元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第12回 誰のため? 何のため? ─会議について思うこと

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会議が嫌でしょうがなかった

なんでしょうね,会議って? もう,大っ嫌い。でも,まー,確認事項というのは大切だ。失敗すると大変なことになる。オイラだって,そこまでアナーキーな男ではない。

うん,打合せなり会議というのは大事なことである。それは間違いない。でも,なんだろ? 好きじゃない。

あの空気が苦手なんだと思う。みんなして,マジメな顔してパソコンや企画書なんか持ちつつコーヒーを飲んだりしてね。いたたまれなくなり,もじもじと下を向いて,早く終わんねーかなあ,なんて時間が経過するのをひたすら待つ……。

最悪。

拷問だ。

殺してくれー⁠ーー⁠ーっ!

それぞれがやるべきことをやればいいじゃねーか!なんて思う。いや,いかんな。すいません。それぞれがやるべきことを再度確認するために会議はある。まあ,交通整理みたいなもんだ。でも,やっぱり嫌いだ。

だって,つまらなそうな顔してるんだもん。誰もが楽しそうじゃない。

楽しくないんだろう。そりゃそうだ。殺風景な白い壁に囲まれた部屋に監禁されて堅苦しい話をしなきゃいけないんだもんな。

酒はもちろん煙草も吸えないスペース(しかし,ここ最近の禁煙ムードはどうしたもんか? 愛煙者がまるで犯罪者のようだ)⁠

特に会議がスタートする前の時間ね。5分前に来る人もいれば平気で10分遅れてくる人もいる。1時間の遅刻はオッケーだけれど,5~10分の遅刻はNGだ。

それは,絶対にどうにかなったはず。それが桜金蔵さんから教わった(笑)⁠⁠5分くらいの遅刻だったら1時間遅く来い!」

会議の時間設定に問題アリ?

テンションが上がり白熱する会議など年に1回あればマシなほうだ。そこで,編集長時代,オイラは考えた。時間を変えてみようと。

朝の11時にスタートさせていた会議を午後の2時にしてみた。ところが……みんな,昼飯後でお腹いっぱいで眠たい顔しかしていない。

ふうむ。ま,そんなもんか。だっらだらとした会議。そりゃそうなるよな。オイラも眠たかったもの。

ちと話は変わるがオイラは自分のバンドのライブ直前は絶対に食べないようにしている。計算して食事をとる。ライブの出番時間を考えて8時間前は食べない。

こんなことをしているのはオイラだけかな?と思ったら……。 レコーディングエンジニアさん,映像編集者さんもオイラの前で食べている姿を見たことがないことに気がついた。

「あの,ちゃんと食べてるんですか?」⁠オイラは心配になって聞いた。⁠はい,食べてますよ。でも,食べると集中力が落ちるんで……」

そっかー⁠ーー⁠ー!

みんな,一緒なんだな。そう,食べると集中できなくなる。つーか,オイラの場合は病気かのように動けなくなる。

身体がダルくなり,心拍数が上がって動けなくなる。だから,食べない。正直,食べるのが怖い。食べないでライブに臨んだほうがクレバーだ。

心配になって医者に相談したところ問題ナシとのこと。⁠そんなもんです」と医者は笑って言った。じゃあ,そんなもんなんだ。

トライ,トライ,トライ……

だったら,昼飯前,要するに一緒に昼飯を食いながらファミレスで会議をすればいいと思い,試してみたこともある。メシを食いながらだったらざっくばらんに話もできて,お腹も満腹になり眠くなることもないだろう,と。

編集長は大変なのだ。

ところが……

誰もが食べることに必死になり,話をする気もなければ,聞く体勢もナッシング。う~~~ん,まあね。ハンバーグ定食やチキン南蛮定食を食べながら話すことでもない。

で,食後のコーヒータイムにと期待したのだが,もう,その時点で編集部員はリラ~~~~ックス。お腹はパンパンで脳ミソはオニオンスープ状態。

こりゃ参った。降参。

で,またまた時間を変更してみる。だったら夕方だ!と。17時に。これはマッハで却下。だって,誰も会議に来ないんだもん。つーか,編集部には誰もいない。

夕方の17時といったら取材でいちばん忙しい時間。うん,これはオイラの間違い。で,こうなりゃヤケだとばかりに夜の10時を設定してみた。

すると,編集部に人はいるにはいるのだが,あまりにも誰もが忙しすぎて会議どころじゃない。入稿作業の1分1秒を争う時間帯。

印刷所からの催促電話が鳴りっぱなし。

ぶっちゃけ,オイラもそんなヒマはなかった。アハハハハ。じゃあ,いっそのこと会議などしなければいいのだ。でも,そうはいかない。むー⁠ーーん。

最終的に週始め,月曜日の午前中という普通の日時に落ち着いた。

月曜日の午前中から取材が入ることはあまりない。週明けの月曜日など誰もが働きたくないのだろう。編集部の電話が鳴るのも午後1時過ぎってなもんだ。もちろん,事前に取材が入っていれば別だけれども……。

企画書は大きな字の手書きがベスト

さて,会議では編集部員が企画書を提出してくる。もちろんメールでというのが今では主流。とはいえ会議では紙だ。それは変わらない。メールで集めて紙でまわす。紙を見ながら話をする。

でも,本当に自分がやりたい企画が生まれたのなら嘘ついてでも紙で手書きで提出すべきだ。⁠すいません。パソコンが壊れてしまい,手書きの企画書なんですが」と。

自分の字じゃないと伝わらないことも世の中には多い。街中や駅内での印刷され見慣れた文字をあなたは目にとめますか?

電車に乗って,自動ドアに貼られている文字「ドアに指をはさまれないよう気をつけましょう」にはまったくスルーしてしまっている自分がいる。

「この近辺では携帯電話の電源をお切りください」って目から入って鼻の穴から出ていく。

なぜか? そこに個がないからだ。人がいないから。量産され全国にまき散らかされた言葉には誰も反応することがない。

これは間違いのない事実だ。あんなの手書きで100パターンくらい書けばいいんだ。なんなら全職員が1つ書けばいい。それだけでえらい違いだ。

相手に響く言葉とは

これは車内のアナウンスも一緒。まったく耳というか脳みそに入ってこないアナウンス。同じ口調で同じような言葉。自分の言葉で話せばいいんだ。

「発車間際の乗車は危険ですので……」って,誰も何とも思わない。

「だから,扉が閉まる瞬間に乗るんじゃねーよ,おまえが怪我しようがこっちは構わないけど,発車が遅れてみんなに迷惑かけるだろうよ,謝罪金ハンパねーぞ。前から3両目の赤いカーディガン着た黒いハットをかぶったおまえだよ,ボケっ! これから会いに行くからそこで待ってろよ,ボケっ」

これでオッケーだ。2度としないだろう。

「ええと,何度言っても,何度警告しても車内で携帯電話を使ってる阿呆がいます。そんな急いで話さなきゃいけないことがあるなら,途中下車して話してもらえませんか? みんな,そんなあんたのことをぶっとばしてやろうと思ってますよ。気をつけてくださいね。ボコボコになってもしりませんから」

とかね(笑)⁠でも,こういうアナウンスになれば本当に犯罪は半分に減るだろう。

何度も何度も聞かされる同じような言葉のリフレインよか1回のパンチ力。

強引かもしれないけど,ワープロでたたき出されたどこかで聞いた言葉よりもオイラは手書きの言葉のほうにひかれてしまう。

古い人間なのかな? 古いのだろう。

いや,もちろんワープロでも構わない。オイラが言いたかったのは自分の言葉と心で書かないと相手には伝わらないということ。

そういう企画書ばかりだったら,会議も短縮できるのに……。

叫訓12
企画書もラブレターも同じこと
大切なのは自分の言葉

著者プロフィール

イノマー

昭和41年東京生まれ。駒澤大学卒業後,(株)オリコンに入社。10年間勤務し編集長2回,副編集長を3回務める。退職後,フリーの編集・ライターとなる。同時にバンド活動もスタート。メジャーデビューも経験し,現在はインディーズでの活動へ。過去に10枚のアルバムと2枚のシングルをリリースしている。

http://www.onamashi.com/

Twitter:@inomar_onamashi

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