SORACOM、サーバ不要でIoTデータ収集可能な新サービス「SORACOM Harvest」スタート、米国での「SORACOM」サービス提供も開始

⁠株⁠ソラコムは、同社が提供しているIoT通信プラットフォーム「SORACOM」で、11月30日にIoTデバイスのデータの収集・蓄積を支援する新サービス「SORACOM Harvest」を開始する。

「SORACOM Harvest」は、データ通信SIM「SORACOM Air」を挿したIoTデバイスから送信されたデータを、モバイル通信を介してクラウド上のSORACOMプラットフォームに蓄積することができるサービス。保存されたデータには受信時刻やSIM IDが付与され、⁠SORACOM」のユーザーコンソール内でグラフ化して閲覧したり、APIを通して手元に取得することができる。

「SORACOM Harvest」でIoT収集データをユーザーコンソール内でグラフ表示できる
「SORACOM Harvest」でIoT収集データをユーザーコンソール内でグラフ表示できる

これにより、ユーザはデータ収集用のサーバやストレージを別途用意しなくても、IoTデバイスからのデータの受信、保存、可視化を手軽に利用することが可能となる。

1回に送信できるデータは最大1kバイト、収集されたデータは40日間「SORACOM」プラットフォーム上に保存される。送信プロトコルはHTTP、TCP、UDPが利用でき、デバイスの識別はSIM IDで行うため、単一のURLをエントリポイントとして指定できる。データはバイナリでもテキストデータでも送信可能だが、ユーザーコンソールで可視化させるにはJSON形式で送る必要がある。

設定画面、エントリポイントも単一URLとなる
設定画面、エントリポイントも単一URLとなる

より本格的なデータ収集・分析を行いたい場合には、この「Harvest」からAPIを通して自前のサーバ等にデータを取得できるほか、これまで通り「Beam/Funnel/Canal」などの同社のサービスを介して、クラウドやストレージにデータを移行し、データ分析を行うことも可能。

利用料金は、SIM 1枚あたり5円/日。これには1日2000回の書込み料金が含まれる。2000回を超えると1リクエスト0.004円。この他、無料利用枠が用意されており、1アカウントにつきSIM 1枚分の5円/日が無料(アカウント作成から1年間⁠⁠。

この機能はおもに「SORACOM Air」を使ったIoTデバイスの開発者からの声を元に実現したとのこと。新たなデバイスを開発した際にデータ取得のテストをしたいが、そのためだけにサーバを立てるのが面倒だという。⁠Harvest」を利用すれば、テストデータの保存やデータの可視化はコンソール設定だけでセットアップできる。新たなサービスのためのデータを確認したい場合等にも手軽に利用できる。

SORACOM Harvest
URL:https://soracom.jp/services/harvest/

11月30日から米国でSORACOMサービス提供開始、米Amazon.comでグローバル版「SORACOM Air」の購入が可能に

SORACOMのサービスは2016年7月に「Global PoCキット」を提供する形でグローバル対応を発表し、世界120ヵ国でSORACOMのIoTサービスを検証できるようになっているが、11月30日から米国でのサービスを本格的に開始する。具体的にはAT&TおよびT-Mobileの通信基盤(3G/2G)を利用可能な「SORACOM Air」データ通信SIMを販売し、⁠SORACOM」のすべてのサービスを利用してIoTシステムを構築することが可能となる。合わせて日本で展開しているパートナープログラム「SORACOM」パートナースペースを米国でも開始する。

米国用「SORACOM Air」SIMのカラーは黒。これを手に説明を行う⁠株⁠ソラコム代表取締役社長 玉川憲氏
米国用「SORACOM Air」SIMを手に説明を行う(株)ソラコム代表取締役社長 玉川憲氏

グローバル対応「SORACOM Air」は米Amazon.comで購入することができる。1枚5ドル+送料で販売されるほか、複数購入の場合はボリュームディスカウントプランも用意されている。

セッション情報とともにSIMの位置情報の地図表示も可能なコンソール画面
セッション情報とともにSIMの位置情報の地図表示も可能なコンソール画面

グローバル対応「SORACOM Air」の新料金体系は以下の通り。注目すべきは、実際にデータ送信を開始するまで基本料金が無料である点(ただし1年間まで⁠⁠。デバイスにSORACOM Airを組み込み、実際に販売してユーザが使い始めてから初めてサービス利用料がかかるような提供方法が可能となる。

初期費用$5/(送料別)
基本料金データ送信前 $0/
データ送信後 $0.06/($1.8/月)
データ通信料$0.08/MB ~

「SORACOM Beam」等のSORACOM各サービスについては、日本と同じ料金テーブル(1ドルあたり100円換算)で提供される。

新サービスの「SORACOM Harvest」も含め全サービスを米国でも利用可能
新サービスの「SORACOM Harvest」も含め全サービスを米国でも利用可能
SORACOMグローバルサイト
URL:https://soracom.io
ソラコム
URL:https://soracom.jp/

おすすめ記事

記事・ニュース一覧