サンフランシスコで昼食を

第1回 働くための英語

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ご挨拶と自己紹介

今回から全6回,1年に渡ってこのコーナーで連載をさせていただくことになりました※1)。サンフランシスコの本社と東京にある日本支社とを行ったりきたりな日本人エンジニアの視点で,海外で働くということ,またそのためのスキルアップといったトピックを気軽に書いていければいいなぁと思っています。

私は2005年1月にシックスアパート(株)に入社し,現在は「パートナーエンジニアリング担当執行役員」,また US本社(Six Apart, Ltd.)ではVP of Partner Engineeringというタイトル(肩書)に従事しています。

組織的には日本法人の社員ですが,年の半分近くをUS本社で過ごしていることもあり,USエンジニアリングチーム主導のソフトウェア開発のコアメンバーとして,日々コードを書いたり,日米のプロダクトマネージャとコミュニケートしたり,というのが日々の活動です。主にサードパーティと連携するAPI の開発や,モバイル系の強化,アプリケーションの国際化(I18N)と手広く担当していて,とくに日本人だからローカライズ(L10N)だけやっている,という感じではありません。

※1 編集部注)
WEB+DB PRESS Vol.32~37で連載した「サンフランシスコの窓から」のことを指します。

英語の壁

海外で働く,また国内でも外資系企業に就職するといったときに一番のネックになるのが英語の問題だろうと思います。幸いにも自分は英語の苦手意識といったものはあまりなく,就職活動を始めた2004年時点で読み書きには(オンラインの辞書などの助けがあれば)ある程度不自由しないという状況でした。

これは2000年ごろから続けてきた,

  • Webで海外のニュースソースやブログを読む
  • オープンソースのメーリングリストやIRCチャネルに参加する

という活動がベースになっているんじゃないかと思います。

本誌の読者であれば,多かれ少なかれオープンソースソフトウェアを利用していることと思います。開発チームのメーリングリストを覗いてみたり,アナウンスのBlogがあればRSSフィードを登録してみたりしてみると,よりそのソフトをよく知ることもでき,また英語の勉強にもなって一石二鳥なんじゃないでしょうか。

EメールとIMの英語

いま,この原稿は日本で書いていますが,日本で海外スタッフと仕事をするときに最もよく使うコミュニケーション手段は,やはりEメールとインスタントメッセンジャー(IM)です。

個人宛のメールが来ることはあまり多くありません。こうした連絡は通常口頭やIMでして,そのまとめをメーリングリストに流したり,イントラネットの Wikiに掲載するという慣習があるからです。ただ,自分の場合,東京で本社と17時間(あるいは-7時間)の時差がある生活をしているため,連絡がとれない場合などに直接メールが来ることがよくあります。

こうしたメールに自分から返信したり,新規に出すメールの数は日に10~20通といったところで,慣れてくれば1通のメールにかかる時間は日本語の場合の1.2~1.5倍程度で済んできます。これも,オープンソース系のメーリングリストやIRCなど,メール・IMで簡潔に連絡する表現を覚えてきたのが役に立っているようです。

英語を話すこと

英語の読み書き(Read/Write) ができても,実際に話し,聴く(Speak/ Listen)のはまた別のレベルが必要になります。

私の場合も,2004年の11月に就職活動の延長でカリフォルニアのサンマテオにあったSix Apart本社を訪れたのが初めてのUS上陸で,それまでは英語を口頭でしゃべるということはほとんどしていませんでした。

入社後2週間でいきなりUS本社に出張ということになったのですが,案の定はじめのうちは,日常会話で8割ぐらいがわからなかったり(ミーティングなど,仕事の話の場合はコンテキストがわかるので問題が比較的少ない),自分のしゃべる文章がうまくその場で組み立てられない,という問題に遭遇していました。

ただ,その頃からいくつか聴き始めた ポッドキャストが会話のレベルを上げるのに役立ったのかなぁ,と思っています。自分のブログでも紹介していますが,Webの最先端ニュースなど,自分の興味ある分野のフレッシュな英語が毎日,またいくつかはTranscriptもついて聴けるというのは本当に便利な時代だと思います。

そうそう,日本人はどうしても大げさにアクセントをつけてしまって抜けない人もいますが,割と平坦に(自分が日本語をしゃべるように)しゃべっても相手がアメリカ人なら問題なく通じます。あまりアクセントにはこだわらなくてもいいかもしれません。

まとめ

初回ということで英語に対する考え方や取り組みについて紹介しました。次回以降,実際に海外のオフィスで働くことについて話を広げていきたいと思います。

著者プロフィール

宮川達彦(みやがわたつひこ)

1977神奈川県生まれ。東京大学理学部卒業後,2000年に(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)入社,執行役員Chief Technology Architectとして開発などに携わる。2005年よりシックスアパート(株)に入社,現在は米Six Apart, Ltd.に勤務。ニュースコンテンツの再配信サービス「Bulknews」やフィードアグリゲータ「Plagger」の作者であり,日本を代表するPerlハッカーの一人。カンファレンスでの発表だけでなくイベントも数多く運営するなど,精力的に活動している。個人ブログはhttp://blog.bulknews.net/mt/など。

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