SONY Readerで日本の電子出版を体感

第5回 電子書籍端末SONY 「Reader」レビュー(5)

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今回は,SONY「Reader」のレビューの最終回として,互換性に関して触れていきます。

Readerは,ソニーの製品ということで,汎用的ではないと誤解されがちですが,多くの門戸が開かれているので順にご紹介していきます。

USBストレージとして働く

書籍をReaderへ転送する方法ですが,Reader Store以外から入手した書籍であれば,専用ソフトを使う必要はありません。Readerは,USBストレージになり,USB経由でPCにマウントできるので,ファイルコピーの感覚で書籍が転送できます。使い方次第ですが,専用の転送ソフトでないと,Readerが使えないと言うことはありません。

Reader Storeだけじゃない

Readerで読める電子書籍は,Reader Store以外からも購入できます。以下は,筆者が把握しているストアをリストアップしておきます。

3つのうち,楽天イーブックスストア「Raboo」は,Readerのホーム画面2ページ目にリンクが用意されているので,はじめての人にも使いやすくなる配慮がされています。

意外に多い対応フォーマット

Readerは,対応フォーマットが多いのも特徴です。

こうした部分をアピールしないのもソニーらしいと言えますが,フォーマットを意識しなくても使えるべきなので,現時点では,普通に使えるレベルに至っていないと言うべきかもしれません。

さて,Readerが対応しているフォーマットですが,配信コンテンツ(.mnh)⁠XMDF(.zbf)⁠ドットブック(.book)⁠EPUB(.epub)⁠PDF(.pdf)⁠テキスト(.txt)となっています。最初の配信コンテンツ(.mnh)は,Reader Storeで使われているもので,機種認証されたReader本体以外では閲覧できません。他,EPUBに関しては,OPS Version 2.0に対応しており,日本語のEPUBファイルは,正しく表示されない場合があるとしています。

EPUBがどんな風に見えるのか

Readerは,EPUBには対応するものの,日本語コンテンツは,正しく表示されない場合があると注意書きがされています。そこで,編集部にご協力いただいて,ReaderでEPUB3.0のコンテンツを表示した場合,どのように表示されるか検証してみたのでご報告します。

ご提供頂いたのは,EPUB3.0で作成されたコンテンツで,Readerには対応していません。検証の結果は,その部分を割り引いて結果を受け止めていただければと思います。検証に使わさせていただいたコンテンツは,Gihyo Digital Publishingで無料提供されている山森丈範氏著のCプログラミング入門です。

まずは,論より証拠ということで,iPadとReaderのコンテンツ再現性を見比べていただければと思います。iPadは,iBooksを使って表示しています。

Readerでコンテンツを表示したところ

Readerでコンテンツを表示したところ

iPadでコンテンツを表示したところ。コンテンツの再現性もさることながら,見開きで表示されるiPadは見みすい

iPadでコンテンツを表示したところ。コンテンツの再現性もさることながら,見開きで表示されるiPadは見みすい

Readerは,複数サイズのフォントが選択できますが,EPUBでは,それが使えず,画面比で言えば非常に大きなサイズのフォントが使われています。その結果,ページレイアウトが崩れたように見えてしまう部分が多くあります。

たとえば,章始めに章目次がありますが,iPadでは,一番小さいサイズのフォントに変更すれば,作り手が意図しているだろうレイアウトで表示されます。一方のReaderでは,章目次だけでページが占有されてしまい,iPadでの表示を見ていないと,何のことか理解できなかったかもしれません。フォントサイズの関係で,レイアウトが崩れるように見えるページが書籍のほとんどで見られ,気持ち良く読むことができません。

また,Readerのディスプレイは,16階調のグレースケール表示なので,色の再現性に関してもイマイチです。章目次のような絶妙な背景色が使われていると,見づらいと感じることもあります。

章目次の背景は,iPadで見ると綺麗だが,Readerでは見づらい

章目次の背景は,iPadで見ると綺麗だが,Readerでは見づらい

EPUBビューワとしては×

EPUB3.0,そしてiPadを想定したコンテンツと言えども,もう少し再現性の高いものだと予想してたのですが,予想を下回る結果でした。編集部からは,取り上げたコンテンツ以外もご提供いただきましたが,すべて同じ傾向でした。PRS-T1の発表時に「EPUB3.0対応への準備を進めており,年内または年明け目処にアップデートを実施したい」と説明がされています。EPUBの再現性に関しては,このアップデートが実施された際に,改めて検証の機会を設けたいと思います。

色々あれどお気に入り

Readerを使い始めて,3ヵ月が経とうとしています。

出張や旅行の際には,必ず持ち歩き移動中にReaderで読書をする使い方です。筆者は,Readerで読書をするのがあたりまえのようになりましたが,これまで同じ端末を使っている人を見かけたのは,福岡空港での1回限りです。端末代の負担を考えれば,購入を躊躇しますが,使い心地は抜群に良いので,もう少し普及しても良いのではと考えるほどです。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/

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