元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第65回「顔を覚えてもらうということは?」――ランドマークたる人間になるべし!

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営業トー⁠ーク!

先日,とある場所で10分くらい知らない人と話をすることとなった。向こうはオイラのことを知っている。

好意を持っていることもわかった。でも,失礼な話ではあるが,オイラはまったく相手のことがわからなかった。

いや~,これは本当にオイラのいけないところ。人間として失格だ。とにかく,顔と名前をまったく覚えられない。

自分の年齢も関係しているのかもしれないが,それだけではない。完全に他人に興味がないのだ。それが例え仕事相手だとしても。

THE END……

仕事だけではない。プライベートでも,⁠初めまして」なんてこっちが言うと,⁠何度も会ってますよー⁠ー」と言われて,嫌な空気を作ってしまうことがある。酔ってたせいにするけれど。

そう考えると,ホストとかキャバ嬢とかはすっごいよね? お酒を飲みながらも,キッチリとお客様の顔と名前と職業なんかをインプットしてるんだもの。大したもんだ。

まー,客商売だったら,それは当たり前のことなのかもしれない。しかも,ホストとかキャバという仕事だったら直接に会って話をしてるんだからね。

フーゾクとかで2度目に行ったときに「また来てくれたんですね~~,嬉しい~~」なんて言われると,また来ようと思う。

営業トークだとわかっていてもハマってしまう。そう,まさにこれぞ営業の極意。学ぶべきところは多い。

顔を覚えてもらう努力

数年前のこと,職場の隣にあったコンビニのレジで働く女のコ(Aさん)に一方的なプッチ恋愛をしていたことがある。年齢は20代後半? 清潔感のある,マジメそうな人だった。

オイラは毎日,同じ時間に同じ煙草を買うことにした。お弁当も買いたかったが,それは印象が薄れると思い,ちょっと離れた路上販売のお弁当屋さんで買った(実はこの販売員の女のコも気になってはいた)⁠

そんな地味な活動を1年くらい続けた。ある日,いつものように煙草を買おうとレジ前に立つと,何も言わずにAさんが「はい」っと数ある煙草の中から,オイラが愛煙している煙草を差し出してくれた。

キター⁠ーー⁠ーー⁠ーー⁠ーー⁠ーッ!

それから,毎日が楽しくなった。仕事に行くのもルンルン気分。ちょっとした挨拶も交わすようになった。⁠いつもありがとうございます」程度のものだけれど。これって,挨拶にもならないか?

が,その約1ヵ月後に彼女は突如,コンビニからいなくなった。

不幸は重なる。数日後,路上販売のお弁当屋さんの女のコもいなくなり,販売員はアフロヘア―のむさくるしい男にかわっていた。

もちろん,オイラはそれ以来,そのコンビニでは買い物をしなくなったし,路上販売のお弁当も買うことはなくなった。

サービスにもいろいろ

顔を覚えられて嬉しくない人間なんていない。ま,逃亡中の犯罪者とか,例外もあるかもしれないけど。基本,気持ちいいもんだ。

先日,某BARへと飲みに行った。何度目だろう? そんな回数を行ったわけではない。でも,お会計をする際に「いつも来ていただいているので,チャージ料金はサービスさせていただきました」と言われた。

感激した。チャージが0円になったからではない。顔を覚えてくれていたことにモーレツに感動した。なぜなら,オイラはまったく彼のことを覚えてなかったんだもの……。

15年くらい通い続けている定食屋さんがある。地味な商店街にポツンとある目立たない定食屋さんだ。オイラはそこでまず瓶ビールを注文して,コップ一杯を飲み干した後に,鮭定食をお願いすることにしている。

推定70歳近い老夫婦が二人で営んでいる定食屋さん。オイラは引っ越しを重ねながらも30分以上もチャリをこいで通っているっちゅーのに,まったく顔を覚えてくれない。

いや,あれは逆にそういうサービスなのか? もしかしたら,オイラが帰った後に「また,来たね~~。金髪猿野郎。まだ生きてたよ」とか言っているのかもしれない。

あえて声をかけないというのも配慮とは言える。話しかけられたくないという人もいるからね。その辺のさじ加減は店主次第。

自分がランドマークとなるべし

冒頭の話に戻るが,この人って誰だろう? という局面に陥ったときはこう言えばいい。これでほぼ100%乗り切れる。

「あっ,どうも。」

この「あっ」というのが大事だ。⁠あっ」と少しだけ驚いたフリをしてアゴと右手を上げる。そのあとはスマイル。3分は安全。

「あっ」と言われたことで,相手は自分のことを認識してくれているんだと思い込む。どうにかなるもんだ。

でも,人の顔を覚えられない自分が悪いのか? といえば,そうでもない。ぶっちゃけ,覚えてもらえない側が悪いという考え方もある。

覚えてもらいたいのならインパクトで勝負するしかない。顔にタトゥーを入れるとか,モヒカンにするとか(笑)⁠いや,これは極論。

でも,顔を隠したい覆面レスラーのほうが顔を覚えられやすいんだから。正確には顔ではないのか? ランドマーク的な。

世の中には覆面レスラーだけではなく,覆面議員なんていうのも存在する。会社の職場に覆面サラリーマンとかいたら絶対に目立つし,(?)を覚えられると思うもん。

名刺に頼ってはいけない

いち時期,名刺に自分の顔写真をプリントするなんていうのが流行った時期があった。斬新だなと思ったけど,同時に何だか安っぽいな~,と。こういう人とはあんまり仕事がしたくないなとさえ思ってしまった。

会社の方針だったのだろうから,その人に罪はまったくないのだけれど。実際,その顔写真入り名刺のブームはすぐに去った。

名刺で仕事をする時代は終わった。これからは顔で勝負する時代だ。

俳優に宍戸錠という名優がいる。彼は悪役に転向するため頬にシリコンを入れた。いわゆる豊頬手術。二枚目俳優にはライバルが多すぎる。だったら,悪役として目立ったほうが勝ちだ! という理念。素晴らしい。

これぞ役者魂。ま,確かにやり過ぎかもしれないけれども,これくらいの腹のくくり方は大事だ。宍戸錠的逆整形アプローチ。

会社勤めをするサラリーマンにお薦めはできないかもしれないが,覆面やタトゥーよりも上司に言い訳がつきやすい。

歯医者がヤブ医者で,とか。

女性のプチ整形が当たり前になっている現代,思い切って顔を少しいじってみるのも一つの手段かもしれない。

いや,今回の叫訓はふざけているわけではない。それくらいのことをしないと自分の未来なんか自分で切り拓けない,という話だ。

ということで今回の叫訓↓

叫訓65
現代社会で得をするのは
初対面で記憶される人間である!

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著者プロフィール

イノマー

昭和41年東京生まれ。駒澤大学卒業後,(株)オリコンに入社。10年間勤務し編集長2回,副編集長を3回務める。退職後,フリーの編集・ライターとなる。同時にバンド活動もスタート。メジャーデビューも経験し,現在はインディーズでの活動へ。過去に10枚のアルバムと2枚のシングルをリリースしている。

http://www.onamashi.com/

Twitter:@inomar_onamashi

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