勉強会のススメ

第3回 対話を促進する学び場の運営ノウハウ[後編] 運営側の心がまえ

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運営側の心がまえ

運営側にとって勉強会当日のもっとも重要なミッションは,「当日の進行をつつがなく行うこと」です。

参加者のコミットメントを促す

ポジションペーパー

ポジションペーパーとは「立場表明書」の意味で,参加者それぞれが「勉強会に臨む今日の立場」をA4サイズ1枚の紙にまとめたものです図1)。勉強会当日には各自がポジションペーパーを持参し,参加者に配布します。勉強会の最初にポジションペーパーを元に参加者全員が発表を行います。1人あたりの持ち時間は5分が目安です。人数が多ければ,3分や2分にするのもよいでしょう。

図1 ポジションペーパーの例

図1 ポジションペーパーの例

ポジションペーパーを導入する狙いと効果には以下が挙げられます。

  • 名刺交換の代替手段であり,名刺よりも情報量が多い
  • 参加者全員に必ず発言してもらえる
  • ポジションペーパーの準備を通じて勉強会への意識を高めてもらえる
  • セッションを始める前に場の雰囲気を和らげることができる(アイスブレーク効果)
  • 参加者間の交流を促すきっかけになる

参加人数が多いと印刷コストが気になりますが,同枚数の名刺の印刷コストと名刺1枚に含められる情報量との差を考えてみてください。実践した参加者の反応もおおむね好評です。ポジションペーパーについては,江渡浩一郎さんのサイトの記事も参考にしてください。

名札

参加者が多い場合や,参加者間の面識が薄い場合に威力を発揮します。懇親会の席でも名札をつけておくことをお勧めします。少し恥ずかしいかもしれませんが,会話のきっかけ作りにもなります。参加者に目的を伝えたうえで協力してもらいましょう。

座席の配置

勉強会当日は,できるだけ参加者間の顔を見ることができるように机と座席を配置しましょう。筆者がよく行い,参加者からも好評な座席の配置は,馬蹄形(コの字形)に机と椅子を並べるというものです。人数が多い場合は,入れ子の馬蹄形にします写真1)。

あまりに人数が多い場合はそもそも馬蹄形に配置することが難しいです。そうした場合はオープンスペースのような形式でグループに分けたほうがコミュニケーションは活性化するでしょう。

写真1 馬蹄形の座席配置

写真1 馬蹄形の座席配置

時間はもっとも貴重なリソース

勉強会でもっとも貴重なリソースは,参加者の時間です。勉強会当日の進行管理は,もっとも重要な仕事です。運営の協力者がいる場合には,進行管理を担当する役割を設けてもよいでしょう。

当日のセッションでは適度な間隔で休憩を入れましょう。50分から90分につき,5分から10分程度の休憩を入れるリズムが,経験上,適切だと思っています。セッションの最中に議論が白熱することもありますが,その場合も極力タイムテーブルを守るようにしましょう。

そのために,タイムテーブルには各セッションごとに多少の余裕を持たせると,当日の進行状況に応じた柔軟な進行管理ができます。

また,時間が来たことをキッチンタイマーなどの機械に通知させるようにすると,気兼ねなく割り込むことができます。

著者プロフィール

角谷信太郎(かくたにしんたろう)

(株)永和システムマネジメント,サービスプロバイディング事業部所属プログラマ。「『楽しさ』がシステム開発の生産性を左右する」と信じてRubyによるアジャイル開発を現場で実践するテスト駆動開発者。目標は達人プログラマ。好きな言語はRuby。好きなメソッドはextend。著書に『アジャイルな見積りと計画づくり』(共同翻訳),『JavaからRubyへ』(翻訳),『アジャイルプラクティス』(共同監訳),『インターフェイス指向設計』(監訳)。

URLhttp://kakutani.com/

著書

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