マジでよろしく頼みます。生活がかかってるんで」なんていうほうが効力はでかい。

いや、これホント。

企画書だって難しい言葉を羅列したものよりも手書きで書いたほうがわかりやすい。そう、わかりやすいというのがイチバン!

ぶっちゃけ、音楽業界で働く人間なんて怠け者のバカちんがほとんどなのだ。

狂った世界で生きている人間たち。まともな脳ミソで立ち向かっても意味はない。

いや、マブで業界の人間なんてマトモじゃない。ノリで仕事をする人ばかり。でも、そのノリというのが難しい。

つかんでしまえばラクだけれども、それを理解するまでにはある程度の時間がかかる。オイラは業界のノリが苦手で、最後まで上手く乗ることができなかった。

だから、会社を辞めたのかもしれない。

顔写真は軽い笑顔と清潔感

話を戻す。履歴書について。

まず、送られてきた履歴書のどこから見るか? 当然、それは顔写真からである。人間というのは、どんな人間なのか顔に出る。顔を見れば大概わかる。

だから、顔写真はとっても重要。モノクロ(白黒)でも構わないが、できればカラーのほうが良い。このご時世である。

モノクロの写真というのは、どうしても遺影に思えてしまう。カラーで送るのは失礼にあたるのでは? なんて思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。

きっと、数年後には履歴書なんていうシステムは昔話となり、動画でメール送信をして履歴映像にてのチェックとなるだろう。

だって、どんな顔をして、どんな話し方をするのかってとっても大事だから。

履歴書の写真は100%と言っていいくらい真面目な顔をしているものばかりである。うん、それはしかたのないことだろう。

でも、作り笑いでもいいから少しの笑顔というのも好印象。もちろん、バカ笑いはさすがに難しいかもしれないが。

はにかんだ笑顔くらいがベスト。でも、これって難しい。実際、自分で鏡に向かって笑顔を作るテストをしてみたが、う~~~ん。これ、ハードル高いなあ。

ちと軽く口角を上げ、目を少し大きくする感じ? アハハ、気持ち悪っ。自分で自分の顔を見て笑ってしまった。

まあ、でも、眉間にしわよせてにらみつけている感じよかマシだろう。

服装は全身ではないので、職種によっては(特にマスコミ、音楽業界)スーツにネクタイでなくてもオッケー。少々、カジュアルでシャレてるくらいのほうがウケは良いかもしれない。

オイラが見た履歴書の写真は結構、襟のついたシャツだけというパターンも多かった。しかも、白ではなく色のついた。

要は清潔感があればいいということだ。スーツにネクタイで髪の毛を7・3に分けることなんてない。

でも、プリクラだけはヤメたほうがいい(笑⁠⁠。さすがのオイラもドン引きした。プリクラかよ!って(笑⁠⁠。履歴書でピースって……。

斬新で新しいとは思ったけど、最低限のマナーというのがある。オイラは嫌いではないけどね。

字は個性&アピールのチャンス

そして、オイラが重視したのが文字。

どんな文字を書くのかって、実はとっても大事。だから、履歴書という古臭い慣習が残っているのかもしれない。

これは個人的な考えだけれども、字にはその人の個性がふんだんに詰め込まれていると思っている。ファッションやメイクと一緒。結局、どういう風に見られたいか、思われたいかというのが文字には出ると思う。

上手い下手じゃない。

履歴書を見て、俗に言う⁠ミミズのはいつくばった字⁠を書く人とは一緒に仕事をしたいとは思えない。

下手でもいい、規格外でもいい。欄からはみ出すくらい大きく太い字を書いてきた履歴書にオイラはひかれる。

誤字、脱字、結構!(まあ、修正した跡があったりすると細かい配慮ができる人なんだなと思うけど⁠⁠。とにかく、生命力に溢れた文字が最高だ。会ってみたい、と思える。

世の中には⁠愛される字⁠というのがある。

自分の人生を決定づける履歴書でそんな勇気はないッス!と思うかもしれないが、それではダメだ。とにかくインパクト。

どうせダメなんだから、パスしてラッキーくらいに考えたほうがいい。

履歴書で大切なのは2つだけ!

で、最後に。履歴書の項目には趣味・特技なんていう箇所があるが……こんなもん書かなくていい!(笑⁠⁠。

きっと、この項目ってスゲー悩むと思う。でも、そんなね? ま、面接における雑談のネタ的なところなんだろうけど。

だけど、趣味・特技に「けんだま」って書かれたところで、それを面接する側もどう広げたらいいかわからない。けんだまトーク、ムリだもの。

読書、映画鑑賞、カメラ、音楽、散歩、マラソン、テニス……こんな普通の回答しかオイラは覚えていない。

趣味・特技であまりにも個人的でマニアックなことをぶっちゃけられても困るけどね。⁠あ、そうですか。それは高尚なご趣味で」としか言いようがない。

でも、空欄が恐いのなら無難に映画・音楽・読書で良いのかもしれない。履歴書を見る側はそんなに気にしていないから。

あと、弊社希望の理由なんていうのも微妙。仕事が欲しい、お金が必要以外に無いもんね? なんか履歴書って漠然としてるよなあ。

かといって書かないのもアウトなんで、無難に「貴社(御社)の業務に興味が……」みたいなことを書いておけばいい。

そう、だから、オイラが言いたいのは履歴書で大事なことは顔写真と字。この2つ。内容なんてDOでもいい。

結局は面接で会って、話せばわかることなんだもの。ちょっとの笑顔と生命力あふれる字。これがあれば履歴書は大丈夫!

ということで、次回は履歴書が通った後、面接について話したいと思いやす。

叫訓4

シンプル・イズ・ザ・ベスト!

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