Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第14回 コンピュータのある生活

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コンピュータのある生活

Lifelogは,生活の中のさまざまなことを記録し,活用して生活を向上しようという試みです。

その道具として,コンピュータ(やデジタルカメラ,携帯電話)は,きわめて有効だと考えています。というか,コンピュータなしに,そういう記録をするのはむずかしいのではないかと思うのです。

筆者なんて,よくマメだといわれるのですが,じっさいにはかなりずぼらで手抜きすることばっかりを考えているタイプだと自分では思います。自己イメージが他人の評価とは違っているのです。手抜きをするために,自動化をし,道具に凝るわけです。スパムメールをいちいち削除するのはたいへんなので,ルールを自動分類しようとするわけだし,記録するのがたいへんなので記録するツールを作るわけです。

道楽としての仕事

先日公開されていた『崖の上のポニョ』のプロデューサー,鈴木敏夫さんが執筆された『仕事道楽-スタジオジブリの現場』(岩波書店)を読んでいたら,記憶を大切にしているというか,記録でできることは部下に任せると自慢げに話してました。

総理大臣でもプロデューサーでも,部下がいる人はいいなぁと。LifeLogは部下のいない人でも使えるツールとなるはずです。

鈴木敏夫著『仕事道楽-スタジオジブリの現場』(岩波書店)

鈴木敏夫著『仕事道楽-スタジオジブリの現場』(岩波書店)

本人はとても楽しんで仕事をなさってるようです。

記録だけならノートでもできる

記録するだけならノートと鉛筆だけでもできるし,わざわざ道具まで作ることはないんじゃないのという指摘はごもっともだと思います。というか,記録できることを記憶しておく必要がないから記録しているのです。記録したいからしているのではない。ここは明らかにしておきたいです。

自分の内面的なことを記録するのに,コンピュータに依存するのはいやだと考える方もいらっしゃるでしょう。そもそも自分の内面的なことは「貝になって」,墓場までもっていくのだという方もいらっしゃるはず。記憶と記録との関係は,人それぞれです。

念のために申し上げれば,別にそういうことを否定するつもりは毛頭ありません。Lifelogをしたから便利になったなどというつもりもないわけです。便利だからやろうなどというモチベーションでは,そもそもLifelogなんて続かないと思うんです。

タグつき写真,タグつきメール

写真も同様で,フィルムの写真でも記録はできますが,フィルムの写真の場合,どんなシチュエーションで撮影したのかという情報がまったく欠落してしまいます。

もっとも,ほんとうに情報が欠落しているのかどうかは議論の余地があります。充分な分析力をもった観察者ならば,ほとんどあらゆる要素を写真から読み取ることもできるだろうからです。

デジタルカメラの場合,撮影日時をはじめ,多彩な情報をタグとして付与できます。撮影と閲覧のタイムラグもないので,記憶が鮮明なうちにタグを追加することも比較的容易です。楽で活用しやすいわけです。

前回,『PileMail』を使うと,煩わされることがほとんどないという話をしたのですが,わざわざ記録のための記録をしなくてよいところがコンピュータを使うメリットであって,最初からぜんぶ忘れてしまってよいのであれば,コンピュータなんて使う必要はないというのはたしかです。

楽であることがよいことなのかどうかは,これまた議論の余地があります。

『PileMail』を使った送信ログ

『PileMail』を使った送信ログ

自分用にテストメールを送っていることが多いので,大量のログが残っています。

著者プロフィール

美崎薫(みさきかおる)

夢想家,未来生活デザイナー,『記憶する住宅』プロデューサー,記憶アーティスト。住宅,書斎,机をはじめ,ハードウェア,ソフトウェアの開発をプロデュース。著書『デジタルカメラ2.0』(技術評論社)など多数。

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