タイム・マネジメントの心得 ~あなたを多忙から開放する10の方法~

第4回 手帳とカレンダーを活かす

2008年8月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

手帳のその他の機能について

上にあげた手帳の(2⁠⁠~⁠5)の機能についても,簡単に触れておきましょう。

(2)の電話帳・住所録については,よく連絡する相手の分だけ持ち歩ければ十分です。一般の中堅ビジネスマンの交友範囲というのは,だいたい200人程度におさまると言われていますが,常時コンタクトする数は,一時期にはだいたい20~30人程度におさまるものです。また電話番号だけなら,携帯電話に登録しておく方が便利でしょう。

(3)金銭出納帳の機能は,よく外出や出張で経費精算する人には必需品です。出納帳は,本来は現金・銀行口座・クレジットカードなど金種別につけるべきものですが,手帳は現金だけ記録するやり方でもいいでしょう。手帳は領収書など伝票をとじ込む紙ばさみの役割にもなります。

(4)のメモと(5)のデータベースは,あえて区別しています。メモとは,不定型な情報を,その場でつかまえておくための媒体です。つまり"フローの情報"を仮置きする場所です。そして,たいていの手帳は,かなりのページ数を,このメモ用途にとっています。

これに対して,データベースは,定型化されたデータの集積であり,"ストックの情報"です。定型化とは,決まった項目から構成されているという意味ですから,電話帳や住所録,現金出納帳などは,いずれもデータベースの一種です。ただし,データベースは蓄積保管してこそ価値がありますから,手帳上に完璧なデータベースを期待することは,スペース的に無理でしょう。メイン・データベースはオフィスに置いておき,手帳にはそのサブセットを,いつも使いそうな分だけ,小分けして持ち歩くやりかたになるはずです。

また,フローの情報であるメモも,オフィスに持ち帰って,データベースに格納することで初めて価値が活きます。だから,メモのページは,あまりたくさんは要りません。これは出先で行き会った情報を捕獲して持ち帰るだけの用途であり,本丸に帰ってインプットしてしまえば,そのページはもう不要になります。メモ・ページは差し替え可能なタイプにするか,あるいはいっそカードを束ねて持ち歩く方が便利でしょう。

手帳を活かす使い方

フローの情報をつかまえるための道具ですから,手帳は読みかえせ,を肝に銘じたいものです。朝一番や午後3時など,区切りのつけやすいタイミングに読み返して,フロー情報をストックデータに変える習慣をつけることです。後の回でご説明する「日誌」をつける習慣と連動するのがよいでしょう。

手帳を活用する際は,転記をどう減らすか,工夫がいります。たとえば固定部分と可動部分に切り離すのも一方法です。手帳カバーと手帳の間に,さらにもう1冊挟み込む。はさんだ方は可動部分として,フロー型情報に使います。あるいは逆に,可動部分の方に住所録など蓄積型データベースを書き込んでおき,翌年になったら新しい手帳にはさみ直すやり方もあります。

手帳は百科辞典ではないのですから,かさ張ってはいけません。かさ張ったら,持ち歩くのにじゃまです。つい,机の上に置きっぱなしになります。理想をいえばポケットに入るサイズでしょう。

最後に,ノートを使うことを忘れずに,と言っておきましょう。手帳とは別に,仕事ではノートが必要です。ノートもまた,フロー型の情報を捕まえるメモの道具ですが,何よりもスペースを使ってたくさん書けるし,デザインスケッチやグラフ・チャートなどを書くにも適しています。だから,手帳とノートは両方使った方がいいのです。そして,同じように,ノートも読み返す習慣をつけるべし,です。

なお,上にあげた(1⁠⁠~⁠5)の機能のリストには,タイム・マネジメントにとって非常に重要な機能が一つ欠けています。それはTo Doリストです。これについては,次回くわしく説明する予定ですが,To Doリストはカレンダー型予定表と『統合』する必要があります。このことだけは,ぜひ頭に置いておいてください。

著者プロフィール

佐藤知一(さとうともいち)

プロジェクト・アナリスト。エンジニアリング会社に勤務し,国内外の製造業向けの工場設計および生産システムづくりに従事するかたわら,執筆・講演活動などを行っている。専門はプロジェクトマネジメント・スケジューリング・生産計画・リスク分析など。海外におけるプロジェクト事情にも詳しい。

URLhttp://www2.odn.ne.jp/scheduling/

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