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IoTプラットフォームを目に見える形で身近に ─元AWS玉川憲氏が率いる企業ソラコムが始動

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IoTの高負荷処理やルーティングをクラウドへ「SORACOM Beam」

先に挙げた携帯キャリア網と同社のクラウドデータセンターの直結によるメリットを生かしたサービスが「SORACOM Beam」である。IoTデバイスから機密情報をサーバ等に送りたい場合,リソースの限られたデバイス内で暗号化処理を行うには荷が重い。このような場合にSORACOMプラットフォーム上でデバイスからのデータを暗号化する。携帯キャリア網からSORACOMプラットフォームまでは事実上閉域網となっているためセキュリティは確保されており,クラウドのリッチなリソースを使って高負荷な暗号化処理を行うことができる。接続相手の認証やデータ内容の改竄チェックも可能になる。

SORACOM Beam

SORACOM Beam

また,SORACOM Beamにデータの送信先を固定することにより,そこからの通信ルートを自由に設定することができる。通信ルート変更のためにデバイス設定を変える必要が無く,ユーザーコンソールから複数のデバイスの送受信ルートを一括して変更可能となる。さらにこの通信ルートをパブリッククラウドサービスに振り向けることで,デバイスからのデータを直接クラウドの各種サービスで処理させることができる。とくにAWSにはインターネットを介さず直結しているため,セキュリティを確保した処理が可能となっている。このあたりのサービスはさすがにAWS出身者が中心となった企業のメリットと言える。

なお,このSORACOM Beamは現在のところPublic Betaとなっている。

すでに多くの企業で導入が進むソラコムのサービス

同社のサービスが公式発表されたのは9月30日だが,すでに特定のパートナー企業や顧客にサービスを試験的に提供しており,そのフィードバックを受けてすでにサービスの立ち上がりやクオリティはかなりの水準と考えて良い。このビジネスの進め方もAWSと同じで,玉川氏をはじめ共同創業者でCTOの安川健太氏等,AWS出身者が持てるノウハウを惜しみ無く投入しているのが見て取れる。

発表でも玉川氏の紹介でリクルートライフスタイルの「Airレジ」での活用例,東急ハンズの端末システムのバックアップでの利用,GMSでのSORACOM Beamを使った大規模かつセキュアなIoTビッグデータ網など企業の第一線でクリティカルに使用されている例が次々と発表された。

さらにこれらのパートナー企業を支援するプログラムもしっかり用意されている。これが「SORACOMパートナースペース(SPS)⁠だ。パートナー企業の業種によりデバイスパートナー,ソリューションパートナー,インテグレーションパートナーに分かれており,それぞれすでに数社が事前登録してSORACOMプラットフォームのサービスを自社サービスに利用しはじめている。発表ではこれらパートナー企業によるSORACOMサービスの利用の実際と可能性についてパネルディスカッション形式での紹介が行われた。

SPSインテグレーションパートナー各社によるパネル,左からアイレット 鈴木宏康氏,クラスメソッド 横田聡氏,サーバーワークス 大石良氏,日立製作所 中村輝雄氏,モデレータの玉川氏(一番右)にとってはAWS時代からおなじみの皆さんが顔を揃え「胸熱」⁠玉川氏)とのこと。

SPSインテグレーションパートナー各社によるパネル,左からアイレット 鈴木宏康氏,クラスメソッド 横田聡氏,サーバーワークス 大石良氏,日立製作所 中村輝雄氏


IoTを使ったクラウド上のサービスと言えば,通常思いつくのはミドルウェアやアプリケーションレイヤ等の上位レイヤでアイデアを発想するケースが多いが,経験に裏打ちされた問題意識を元にしたまったく違うアプローチでユニークなサービスを実現させる技術力と企画力は非常に魅力的だ。今後は海外展開やマルチキャリアも視野に入れているという同社に注目していきたい。

SORACOM Airを手に。玉川憲氏(右)と安川健太氏

SORACOM Airを手に。玉川憲氏(右)と安川健太氏

説明会場ではSPSデバイスパートナーによる展示も

説明会場ではSPSデバイスパートナーによる展示も

株式会社ソラコム
URL:https://soracom.jp/

著者プロフィール

小坂浩史

gihyo.jp編集部 所属。最近では電子書籍の制作にも関わる。

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