タイム・マネジメントの心得 ~あなたを多忙から開放する10の方法~

第10回 会議の時間を活かす

2009年2月16日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

「ここまでやるのはちょっと大変だなあ・・」と感じられた方には,"簡易版・打合せメモ作成法"をご紹介しましょう。これは,たいていの会議室にある電子黒板を活用する方法です。

まず,会議の最初に,電子黒板の右上隅に,日時とミーティングの目的,出席者名を書いておきます。議論を経て,終了の時間になったら,会議の結論とアクション・リストを全部書き出して,皆の合意をとります。そうしたら,その場で必要な人数分コピーをとって配布し,打合せメモの代用とするのです。コピーのとれない,単なるホワイトボードの場合は,携帯電話のカメラで撮影するのも,一つの手段でしょう。こうした習慣の有無が,結局は会議の時間を活かせるかどうかの鍵なのですね。

最初に書いた大先輩に,新人だった筆者がまっさきにたたき込まれたのが,議事録の書き方でした。"なんて面倒な・"とその時は思いましたが,今は教えてくれたことを感謝しています。ミーティングの合意結果を紙に残しておくこと。これが時間浪費を食い止める最良の方策なのです。議事録には整理番号を付して,センター・ファイリングし,後で探せるようにすることを私はいつもおすすめしています。ちなみに,参加者が毎回チェアマンを「採点」する会社もあります。キビシイですね。

アクション・リストを共有する

さて,議事録の中で最も重要なのは,先ほども説明したとおり,⑤の今後必要なアクションです。ところで,このアクション・リストの項目をじっと見ると,⁠内容」⁠期日」の部分は,To Doリストとそっくりですね。違うのは「責任者」の有無でしょう。

つまり良い会議とは,じつは参加者全員で,To Doリスト(アクション・リスト)を共有し,それを追いかけていく会議だということが分かります。事実,筆者が共同で仕事をした欧米の一流企業はどれも,プロジェクト定例会議の冒頭で,前回のアクションリストの進捗状況確認を行い,終了時に新たなアクション・リストの項目確認で締めくくる,というやり方をしていました。進捗確認の際,完了したものはその報告をし,遅れているものは督促し,また,あらたに必要になったアクションはリストに追加する─⁠─このサイクルを回していくことによって,みんなの時間を使う意味が生まれてくるのです。

ちなみに,アクション項目(To Do)は本来,依頼した側がリストに書き込むべきものです。そして完了したら,依頼側が結果を確認して,消し込むべきものです。ここを曖昧にしたままだと,ホワイトカラーのプロジェクトは進捗が分からなくなりがちです。依頼された側に記入を任せておくと,忘れられたり,あるいは「依頼されたとは思っていませんでした」という状態になる可能性もあるからです。

以前も書いたように,プロジェクトとは「タスク」の集合体です。タスクとは,達成すべき完了条件と,期日と,遂行に必要なリソース(つまり担当者)の決められた課題です。タスクとは,担当する個人の側から見ればTo Doに他なりません。すなわち,アクション・リストの共有が,グループで進める仕事の進捗記録の中心にあるわけです(⁠課題管理表」という名前で,これを共有しているケースも多いと思います)⁠プロジェクトが立ち上がったら,すぐにアクション・リストを作成し,それを定期的に追いかけていくことこそ,グループで行う仕事の進捗管理そのものなのです。

著者プロフィール

佐藤知一(さとうともいち)

プロジェクト・アナリスト。エンジニアリング会社に勤務し,国内外の製造業向けの工場設計および生産システムづくりに従事するかたわら,執筆・講演活動などを行っている。専門はプロジェクトマネジメント・スケジューリング・生産計画・リスク分析など。海外におけるプロジェクト事情にも詳しい。

URLhttp://www2.odn.ne.jp/scheduling/

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