オラクル、「Oracle Solaris 11.2」発表、OpenStackを統合しクラウドに特化

5月14日、オラクルは同社のUNIX互換OS、Oracle Solarisの最新バージョン11.2を発表した。特徴はオープンソースのクラウドプラットフォームとして知られるOpenStackの全機能を統合した点。これにより同社はOracle Solarisをクラウド基盤と位置づけ、SPARCプロセッサを搭載したハードウェアとともに、Java、Oracleデータベース等の同社製品を組み合わせ、動作効率の高いクラウド環境が構築可能となる。

クラウド向けの機能としてはOpenStackのほかSDN、そして従来からあるSolaris Zones(Solarisコンテナの基礎を成す技術)による仮想化等を統合して開発した結果、効率性、セキュリティとコンプライアンスの向上、そしてソフトウェアライフサイクル管理のシンプル化を大きく進めることができたとのこと。

効率性では従来の仮想化では仮想環境を管理するオーバーヘッドのため、同等のリソースを持つ物理サーバに比べ約20%程度のパフォーマンス低下が見られたが、これをほぼゼロにできるという。また複数のレイヤを統合して開発ているため、ライフサイクル管理においても事前テストの統一化やパッチの一本化が可能となり、シンプルで高速なメンテナンスが可能となった。同社の調べでは、Red Hat Enrterprise Linux搭載のx86システムと比較して、管理コストを3年間で1/6まで抑えることができるという。

ビル・ネシャイム氏
ビル・ネシャイム氏

発表を行った米国Oracle Corporation、Solarisプラットフォーム・エンジニアリング担当バイスプレジデントのビル・ネシャイム氏は「プロセッサからファームウェア、OS、仮想化、アプリケーションまでを統合することでIaaS、PaaS、SaaSいずれにも最高のパフォーマンスとリソース利用効率を提供できる」と語った。

一方、従来のSolaris環境とのバイナリ互換は守っているとのこと。既存のアプリケーションはそのまま実行できる環境を維持しているとのこと。

Oracle Solaris 11.2はSPARC版、およびIntel x86版とも現在ベータ版が同社サイトよりダウンロード可能となっている。

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