実践!GTD~一歩先の仕事管理

第5回 処理ステップ――ノるかソるか,決めるのはあなた[後編]

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(9)期日が決まっている?

行動:

この質問でYesになった場合,⁠物』はCalendarリストに行き先が決定します。Inboxリストの紙に書いてある『物』は,Calendarの頭文字である「C」のマークをつけ,予定の期日を『物』の近くに書き留めます。Noになった場合は,⁠物』はNextActionリストに行き先が決定します。Inboxリストの紙に書いてある『物』は,NextActionの頭文字である「NA」のマークをつけます。

この質問は,⁠物』の次のアクションが,実行する期日が決まっているものを,よけるための質問です。

ワークフローの最後の質問になりました。

行動できることの中には,自分で自由に実行するタイミングを変えられないものがあります。一つは,他人が行動する場合,そしてもう一つが,今回の質問でYesになるような,他の人と期日を約束している場合です。例えば会社のミーティング,友人との飲み会などがそれに当たります。その予定の前に何も行うことがなければ,その日その時間になるまで待つ以外は,行うことは何もありません。

そこで,今回の質問で選り分け,予定専門のCalendarリストに記憶を託します。

ちなみに,自分がこの日にやろうと思っていること,つまり自分のみとで約束している項目は,この質問ではNoになります。なぜなら,自分と約束している場合は,簡単に実行期日を移動することができるからです。ほとんど予定が変わらないものが,ここでの質問でYesになります。しかし,必ずその日に実行する! と固く決意をしたならば,ここでの質問はYesになります。初めてGTDを実践する場合は,他の人と約束している項目にのみ,Calendarリスト行きにしましょう。

そして,最後まで残ったものがNextActionリスト行き,つまり,次にアクションできるものです。

ここに残ったものは,待ち状態でもなく,時間にも拘束されず,しかし,状況さえ合えば実行できる段階のものばかりです。言わばスタート地点で位置についた,走者達なのです。よーいドンと掛け声さえかければ,走ることができます。

(5)(9)のまとめ:注目すべきことの中でも,じっくり腰を据えて実行することではないものも取り除いた。

(5)(9)の質問は,実行すると頭をめぐらしたい項目を洗い出すための,質問でした。ワークフローの質問形式のうち,全てNoとなったものが,じっくり腰を据えて実行することに,なるのです。

ここで注目してほしいのは,ワークフローは,こんなものが取り組むべきものなのですよ,とは一言も言わずに,一番必要なものを抽出したことです。これは,じっくり取り組まなくてはならないことが,いかに捉えどころがないことの証明でもあります。ノー,ノー,ノー,と繰り返してようやく,それがじっくり取り組むことのものだと分かるのです。

処理ステップの終わりは,Inboxリストの『物』がなくなったら

処理ステップがどうやったら終了になるのか? それは,Inboxリストにある『物』がなくなったら終わりです。

初めてGTDを行う場合は,⁠物』の数がとても多いこともあり,この処理ステップはとても大変です。しかし,2回目以降は,収集する『物』も減ってきますのでだんだんと簡単になります。

処理ステップが終わって

さて,Inboxの中のすべての『物』についてワークフローに従って処理し,処理ステップが終わった方,お疲れ様でした! 初めてGTDの処理ステップをされた方,とっても大変だったことだと思います。

処理ステップをやって私が一番に思ったことは,決めるってなんてエネルギーのかかる作業なんだ,ってことです。そして,今まであまり自分のことを省みずに,物事を決めていたんだなとも,思いました。

(2)(4)は注目しなくていいもの,⁠5)(9)は注目する必要のあるものです。言わば,⁠2)(4)は家においてある品々であり,⁠5)(9)は出かける時に持っていく品々,いつでも気にかけられるよう,携帯しなければならないものです。その境目は,SomedayとProjectの間になります。そしてその境目をかたち作るのは,時間ではなく,あなたの心持ち次第であることを,忘れないでください。

そして,この処理ステップは,決めること・瑣末なことはすぐに実行することの訓練でもあります。何度も繰り返すことによって,以前よりも気負いなく,決められるようになります。これはすぐには気がつかないことですが,数ヶ月後いかに行動しやすくなっているかがわかります。数ヶ月先を楽しみに,処理ステップを実行して下さい。

決めたらリストに早変わり

処理ステップでどうするかを決めたものは,GTDの独特のリストになります。リスト先が決まった=あなたがどうするかを決めた,と同じになります。そのGTDのリストは6つのリストから構成されています。このリストについては,今後の連載で詳しく説明しますが,処理ステップを行った結果,どのようなリストが構成されるのか,もう一度箇条書きしておきたいと思います。

  1. Referenceリスト
    作業が不要だけれど,後から確認したいもの
  2. Somedayリスト
    いつかやろうリスト
  3. Projectリスト
    見張りリスト。それ自体は作業を促すものではないけれども,逐一状況を確認しなければならないリスト
  4. WaitForリスト
    返事待ちリスト。
  5. Calendarリスト
    時間割りリスト。
  6. NextActionリスト
    実行リスト

最後に:処理ステップのポイントのまとめ

GTDの処理ステップは,忙殺される生活の中で,あなたを浮かび上がらせる,大切なプロセスです。

処理ステップは不思議なもので,心意気一つで,機械的な作業にも,心の通った問いかけにもなります。時間がないなら機械的に判断するのもいいし,それなりに時間を掛けられるなら,緩やかに自分に問いかけながら『物』とどう関わっていくかを決めてみるのもいいかもしれません。

処理ステップのポイントを3つまとめて,今回を締めくくりたいと思います。

  • 処理ステップですることは,⁠あなたが『物』について係わり合いを決める」ことです
  • SomedayリストとProjectリストの狭間は,⁠あなたが注目するかしないか」です
  • 繰り返し処理ステップを行うことで,⁠決めること・瑣末なことはすぐに実行すること」が訓練されます

著者プロフィール

nomico(のみこ)

GTDジャンキー。IT系企業に勤めて仕事にアップアップの日々に,藁をも掴む気持ちで始めたGTDに味をしめ,その後突っ走って過ぎること1年半。研鑽内容についてはブログのworks4Lifeにて展開中。現在は,GTDの理解を日本で深めるためにmixiでGTD勉強会も開催している。好きなウェブサービスやソフトウェアを使い倒す癖あり。目下の興味はEvernoteとDiigo。最近はプロジェクタとストールがほしい。

work4Lifehttp://works4life.jp
GTD勉強会http://mixi.jp/view_community.pl?id=3013597

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