Googleケータイ、世に現る

第30回音楽プレイヤーとしてのHT-03Aその1)

複数回にわたり、音楽プレイヤーとしてHT-03Aを考えてみます。

iPhoneユーザであれば、iPodを使っていた流れで、iPhoneのiPod機能を活用している方が多いかもしれません。Androidには、こうした背景がなく、端末と連携して音楽ライブラリを管理できるソフトが存在しないので、音楽プレイヤーとして活用している方は少ないのではないでしょうか。冒頭から結論めいた話になりますが、贔屓目に見てもiPhoneの方が使い易く魅力的な環境を提供していますが、HT-03Aは、まったくダメというわけではないので活用事例としてご紹介します。

管理ソフトには何を使うか

HT-03Aを音楽プレイヤーとして使う場合、最初に問題になるのが音楽ライブラリを管理するソフトです。iPhoneは、iTunesがあるからこそ、音楽プレイヤーでいられると言っても過言ではないと思いますが、HT-03Aには、ペアを組める相手がGoogleやHTCからリリースはされていません。

しかし、筆者と似た考えの人が居るのか、HT-03Aと連携できるソフトが存在します。筆者が目を付けたのは、さまざまな携帯端末やデジタル機器へ写真・音楽・動画を手軽に転送できるソフト「doubleTwist」とPDA全盛の時代から存在している老舗の同期ソフト「The Missing Sync for Andorid」の2つです。doubleTwistはフリーで、The Missing Sync for Androidは、$39.95の有償ソフトです。

イヤフォンをどうするか?

HT-03Aを音楽プレイヤーとして使う為には、もうひとつの難があります。

ユーザならば、察した方もいるかと思いますが、本体にイヤフォン端子がないことです。イヤフォンを接続するためには、本体のUSBコネクタに、何とも冴えない変換ケーブルを接続する必要があります。これはどうにも使いづらいので、筆者が試したBluetoohのイヤフォン、ソニーエリクソンのHBH-DS205とPhilips Tapster SHB7110も合わせてご紹介します。このイヤフォンは、共に1万円程度で入手可能です。

フリーが魅力的の「doubleTwist」

まずは、doubleTwistからのご紹介です。

doubleTwistを起動する前に、PC本体とHT-03AをUSBケーブルで接続します。

USB接続すると、HT-03Aの通知エリアに、USBのアイコンが表示されるので、プルダウンして[USB接続]をタップし、USBストレージとしてマウントします。doubleTwistには、アニメーションを使った操作方法が表示されるので、戸惑ことはないはずです。

HT-03Aをマウントする様子。doubleTwistは、操作方法を丁寧に説明する。
HT-03Aをマウントする様子。doubleTwistは、操作方法を丁寧に説明する。

USBストレージとして認識されたら、doubleTwistを起動してHT-03Aへ聴きたい音楽を転送する手順で使います。余談になりますが、Macの場合、HT-03AをUSBストレージとしてマウントするとiPhotoが起動します。Macユーザであれば、HT-03Aで撮影した写真は、iPhotoで管理するのが一番面倒がなくて簡単かもしれません。

doubleTwistは、標準でiTunesのライブラリが参照できます。筆者は、音楽ライブラリをiTunesで管理しているので、手間をかけることなく使い始めることが可能でした。そのライブラリから、楽曲を選択して、マウントしているデバイス(HT-03Aの場合、HTC Android Phoneという名前でマウントされます)へドラッグ&ドロップすれば楽曲を転送できます。使い方はシンプルで、説明の必要もないくらいです。

HT-03AはHTC Android Phoneとして認識される。プレイリストを選択して同期することも可能。
HT-03AはHTC Android Phoneとして認識される。プレイリストを選択して同期することも可能。

また、⁠File⁠⁠-⁠Libray⁠⁠-⁠Import iTunes Playlists]コマンドを実行すると、doubleTwistにiTunesのプレイリストを取り込めます。これも、マウントしているデバイスへプレイリストをドラッグ&ドロップすれば、お気に入りの楽曲を一度に転送することも可能です。あらかじめ同期するプレイリストを指定すれば、デバイスを選択した時に表示される画面の[Sync]をクリックすれば、まとめて同期を取ることも可能です。

doubleTwistからiTunesのライブラリをブラウズする様子。操作感はiTunesと変わりがない。
doubleTwistからiTunesのライブラリをブラウズする様子。操作感はiTunesと変わりがない。
デバイスに転送したファイルをdoubleTwistから参照することも可能。この辺りもiTunesと似た印象。
デバイスに転送したファイルをdoubleTwistから参照することも可能。この辺りもiTunesと似た印象。

もう一歩、不満が残る仕上がり

doubleTwistは「ケータイをiPod」をスローガンにして開発されているだけあり、インタフェースはiTunes並に洗練されており、ユーザであれば、すぐに使えるようにデザインされています。フリーで配布されていることを思えば、十分な仕上がりなんですが、唯一の不満は「転送ソフト」であることです。

特定機器向けの専用ソフトではなく、汎用ソフトなので、根本の問題ですが、iTunesのユーザならば、ケーブル1本差し込むだけで同期を実行してくれる便利さは身に染みて感じていると思います。doubleTwistの場合、ケーブル接続した後、必要な楽曲を転送するか同期コマンドを実行してやる必要があり、正直面倒に感じます(筆者が評価したのはMac OS X版なので、Windows版は違う可能性はあります⁠⁠。

もうひとつのソフト「The Missing Sync」は、転送ソフトではなく、同期ソフトだけあって、手間なく同期を行う仕組みが用意されているので、次回では、その辺りを中心にご紹介します。

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