Monthly Windows Phone 7 News

第5回Mangoが試食可能に

未完熟ながら…

Windows Phone 7の虜になった方は、バーゲンプライス(投げ売り?)になった端末を個人輸入されて楽しんでいる方も多くいるのではないかと思います。筆者も虜になったうちの一人ですが、端末を購入したのは、今年の春先でバーゲンプライスではなかったので、価格の下落ぶりには目を背けたくなります。

筆者と同様に、日本でWindows Phone 7の端末を所有されている方は、少数だと思います。目下の関心事と言えばWindows Phone 7の次期OSである「Mango」がいつリリースされるのか?に尽きるはずです。一般的向けのアップデートは、アナウンス通り秋頃になるはずですが、先日、Windows Phone SDK 7.1 Beta2 がリリースされたと同じタイミングで、開発者向けにベータROMの配布が始まりました。このベータROMは、端末を持つ誰もが試すことができるわけではなく、以下の条件を満たしている必要があります。

  • APP HUBへの登録と開発用の端末が必要(年間$99の費用が必要)
  • 端末は、NODOまでアップデートを済ませておく必要がある
  • アップデートに失敗しても、日本はサポート対象外なので、自己責任で行う
  • 端末の設定を踏襲するために、日本語リソースは含まれない

先で書いたように、すでに端末を入手された方は、アプリの開発目的で入手された方がほとんどだと思うので、未完熟ながらもジューシーなMangoを堪能されている方もいらっしゃるはずです。筆者も、アプリ開発の目的で端末を入手したのですが、現在は、完全に出遅れている状態で、開発環境をようやく整えた程度で、APP HUBへの登録はこれからと言った調子です。

さて、気になるMangoですが、これまで情報が出てこなかったのは、開発者と結ばれる機密保持契約に「あらゆるコンテンツやスクリーンショット、コメントをネットに公開してはいけない」という条項が設けられていたためのようです。しかし、ベータ版のMango(βMango)が公開されたと同時に、その規約が緩められ「プレリリース端末のROMや、バイナリのダンプ、プレリリースROMにアップデートするために使用したツールをサードパーティと共有してはならない」とされたので、βMangoの仕上がり度合いが、徐々に公開されてくるはずです。Mangoの登場を楽しみにされているユーザの方も、その仕上がり度合いを伺い知ることができるはずです。

アプリも続々と登場

Mangoが良い仕上がりなので、機運が盛り上がって来たのか、他のプラットフォームでメジャーでアプリがWindows Phone 7に移植されて公開されているので、いくつかピックアップしてご紹介します。

まず、iOSやAndroid OS用がリリースされている天気用アプリ「AccuWeather」が公開されています。

AccuWeatherの起動直後の画面
AccuWeatherの起動直後の画面

AccuWeatherは、日本を含む世界各地の天気予報や気象データが確認できるアプリです。AccuWeatherは、今日の天気だけではなく、向こう二週間の天気予報と最高気温・最低気温に加えて体感気温も確認できます。他、一時間ごとの予報も確認できるキメ細やかさです。暑さが厳しい今年は、外出の際に役立つツールとなるはずです。天気予報を表示する場所をGPSを取得したり、Windows Phone 7のアプリらしく、スタートメニューに配置したタイルに予報が表示され、アプリを起動しなくても一目で天気が確認できるなど、抜け目のない造りになっています。

もうひとつ、ガジェット好きであれば、ご存じのサイト「Engadget」の公式アプリもリリースされています。こちらも、iOS、Android OS用がリリースされています。

Engadget公式アプリで、記事を表示している画面
Engadget公式アプリで、記事を表示している画面

InternetExplorerでサイトにアクセスしても良いのですが、拡大・縮小しなくても記事が見易くなるように最適化されていたり、最新の記事リストも端末の小さな画面で見易くなるように工夫されています。もちろん、これだけではなく、Engadget MobileやEngadget HD、alt.Engadgetのコンテンツが参照できたり、Podcastまでが聴けるので好きな人には堪らない仕上がりとなっているはずです(筆者の場合、読むの方は何とかなっても、聴く方はさっぱりなので、Podcastは役に立ちませんが…⁠⁠。

他、面白いところでは、記事をクリッピングする機能を備えていたり(クリッピングだけで、その後Evernoteなどへインポートできる機能はありません⁠⁠、写真一覧から記事を辿る機能も用意されています。非常によくまとまったアプリですが、記事の読み込み時に、ネットへアクセスしているためか、動作が遅い部分がありストレスに感じことがあります。もう少し、つっかかりなく動作するようになれば文句なしのアプリです。

少しずつだが状況が良くなってきている

日本のマイクロソフトは、Windows Phone 7に積極的に取り組んでいるようで、Facebookに公式サイトを持ったり、開発者向けのセミナーを定期開催するなどして、積極的な活動を行っています。また、先で紹介したように、他のプラットフォームでも名が売れているアプリが次々と移植されているのも喜ばしい状況です。時間を重ねるごとに、少しずつではありますが周辺環境が充実して来ています。来月の今頃には、Mangoの全容が見えてくるはずなので、それを楽しみにして今月はこの辺りで。

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