元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第7回 ああ面接! されど面接

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面接は運も左右する

ずっと引っ張ってきたテーマ⁠面接⁠について今回は書こうと思う。

『叫訓』の第4回で,理想的な履歴書の書き方について話した。それに続き,第5回では面接について書く予定だったのだが……ごめんなさい,ずいぶんと空いてしまった。いろいろと思うことがあったもんで。

さて,面接。これはあくまでもマスコミ業界の面接というものに限らせてもらいます。オイラ,それ以外の経験がないので。

自分も面接を受けたし,面接官にもなった。まあ,ハッキリ言ってマスコミ業界の面接などノリと勢いと面接官との相性でしかない。

履歴書を見ながら話をしたりするのだけれど,正直,オイラは学歴などまったく興味がなかった。それよりも,話し方や仕草で選んでいたような気がする。

あとは顔かなあ? いや,ルックスって意外にも大事だったりする。だって,これから一緒に仕事をすることになる人だからね。別に男前だとか美人だとか,そういうことじゃない。ただ,やはり顔っていうのは大事だ。ハートは顔に必ず出る。

そんなこと言われたらやってられないじゃないか! と反論されたら,その通り。だから,面接官との相性が大事だと言ったのだ。

まー,こればっかりはね。両親に文句を言うしかないもんなあ。

面接官だって人間。好きな顔と嫌いな顔がある。運任せになってしまうが,相性が合わなかったら,それは運が悪かったとあきらめるしかない。

それも人生。もちろん,自分のせいではない。生きていると理不尽なことって結構あったりする。オイラも学生時代は見た目がNGということで,バイトを何度も断られた。

ま,確かに25年前では珍しい金髪だったからね……。今では金髪なんて当たり前だけど。時代も変わったもんだ。

面接で自分をどう見せるか?

と,どうにもならない話をしていてもしょうがないので具体的な話を。

髪型,ファッションっていうのもポイント。特にマスコミ関係だとリクルートスーツで無難に,というのも微妙だ。自分の個性をチラっと見せるくらいがベスト。

ザッツ・職活!みたいなガチガチのスーツ姿はマスコミ業界では逆に印象が薄く,個性が無いと判断されてしまう可能性が強い。リクルートスーツなのだけれど靴はハンパなくオシャレだとか,ネクタイにパンチがあるとかね。

髪の毛だって時代は変わったとはいえ,金髪とかはさすがに最初からはNGの会社もあるかもしれない(入社してしまえばオッケーだ)⁠茶色いくらいだったら明るく見えて好印象だったりする。これも面接官の好みだったりするから厄介だ。

モヒカンの髪型を一生懸命,オールバックにしてキッチリとしたスーツを着ていたら,この男は必死になって面接に臨んで来たんだなあ,と感動すらする。話のキッカケにもなるしね。って,オイラくらいか?

もちろん,あまりにもムチャクチャなファッションだと難しいところもあるが,服装や髪型というのは自分をどう見せたいのかという自己主張でもあるので,それをまるまる封印する必要はない。

3~4人の集団面接であれば,面接官と話すチャンスなんて限られている。イチかバチか自分なりの見せ方でトライしてみるのも良いかもしれない。

何にせよ,ファッション系の会社ならオッケーなケースもあるし,音楽系なら問題ナシなんていう場合もある。要は面接を受ける会社の色に合うかどうかだけなんで,その辺の下調べは必要だったりする。当たり前の話ですいません。

経験など無くて当たり前

そう,そして肝心のトーク。これが大事。とにかく正直になること。即戦力の経験者よりも未経験だけれど,やる気バリバリの新人ちゃんを採用することもある。

経験があるというのは武器でもあるが,同時にプライドが高いと思われるデメリットもある。使いづらいかもしれない,と思われたらアウトだ。

そもそも,それなりの経験がある人間は縁故関係で入社してきたりする。⁠元○○の編集長でした」なんていう人が普通に面接を受けに来たら,こちらも構えてしまう。

実際にオイラもまっさらの再就職というのは難しいだろう。だって,どう考えても嫌がられると思うもの(笑)⁠

イノマーが来た!ってね(涙)⁠

話を戻す。経験が無いのは恥ずかしいことではない。無ければ無いで構わない。どれだけ,自分が働く気合があるかをアピールすればいいだけの話だ。

オイラは面接官をやっていたとき,少し大袈裟に話をした。⁠1週間で家に帰れるのは3日くらいだと考えてもらえると……週刊誌だから想像以上に忙しいと思います」と。

そこで瞬時に顔色を見る。5人いたら3人は青ざめる。⁠そんなに忙しいんですか?」と。⁠はい,大丈夫です」と顔色を変えない人をもちろん選ぶ。そんなもんだ。

マスコミ関係の仕事なんて休みもへったくれもあったもんじゃない。プライベートなんて無い,と考えたほうがいい。

ま,仕事が遊び(プライベート)と考える脳味噌がないとやってられない特殊な職業だ。仕事とプライベートは別,という認識が強い人間には向かないと断言する。

なので,その辺の覚悟を持って面接に臨まないとパスすることはないだろう。オイラも最初に面接を受けたときに聞かれた。⁠徹夜が多いし,家に帰れないこともあるけど夜は強い? 大丈夫?」と。

もちろん,⁠はい,家に帰りたくないです。汚い四畳半なんで」と答えて面接官は爆笑。雰囲気は和やかになり,会話は弾んだ。

そんなもんだ。

ハートを強く!

チャンスは自分で作るもの

誰だって最初は新人で右も左もわからない猿みたいなもんだ。そのことを誤魔化すことはない。⁠教えてください」という姿勢が大切。でも,この言葉を言えない人間も多い。

面接のときに面接官が何をみるかというと,学歴でもキャリアでもない。ポテンシャル,のびしろである。

よっしゃ,こいつを育ててみるか!と思わせればコッチのもんだ。オイラもどうなるかわからないけど,面白そうな人間だから育ててみよう!と未経験の18歳の男のコを採用したことがある。

募集をかけていたわけでもない。そいつは勝手にやって来た。道場破り。

高校を卒業して,アルバイトでためた10万円を握りしめて東京に出てきたばかりの童貞くん。偏差値40。もちろん,マスコミ関係の経験などない。ただ,やる気だけ。

ザ・ブルーハーツの大ファンで,どこで調べたのかわからないが,オイラが書いたザ・ブルーハーツのベスト盤,ライナーノーツを読んで感動したらしく,履歴書を持って「イノマーさんの下で働かせてください!」と。

危ない奴だな,とも思ったが,それ以上に興味が沸き採用した。もちろんアルバイトからのスタート。ダメだったらクビにしようと思った。お試し期間?

でも,彼は働いた。社員の誰よりも働いた。ほとんど家に帰ってなかっただろう。雑用ばかりの日々でも文句ひとつ言わず働き続けた。

激務&栄養失調で倒れたこともある。でも,笑いながら言われたことを忠実に守り,下働きを楽しそうにこなした。

その結果,数年後には社員になり,今では会社役員である。まさに映画『摩天楼はバラ色に』⁠87年/米国)の世界。マイケル・J・フォックスが主演した映画。メール・ボーイという最底辺から大企業の経営陣に上りつめるコメディ作品。

まさに,それを地で行くサクセス・ストーリー。今でも1年に1度くらい会うが,飲みに行くと「経費で落とせますから」と六本木の高級料理店でごちそうしてくれるようにまでなった。

じ~~~~~ん。

人生なんてわからないもんだ。

学歴なんて関係ない。高卒のチェリーボーイがアルバイトから社員になり,役員にまで上りつめ,家を買って結婚した。

立場,逆転じゃねーか!

トホホ。

知らなくて,わからなくて当たり前

何度も言うけれども,面接で面接官はキャリアではなく,⁠その人⁠をみるものである。資質? だから,素直に現在の自分を話すことがイチバンである。

高下駄をはかすことはない。そんなもん,すぐにバレるもんだ。わからないことはわからない。知らないことは知らない。それでいいのだ。知ったかぶりは最悪。

仮に面接をパスしても,いざ実際に入社したときに何もできなければ意味がない。すぐにクビになるだろう。

何もわかりませんが,必死になって働きます!という姿勢が大切。それを受け止めてくれない会社など入る意味もない。

そして,面接に落とされたときに自分が悪いと思わないこと。これまた何度も言うけれども,面接なんて相性でしかない。

何年も生きてきて,たかだか数分で自分のことを判断されるのはおかしな話だ。理不尽この上ない。だから面接など運である。宝くじと変わらない。

10社,20社の面接に落ちたくらい何でもない。向こうにセンスが無かったくらいに思うべきだ。見る目がないなあ,と。

自分を落とす,そんな人間が面接官をしている会社なんて,こちらから願い下げだ!と思ったほうがいい。

絶対に相性バッチリの会社と出会うことがあるから。これは間違いない。

そう,だから,今回の叫訓でオイラが言いたかったことは自分に嘘をつかずに,そのままで面接に向かうべき!ということ。

あ,それから,同じ会社に何度も履歴書を送りつけてもな~んの問題もない。落ちても落ちても何度もトライするのは恥ずかしいことではないし,悪い印象を相手に与えるわけでもない。

そもそも,人事の人間なんて人事異動で変わることもあるわけだし,何度も送ることで逆に熱意は感じてもらえるはずだ。

面接なんてくじ引きみたいなもんだと軽い気持ちで臨みましょう。あまり思いつめないように。そのほうが良い結果が出たりするもんだから。曖昧な話でごめんなさい。でも面接なんて曖昧なものだということで。

それではまた次回の講釈で。

叫訓7
面接なんて宝くじみたいなもの!(くらいな軽い気分で臨みましょう)

著者プロフィール

イノマー

昭和41年東京生まれ。駒澤大学卒業後,(株)オリコンに入社。10年間勤務し編集長2回,副編集長を3回務める。退職後,フリーの編集・ライターとなる。同時にバンド活動もスタート。メジャーデビューも経験し,現在はインディーズでの活動へ。過去に10枚のアルバムと2枚のシングルをリリースしている。

http://www.onamashi.com/

Twitter:@inomar_onamashi

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