実践!GTD~一歩先の仕事管理
第11回 自己啓発としてのGTD
GTDは自己啓発に役立つか
前回は,大きなプロジェクトに考えるための「自然に計画するためのモデル」について説明しました。このモデルは,大きなプロジェクトを分解するのに役立つモデルです。今まで私は,このモデルを含め,GTDが仕事管理にどのように役立つかを説明してきました。
人生をよりよくしたい,そのために仕事管理で手際よくする以外に,GTDは何かもたらしてくれるのか――今回は,私がGTDを経験して成長したなと感じた3点について,紹介したいと思います。
GTDで成長した3つのこと
さて,私がGTDを体験するにつれて,成長したことは何だったのか? 成長したと感じた3点は,以下のようにまとめることができました。
- 細かいことをさっさと終わらせる瞬発力
- 高い空からでも対象を見据える俯瞰力
- 自分の欲するものを選択できる自分軸
細かいことをさっさと終わらせる瞬発力
GTDを使いながら仕事をしていく上で,私が以前より力がついたのは,「細かいことをさっさと終わらせる瞬発力」でした。今までの私だと,ちょっとした作業でもすぐに後回しにしてしまい,最終的にうんざりしながらそれらを済ませていました。
これは,GTDの2分間ルールが効果的に働きました。
2006年の春頃,私はまじめにウィークリーレビューを実施していました。家の中の気になるものを収集し,それを処理ステップのワークフローに従って,一つずつ処理していきます。この方法を,毎週実施していました。この時の作業時間は非常に長く,終了するまでに3時間かかるのがざらでした。特に時間がかかっていたのが,処理ステップです。収集した『物』には2分間ルールで実施できるものが多くありました。2分間ルールで実施できる『物』が30個あったとすると,これで最大60分はかかってしまうのです。
そこで私は考えました。どうやったら,ウィークリーレビューの時間を短縮することができるのか,と。結局そこで行き着いたのは,2分間ルールで処理するものを,ウィークリーレビューにまで持ち越さないことです。つまり,収集するその場で実施してしまうのです。2分間ルールに適用される『物』は,それこそ本だったり,片付けを忘れてしまったものが大半だったからです。こうして私は,2分間ルールを毎週のレビュー時間に実行するのではなく,収集するタイミングで前倒しで実行することに切り替えました。
このような経緯を経て,私は「細かいことをさっさと終わらせる瞬発力」を以前より手に入れることができ,それを通常の生活でも発揮できるようになりました。
このように,私がウィークリーレビューではなく,日々の生活の中で2分間ルールを実行するように切り替えられたのには,2つ理由があります。
- 一つは,ウィークリーレビューでそれなりに処理ステップを理解し,どういったものが2分間ルールで適用するかが判断できるようになったことです。
- もう一つは,ウィークリーレビューでそれなりに処理ステップを実施し,実際に2分以内程度で作業が完了することを体感していたことです。
人間は,ある程度の確実性がなければ,それを実行するまでに至りません。たとえそれが,2分で作業が完了するにしてもです。
日常で2分間ルールを実施する前に,私はウィークリーレビューでそれを実施していたため,どんな時間であっても実行できるようになったのだと思います。これが,いきなり日常に実施してみなさいと言われては,きっと実行できなかったと思います。


