Proactive rep! ~担当者によるプロジェクト推進~

第3回 プログラムを開発するように自分の仕事を計画しよう

2008年7月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

ゴールの定義

まず最初に作業を行う目的を定めます。目的とは,依頼者が得たい結果です。例えば,懇親会の幹事を行うことになったら,参加者が楽しめる会にすることが目的になるでしょうし,新技術の評価を依頼されたら,その技術が有用であれば導入すべきだということを依頼者に理解していただくことが目的になるでしょう。

ここでのアンチパターンとして,手段と目的を混同することがあります。例えば、上記の新技術の評価の依頼の例の場合,たいていはレポートを成果物として提出すると思います。この成果物の提出は手段に過ぎないのですが,ついゴールとして設定しがちです。作業依頼者と作業担当者での意識の違いはまさにここで出てきます。

図1 依頼者と担当者の意識

図1 依頼者と担当者の意識

確かに,成果物の提出は重要な目標の一つには違いないですが,成果物を出せば全てが解決するという訳ではありません。作業依頼者は,作業を依頼することで何らかの問題を解決しようとしています。例えば,新技術の評価を依頼するということは,その技術を導入すべきか無視すべきか判断材料が欲しいということです。

それにも関わらず,作業担当者は依頼した作業の結果を提出することまでが自分の責務と捉えてしまい,その先に何があるかは自分の担当ではないと考えていないでしょうか。

プログラムの開発であれば,依頼側と担当側で責務を切り離すのが良いとされますが,それを人間同士の関係にも当てはめてしまってはいけません。そんな状態では,自分の作業は終わったと言い張っても,責任ある仕事を行えたとはいえません。

重要なのは結合したときに連携して正しい結果を生み出すことです。そのためには,デジタルに責務を切り離すのではなく,依頼側の問題を自分の問題として思えるように,依頼側と担当側とがうまく一体となる様に対話を重ねましょう。

一朝一夕に出来るようになるものでは無いですが,日常生活では無意識にしていることなので,いずれ仕事上でも同じようにできるようになるでしょう。

例えば,友人同士でいく旅行を企画する場合のゴールは,日程表に従って旅行先に行って帰ってくることではなく,皆が旅行で楽しさを満喫することとなります。同じ事を仕事上で行えばよいのです。

作業を思いつく

次は,何を行えばゴールにたどり着くかを考えます。先述した新技術の評価の例で考えると,下記の作業になります。

ゴールにたどり着くためにレポートを作ろう。
 ⇒レポートを提出するには,資料調査と試用が必要だ。
  ⇒資料調査のためにはベンダー提供の資料を取り寄せることが必要だ。
  ⇒試用するにはその為のマシンとOSとを準備することが必要だ。

ここで大切なのは,ゴールから逆順に考えるということです。例えば,日常生活で路線検索を行う場合,普通は目的の場所に何時に到着するかを定めて検索しますし,プログラム開発でもテスト駆動開発を行う場合は,何を得たいかの結果をテストケースとして定義してから実装を進めていきます。仕事の計画でも同様に進めます。

その際,下記の事柄を自分に問いかけて,日常生活と同様にゴールから逆順に考えていきましょう。

  • ゴールを達成するために,どんな納品成果物を作ればいいのだろうか
  • 納品成果物を作るために,どんな中間成果物が必要だろうか
  • 中間成果物を作るために,どんなリソースが必要だろうか
  • リソースが足りなければ,どこから都合すればいいだろうか

著者プロフィール

こしばとしあき

関西出身自宅料理員兼ソフトウェア開発担当者。金融系業務アプリ開発,レガシー移行,Webサービス開発,画面制御基盤開発など様々な開発現場を経て,最近関東に進出。

アジャイル,ライフハック,プロジェクトファシリテーションに強く関心を持ち,講演も行っている。「ペンポッドで世界へミサイル大会」初代チャンプ。

blog『koeだめ』http://d.hatena.ne.jp/bash0C7/
料理blog『kuiだめ』http://kuidame.4038nullpointer.com/

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