Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第25回 トレーディングカードを作る

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

トレーディングカード・リサーチ

トレーディングカードの続きです。まずはでき上がりから。

できあがったカード

できあがったカード

手書きの情報カードにインパクトのある写真を追加できました。『ダーティハリー4』より。

スキャンしたデータを検索する手がかりとして,カードを作り,そこからデジタルデータへとリンクを作る,というようなアイデアで,トレーディングカードを作ろうか,と考え始めたのでした。

カードを印刷するためにはプリンタが必要。そこで,エプソン販売/セイコーエプソンの知人に話を伺うことにしました。

すると,トレーディングカードの問題は,カードの厚みよりも,カードの小ささにあることがわかりました。小ささというかサイズですね。トレーディングカードは,先日調べたとおりの独特のサイズなので,そういうサイズの紙を販売していないのです。

トレーディングカードのサイズにいちばん近いのが名刺です。名刺サイズの紙は,サードパーティー製で販売もしています。でも,名刺のシルエットはトレーディングカードとはずいぶん違うのです。名刺サイズの紙に印刷しても,トレーディングカードとするには,長辺をカットする必要が出てきます。

両面印刷も壁でした。普通,カラープリンタできれいに印刷するというと,写真をターゲットにしていて,写真の場合表はつるつるの光沢紙ですが,裏面はざらざらの紙になっていることが多いのです。

両面の光沢紙となると,A4とかのサイズになってしまいます。もっと大きな紙に印刷してカットする以外に,手はないのかもしれないなと考えました。

トレーディングカード=「紙」

結局,トレーディングカードの問題は「紙」に集約されるのです。プリンタではなく,紙の問題です。それでは,とトレーディングカードを販売する某メーカーに取材をお願いしたところ,あっさり断られました。

「内容につきまして弊社の担当部門と検討をしましたが,やはりカードの自作となりますと,弊社で販売しているカードのコピーを作るという意味合いが出てきてしまい,あまり推奨はできないという結論となりました。」

とのことです。そうか~。カードのコピーを作るなんてことは考えてもみなかったのですが,作るものが複製物(本の複製)であるという点でコピーにはちがいないのです。ベンヤミンが複製にもアウラを感じたように,スキャン画像にもそれで作るトレーディングカードにもアウラにはあるにちがいないと思いますし,だいたい筆者にはトレードするつもりもないのですが,一般論でいえばメーカーはデジタルのコピーにたいしてナーバスであるようです。

エプソンの知人は,「トレーディングカードは作るものではなく買うことに意義がある」といいます。なるほど。トレーディングカードは,その名のとおり,トレード(交換)するカードであり,勝ったり交換したりして,たまにレアなものを手に入れて楽しむ文化なのでしょう。「トレーディングカード」という主語に「作る」という述語はつながらないのではなかろうか,とはたと気づきました。

作る文化がないからこそ,トレーディングカード用の用紙を販売していない。市場がないから商品がない。じつにわかりやすい話です。納得できることです。

となると,トレーディングカードを作る話はこれで幕ですかね。

まあ,せっかくですから,エプソン販売からお借りしたE-330を使って,トレーディングカードもどきを作ってみましょう。

ダーティハリー4の図書カード

ダーティハリー4の図書カード

日付の通り,1984年3月8日に購入し,3月9日から10日にかけて読んだ『ダーティハリー4』のノベライズ版です。活字の部分は社団法人日本書籍出版協会の『これから出る本』を切り抜いて貼っています。インターネット以前の有力な新刊情報のひとつがこの『これから出る本』でした。

エプソン販売E-330

エプソン販売E-330

エプソン販売からお借りした写真用の小型カラープリンタE-330です。USBでPCとつなぐだけでなく,メモリカードを直接さして印刷できます。機種によってはデジタルカメラから直接印刷も可能らしいです。

自作の図書カード

自作の図書カード

紙の時代にはこんなカードを1000枚以上作っていました。総数は不明です。そのうちスキャンしてデジタル化する予定です。

著者プロフィール

美崎薫(みさきかおる)

夢想家,未来生活デザイナー,『記憶する住宅』プロデューサー,記憶アーティスト。住宅,書斎,机をはじめ,ハードウェア,ソフトウェアの開発をプロデュース。著書『デジタルカメラ2.0』(技術評論社)など多数。

コメント

コメントの記入