元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第34回「いつもと違う道を歩いてみよう!」――そこにはアナタの知らない世界が……

ボケっとしてると365日なんて……

40歳を過ぎてから1年が早い。⁠あけましておめでとう」でスタート。すると、⁠花見はどこでやる?⁠⁠、⁠今年の夏は暑いなあ」で、⁠メリークリスマス!⁠⁠。そして、振り出しに戻る。⁠あけましておめでとう⁠⁠。

そりゃアッという間に46歳になるもんだ。自分でもビックリ。まだ42歳くらいの気分なのに。永遠の42歳……って、中途半端だな。いや、でも、たまに自分の年齢を忘れることもある。やれやれ。

理由はわかっている。とにかく判で押したような毎日。気づけば1週間、先週とまったく同じような行動を取っていることがある。

まさに、ルーチン。メモをつけていればハッキリすると思うけど、月曜日から日曜日まで下手すると、無意識に同じものを繰り返し食べている可能性がある。

独り暮らしのオイラ、1週間の流れはほぼ出来上がってしまっている。完成形? 自分で作ったレールに乗っていればラクなもんだ。何も考えないで済む。

これって、恐いことだ。人間としての進歩がまるで無い。ぶっちゃけ、メシ食うのにも飽きてきたし。

洋服だって新しい服を買わなければ、月曜日はこれ、火曜日はこれって何とな~く決まっているような気もする。

腐る。だから、OLは自分をリフレッシュさせるため、お給料が出たら化粧品だったり、洋服を買ったりするのだろう。

道場破りに明け暮れた学生時代

日々の生活の中で新しい発見が無くなれば、1年が早いのは当たり前だ。年齢を重ねるたびに、それを強く感じるのはそのせい。

これじゃあ、いかんな! と最近は仕事先への行き道や帰り道を変えるように心がけている。とくにオイラの場合、基本、移動は自転車なので、それほど苦ではない。

いつもより、1つ手前の道に入ってみたり右に曲がっていたのを真っ直ぐ進んでみたり。すると、へ~、こんなところにこんなお店があったんだ!? なんていう驚きがあったりする。それはそれで嬉しい。テンションも上がる。

今まで気になってはいたけれど、入らなかった居酒屋とか、定食屋とかに入るのも良い。店が違えば客筋も違う。最初はなかなか落ち着かないかもしれないが、30分もすれば慣れる、ってなもんだ。

考えてみれば、オイラ、大学生の頃、よく友達数人と新宿3丁目に繰り出しては、わざと、あえて入りづらそうな店を選んで飲みに行ったもんだ。

毎回、同じ店で顔見知りの常連さんだらけの店で飲むのもホッとするもんだが、道場破りも楽しかったりする。

20代の頃はそんな冒険心で溢れてた。場所が場所だけに、結構、危険な目にも遭ったけど。朝方の新宿を本気走りで逃げ回ったことも。よく、無事だったなあ。

マンネリは動脈硬化へと……

会社員時代、オイラは会社以外の仕事もたくさんした。いわゆる内職ってやつ。業界用語で言うところのショクナイ?

もちろん、違反ではない。マスコミ業界では容認している会社も多い。もちろん、その経験やコネクションなどを会社にフィードバックすることが鉄則ではあったが。

別にお金が欲しくてやっていたわけではない。正直、当時はお金に困っていなかった。だって、遊ぶ暇なんてなかったから使い道がない。欲しいモノもなかったし。

ひとつの会社で何年も働いていると、仕事内容は決まってくるし、つきあう人も同じということになってくる。

ま、それが普通なのだろうけど……。

うん、そりゃそうだ。それが会社勤めってなもんだ。だけど、同じ人と同じ仕事をずっと続けているとマンネリとなり、まるで刺激の無い日々が続き、自分をもっと向上させたいとか、新しい別のステージに上がりたいとは考えなくなってしまう。

そして、自分の仕事が退屈でつまらないのは会社が悪いとさえ思いはじめてしまう。不平・不満がつのるだけだ。飲み屋では会社や上司の悪口しか言わなくなる。

そして、最後には「自分はこれだけ頑張っているのに評価されない」と自分勝手な解釈へと。悪循環。良いことなど何もない。

仕事も恋愛も出会い次第

そう、だから浮気も大切なのだ。浮気をすれば奥さんにも優しくなれる、なんて言うでしょ?(笑⁠⁠。いや、これは……忘れてください。詭弁です。

だけど、浮気をすることによって、パートナーの大切さをあらためて発見できるとかね。って、すいません、しつこくて。この話はヤメます。

どんなに好きでも毎日、カツ丼ばかり食ってたら嫌気もさす、ってなもんだ。たまにはカルビ丼もね! って、重い。胃がもたない。

オイラが編集長を務めていた頃は自分が他で仕事をしていたのもあるけれど、編集部員にはどんどん外に出て他の仕事もするようにと勧めた。つきあう人を変えて、固まった脳ミソを柔らかくしてもらいたかった。

確実にスキルアップにつながる。でも、週刊誌を作って、それでいっぱいいっぱいの編集部員にそれはムリだった。

確かに社内で他の仕事をしていたのはオイラくらいだったかもしれない。

とにかく異業種(?)の人たちと交流を持っていろんな仕事をした。テレビ、ラジオはもちろん、お笑い業界、そして、AV業界の人たちとまで親交を持った。

もちろん、本業もちゃんとこなした(つもりだ。いや、迷惑かけたか?⁠⁠。それは基本。

天才、凡人、バカの美しき世界

思えば、小学生の頃がいちばんいろんなタイプの人間と触れ合えたような気がする。オイラは私立とかじゃなかったから、学級には勉強のできる奴、できないやつ。スポーツの得意な奴、苦手な奴……笑っちゃうくらいの人間模様がそこにはあった。

金持ちもいれば貧乏人もいた。ビックリ人間大集合。そんな環境で幼少期を過ごした。でも、それが当たり前だった。誰もそれを差別だなんて考えなかった。

あいつは金持ち、あいつは貧乏、あいつは普通で、あいつは……誰だ?(転校生⁠⁠。

鼻水垂らした、ハンパなく勉強できない奴とかいたもんなあ(笑⁠⁠。テストは0点ばかり。だけど、なぜか理科だけは78点取ったりとかね。

でも、そんな奴に限ってカブト虫がよく捕れる秘密の木を知ってたり、土器が出てくる貝塚の場所を熟知してたり、誰も気づかないような場所にある品揃えの良い幻の駄菓子屋をこっそり教えてくれた。

もしかしたら、あの頃、勉強ができた優等生よりも、クラスの問題児のほうが今は出世してるかもしれない。生きるというのはそういうことだ。

小学校、中学校、高校、大学、そして社会へと……気づかないうちに、オイラたちは自分と近い、似たようなフィールドの人間とつきあうことになる。慣れ合いの中での競争。

そして、同じ知識を共有することが最大の目的となる。自分が知っていることは、相手も当然知っていて、相手の知っていることは自分も知っていると。

だから、1年過ぎるのが早く感じる。⁠へ~、そうなんだ!?」というのが無くなれば当然だ。

自分の知らないことを相手が知っていて、相手の知らないことを自分が知っている。オイラはこれが理想の関係だと思う。

少なくとも、オイラはそういう人たちとつきあいたい。そのためには、まず……場末のスナック通いからはじめようかな?(笑⁠⁠。

いや、行ったことがないからね。キャバクラもない。そう、だから、自分が遠ざけていたことから46歳にして始めれば、これからの人生は長く感じられるかもしれない。

ボクサーパンツをブリーフに変えるだけでも、人生、大きく変わるはずだ。うん、これは大げさな話なんかじゃない。

っちゅーことで、今回の叫訓↓

叫訓34

昨日と違う自分が明日の自分を作る
あえて、道草をしましょう!

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